Visual Studio Code(以下、VS Code)は、プログラミング用エディタとして知られていますが、実は 個人用Wiki(ナレッジベース)として最強レベルの使い勝手 を実現できます。
Markdown形式のメモを自在に作成でき、フォルダ管理・リンク・検索・拡張機能などが圧倒的に充実しているため、NotionやEvernoteに負けない“知識の一元管理ツール”に変身させることができます。
この記事では、VS CodeをWiki化する具体的な設定方法や、便利な拡張機能、フォルダ構成例、運用のコツまで、初心者でもすぐに実践できる形で徹底解説します。
仕事のメモ、プログラミングノート、学習記録などを効率化したい方に、ぜひ試していただきたい内容です。
VS CodeをWiki化するメリットとは?
VS CodeをWikiのように使う最大のメリットは、とにかく軽くて自由度が高いのに、検索性とリンク機能が非常に強い点です。
一般的なノートアプリは、入力がラクな反面カスタマイズ性に弱かったり、動作が重かったり、データ移行しづらいといった欠点があります。
一方でVS Codeは、ファイルベースで動くため、
- どんなPCでも動く
- Gitでバージョン管理できる
- Markdown形式で永続的にデータが残る
- プラグインで機能を好きに拡張できる
- ローカルなので動作が軽く、オフラインでも使える
という、Wikiとして理想的な条件が揃っています。
さらに、Markdown記法により、
- 見出し
- リスト
- コードブロック
- 表
- チェックリスト
- 画像の貼り付け
などレビューしやすい形でメモを作れます。
自分だけの辞書や知識ノートを育てたい人に、特に相性が良いツールです。
まずはWiki用のフォルダ構成を作る
VS CodeでWikiを作る場合、フォルダ構成は非常に重要です。
最初に大まかな分類フォルダを用意しておくと、あとから整理がとても楽になります。
おすすめの構成例
my-wiki/
├── index.md
├── work/
│ ├── meeting-note.md
│ ├── project-idea.md
├── tech/
│ ├── powershell-note.md
│ ├── linux-command.md
├── life/
│ ├── cooking.md
│ ├── health.md
└── blog/
├── seo.md
├── writing-tips.md
フォルダの役割は次のとおりです。
- index.md → トップページ(Wikiの最初の入口)
- work、tech、life、blog → ジャンル別のメモ置き場
index.mdを「Wikiの目次ページ」にしてリンクを貼っておくことで、どんな記事でもすぐ見られる体系にできます。
Markdownでリンクを貼りまくるとWiki化が進む
Wikiの本質は「リンク」でつながることです。
Markdownでは簡単にリンクを貼ることができます。
内部リンク
[Linuxコマンドまとめ](tech/linux-command.md)
こうしておけば、ジャンルを横断する情報を自由につなげられます。
たとえば、ブログのメモから技術情報に飛んだり、業務のノートからアイデアメモへ飛んだりといった動線が作れます。
後で「あれどこに書いたっけ?」が劇的に減り、Wikiとしての価値がどんどん上がっていきます。
VS CodeをWiki化するのに便利な拡張機能
VS Codeは拡張機能を入れることで、「Wiki専用アプリ」レベルの使い心地に進化します。
ここでは特におすすめの拡張を紹介します。
1. Markdown All in One
Markdown入力の便利機能が一通り詰まっている定番ツールです。
- 見出しの自動生成
- リストの補完
- Markdownショートカット
- 目次の生成
とくにリストや表を多用する人には欠かせません。
2. Paste Image
画像をCtrl+Vで貼り付けると自動で画像ファイルを保存し、リンクも貼ってくれる神ツールです。

これを自動で生成してくれます。
スクリーンショットを多用するWikiでは必須級です。
3. Draw.io Integration
図解作成ができる拡張です。
概念図、構成図、フローチャートなどをWikiに添付したいとき、非常に便利です。
draw.ioで作ったファイル(*.drawio)をそのままプロジェクト内に保存できるため、図版を伴うナレッジ管理が簡単になります。
4. Markdown Notes / Foam
VS Codeを“Zettelkasten(メモ同士を関連付けて知識化する方法)”風に使うための拡張です。
- メモ同士のリンク
- グラフ表示(ノート同士が線でつながる)
- 自動リンク補完
などWikiに最適な設計になっています。
FoamはVS Code特化のWikiプロジェクトとして有名で、専用テンプレートも豊富です。
Gitでバージョン管理するメリット
Wikiとして使うなら、Git管理は非常に相性が良いです。
理由は以下の通りです。
- メモの変更履歴が残る
- どのPCでも同期できる
- 間違えて削除しても復元できる
- GitHub上でブラウザ閲覧が可能
とくに「成長するWiki」を作りたい場合、履歴が残ることの価値は大きいです。
おすすめのワークフロー
git init
git add .
git commit -m "first wiki commit"
あとは、変更したら以下だけでOK。
git add .
git commit -m "update: linux command"
これだけで “時間が経つほど価値が増すWiki” に成長していきます。
VS CodeをWikiとして使う具体的な書き方例
以下に、実際の書き方イメージを紹介します。
例:LinuxコマンドWiki
# Linuxコマンドまとめ
## よく使う基本コマンド
- ls:ファイル一覧
- cp:ファイルコピー
- mv:移動
- rm:削除
## 使用例
rm -rf test/
## 関連リンク
- [PowerShellの基本コマンド](powershell-note.md)
このように、見出し + リスト + コードブロック + 関連リンクをセットにしていくと、どんどんWikiらしくなっていきます。
検索機能が圧倒的に強い VS Code はWiki向き
Wikiを育てる上で最も重要なのが「検索」です。
VS Codeの検索は非常に高機能で、以下のような検索が可能です。
- 単語検索(全ファイル対象)
- 正規表現検索
- フォルダごとの絞り込み
- ファイル名検索
- 置換(全体 / 部分的)
たとえば「Linux」で検索すると、どのメモのどこに書いたか瞬時に表示されます。
これはもはやWebブラウザ検索以上の便利さです。
テンプレート化して効率を最大化する
Wikiは「書くことのハードル」を下げるほど継続しやすくなります。
そのため、テンプレートを作っておくのがおすすめです。
おすすめのテンプレート例(Markdown)
# タイトル
## 概要
(このノートの目的、何のために書くか)
## 本文
(詳細説明)
## 例・コード
(具体例やコード)
## 関連ノート
- [[]]
毎回同じ構成で書くことで、Wikiが読みやすく統一されていきます。
知識が増えるほど便利になる“自分専用辞書”が完成する
VS Code Wiki化の本質は、「知識の積み木」です。
- 学んだことを書き残す
- 関連するノートにリンクを貼る
- カテゴリに分ける
- 後で修正したり追記する
これを繰り返すことで、1ヶ月、半年、1年…と経つほど自分の頭の中が整理され、検索できる“第二の脳”が育っていきます。
NotionやEvernoteも便利ですが、軽さ・自由度・永続性のバランスを考えると、VS Code+Markdownは圧倒的に優れています。
まとめ|VS Codeは最強の個人Wikiツールになる
この記事では、VS CodeをWikiとして使う方法について詳しく解説しました。
✔ この記事のポイント
- VS Codeは軽量かつ高機能でWiki化に最適
- Markdownでメモが管理しやすい
- フォルダ構成で体系化できる
- 内部リンクで知識をつなげられる
- 拡張機能を入れれば専用Wiki並みに便利
- Gitでバージョン管理すれば永久に残る
- 続けるほど“自分専用の辞書”が完成する
VS Codeは「書く・整理する・調べる」の三拍子が揃った、最強の知識管理ツールです。
今日からぜひ “VS Code Wiki” をスタートして、あなたの学び・仕事・アイデアをどんどん蓄積してみてください。
