Excelを使ってデータを扱っていると、「長さをメートルからフィートに変換したい」「重さをポンドからキログラムに直したい」など、単位の変換が必要になる場面があります。そんなときに役立つのが、Excelの【CONVERT関数】です。
この関数を使えば、複雑な計算式を使わずに、ワンタッチで単位の変換が可能になります。本記事では、CONVERT関数の使い方から、注意点、そして実際のビジネスでの活用例までを詳しく紹介します。
CONVERT関数とは?
CONVERT関数は、Excelに用意されている組み込み関数の1つで、ある単位を別の単位に変換するために使います。
基本構文
=CONVERT(数値, "変換元の単位", "変換先の単位")
- 数値:変換したい数値(例:100)
- 変換元の単位:”m”(メートル)など、文字列で指定
- 変換先の単位:”ft”(フィート)など、文字列で指定
例:
=CONVERT(1, "kg", "lbm")
これは「1キログラムをポンドに変換する」計算をします。
CONVERT関数で使える主な単位一覧
CONVERT関数では、さまざまなカテゴリの単位が利用可能です。主なものを以下にまとめます。
長さの単位
単位記号 | 意味 |
---|---|
m | メートル |
cm | センチメートル |
in | インチ |
ft | フィート |
yd | ヤード |
mi | マイル |
重さの単位
単位記号 | 意味 |
---|---|
g | グラム |
kg | キログラム |
lbm | ポンド |
ozm | オンス |
温度の単位
単位記号 | 意味 |
---|---|
C | 摂氏 |
F | 華氏 |
K | ケルビン |
圧力の単位
単位記号 | 意味 |
---|---|
Pa | パスカル |
atm | 気圧 |
mmHg | ミリ水銀柱 |
※Excelのバージョンによっては、一部対応していない単位もあります。
CONVERT関数の活用例
CONVERT関数は、実務でも非常に便利に使えます。以下に具体的な例を挙げて解説します。
例1:長さをメートルからフィートに変換
=CONVERT(10, "m", "ft")
→ 結果:約32.808フィート
これは、10メートルをフィートに変換した結果です。
例2:体重をキログラムからポンドに変換
=CONVERT(70, "kg", "lbm")
→ 結果:約154.32ポンド
海外向けのデータ変換にも便利です。
例3:温度を摂氏から華氏に変換
=CONVERT(25, "C", "F")
→ 結果:77(25℃は77℉)
例4:圧力をatmからPaに変換
=CONVERT(1, "atm", "Pa")
→ 結果:101325(1気圧=101325パスカル)
CONVERT関数を使う際の注意点
単位コードは正確に記述する
CONVERT関数で使える単位は、Excelが認識できる英字記号である必要があります。略語の綴りを間違えるとエラーになります。たとえば、「kgm」は正しいですが「kgs」はエラーになります。
単位カテゴリをまたぐ変換はできない
例えば、「メートル」から「キログラム」といった長さ→重さの変換はできません。エラーになります。
=CONVERT(10, "m", "kg") → #N/A!
バージョン依存の注意
古いExcelバージョンでは一部の単位が使えない可能性があります。使用前にサポートされている単位を確認してください。
H2:実務での活用シーン
CONVERT関数は、次のようなシーンで活用されることが多いです。
エンジニアリングや建設業務
長さ、重さ、圧力などを国際単位系に揃える際に役立ちます。図面に記載されたフィート表記をメートルに直すなど、スムーズな変換ができます。
海外との取引・製品管理
アメリカ・イギリスとのやりとりでは、重さや長さの単位が異なるため、レポート作成時にCONVERT関数が大活躍します。
教育・研究現場
科学の授業や研究データの処理においても、単位変換の計算が自動でできるのは便利です。
応用テクニック:IF関数と組み合わせる
CONVERT関数は、他の関数と組み合わせることでさらに便利に使えます。
たとえば、単位の種類によって変換処理を変える場合:
=IF(A2="重さ", CONVERT(B2, "kg", "lbm"), CONVERT(B2, "m", "ft"))
このように条件に応じた処理を柔軟に行えます。
まとめ
CONVERT関数は、Excelで単位変換を行うための非常に強力なツールです。正しい使い方を覚えれば、日常業務や専門的なデータ処理もスムーズになります。
- 「構文は
=CONVERT(数値, "変換元", "変換先")
」 - 「正しい単位記号を使用する」
- 「カテゴリをまたぐ変換はできない」
このようなポイントを押さえて、ぜひ明日からの業務に活かしてみてください。