Windowsを長く使っていると、システムが不安定になったり、エラーメッセージが表示されたりすることがあります。こうした問題の原因の一つとして、システムファイルの破損が考えられます。
Windowsには、このような問題を診断し、修復するための便利なコマンドがいくつか用意されています。その中でも「sfc」コマンドは、システムファイルの整合性をチェックし、問題があれば自動で修復してくれる強力なツールです。
本記事では、「sfc /scannow」の基本的な使い方から、実行時の注意点、よくあるエラーと対処法まで詳しく解説します。Windowsのトラブルシューティングに役立つ知識を身につけましょう。
sfcコマンドとは?Windowsのシステムファイルを修復するコマンド
「sfc」とは、「System File Checker」の略で、Windowsのシステムファイルをスキャンし、破損や変更があった場合に元の正常な状態に戻すコマンドです。
Windowsは重要なシステムファイルによって動作していますが、ソフトウェアのインストール・アンインストール、ウイルス感染、ハードウェアの不具合などによって、これらのファイルが破損することがあります。
sfcコマンドを使うことで、こうした破損を検出し、自動的に修復することが可能です。
sfcコマンドの基本的な使い方
sfcコマンドを実行するには、管理者権限のコマンドプロンプトまたはPowerShellを使用する必要があります。
sfc /scannowの実行手順
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- 「スタートメニュー」を開く
- 「cmd」と入力し、「管理者として実行」 をクリック
- sfc /scannowを実行するbatコピーする編集する
sfc /scannow
- このコマンドを入力してEnterキーを押す
- システムファイルのスキャンと修復が開始される
- 完了するまでしばらく待つ(10~30分程度)
- スキャン結果を確認する
スキャン後、以下のいずれかのメッセージが表示されます。メッセージ意味Windows リソース保護は整合性違反を検出しませんでした問題なしWindows リソース保護は破損したファイルを検出し、正常に修復しました問題があったが修復されたWindows リソース保護は破損したファイルを検出しましたが、一部を修復できませんでした手動での対応が必要
sfcコマンドのオプション一覧
sfcコマンドには、いくつかのオプションがあり、用途に応じて使い分けることができます。
コマンド | 説明 |
---|---|
sfc /scannow | システム全体をスキャンし、修復できるファイルは修復する |
sfc /verifyonly | スキャンのみ行い、修復はしない |
sfc /scanfile=<ファイルパス> | 指定したファイルだけをスキャンし、修復する |
sfc /verifyfile=<ファイルパス> | 指定したファイルだけをスキャンし、修復はしない |
sfc /offbootdir=<ドライブ> /offwindir=<Windowsパス> | 別のドライブやオフライン環境でシステムファイルを修復する |
sfcコマンドの実行時に注意すべき点
1. コマンドプロンプトを管理者権限で開く
通常のコマンドプロンプトではsfcコマンドを実行できないため、必ず「管理者として実行」する必要があります。
2. 実行に時間がかかる
sfc /scannowはシステム全体をスキャンするため、数十分かかることがあります。処理が終わるまでPCを使用できる状態にしておきましょう。
3. 完全に修復できない場合がある
sfcコマンドでは修復できない場合、次の方法を試してください。
- Windows Updateを実行する
- DISMコマンド(後述)を使う
- システムの復元を行う
sfcコマンドで修復できない場合の対処法
sfcコマンドで「破損ファイルを修復できなかった」と表示された場合、次の手順を試してください。
1. DISMコマンドを実行する
DISM(Deployment Image Servicing and Management)コマンドは、Windowsのシステムイメージを修復するためのツールです。
DISMの実行手順
管理者権限のコマンドプロンプトで以下のコマンドを入力します。
batコピーする編集するDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
この処理には時間がかかる場合があります。終了後、再度 sfc /scannow
を実行してみてください。
2. Windows Updateを実行する
Windows Updateで最新のパッチを適用することで、修復できる場合があります。
3. システムの復元を試す
システムの復元ポイントを使って、正常に動作していた状態に戻すことが可能です。
4. クリーンインストールを検討する
最終手段として、Windowsのクリーンインストールを行うことも選択肢の一つです。
まとめ
sfcコマンドは、Windowsのシステムファイルをチェックし、破損があれば修復する便利なツールです。特に、Windowsの動作が不安定になったときに試してみる価値があります。
sfcコマンドのポイント
- sfc /scannow を管理者権限で実行
- スキャン結果を確認して、必要なら追加の対処を行う
- 修復できない場合はDISMコマンドやWindows Updateを試す
PCのトラブルを最小限に抑えるために、sfcコマンドの使い方を覚えておくと安心です。定期的なメンテナンスに役立てましょう!