VBAでファイルを安全に削除する方法｜初心者にもわかるコードと注意点

Excel VBAは業務効率化に大きな力を発揮しますが、その中でも「ファイルを自動で削除する」処理は、定期的なメンテナンスや整理作業に欠かせません。
不要なファイルをVBAで安全かつ確実に削除する方法を理解すれば、煩雑な手作業から解放されます。

本記事では、VBAでファイルを削除する方法を基礎から応用まで、わかりやすく解説します。実際のコード例や削除前の確認方法、エラー対策など、実務でも安心して使える知識をまとめました。
VBA初学者の方でも取り組みやすいように構成していますので、ぜひ参考にしてください。

ファイルを削除する基本構文「Killステートメント」
ファイルの存在確認を行う方法（Dir関数）
ファイル削除時のエラーを回避する方法（On Error構文）
フォルダ内の複数ファイルを一括削除する
削除前に確認ダイアログを表示する方法
読み取り専用ファイルの削除と属性の変更方法
実務でよくある削除シナリオと活用例
まとめ：安全に削除処理を行うポイント

ファイルを削除する基本構文「Killステートメント」

VBAでファイルを削除する際にもっとも基本となるのが Kill ステートメントです。
書き方はとてもシンプルで、ファイルのパスを指定するだけで削除できます。

Sub DeleteFile()
    Kill "C:\TestFolder\sample.txt"
End Sub

このコードは、「C:\TestFolder」内の「sample.txt」を削除する処理です。
ポイントは、ファイルが存在しない場合や、読み取り専用の場合にはエラーが発生するという点です。

そのため、実際に使う際には存在確認やエラーハンドリングを組み合わせるのが安全です。

ファイルの存在確認を行う方法（Dir関数）

削除対象のファイルが本当に存在するのかを事前に確認することは、非常に重要です。
Dir 関数を使えば、ファイルの存在チェックができます。

Sub SafeDeleteFile()
    Dim filePath As String
    filePath = "C:\TestFolder\sample.txt"
    
    If Dir(filePath) <> "" Then
        Kill filePath
        MsgBox "ファイルを削除しました。"
    Else
        MsgBox "ファイルが存在しません。"
    End If
End Sub

このコードでは、ファイルが存在する場合にのみ削除を実行します。
削除が成功したかどうかのメッセージも表示されるため、ユーザーへのフィードバックにもなります。

ファイル削除時のエラーを回避する方法（On Error構文）

削除処理にはエラーがつきものです。たとえば、対象ファイルが読み取り専用だったり、他のアプリで開かれている場合などが考えられます。
そうしたケースに備えるには、On Error 構文を使ったエラーハンドリングが有効です。

Sub DeleteWithErrorHandling()
    Dim filePath As String
    filePath = "C:\TestFolder\sample.txt"
    
    On Error GoTo ErrHandler
    
    If Dir(filePath) <> "" Then
        Kill filePath
        MsgBox "ファイルを削除しました。"
    Else
        MsgBox "ファイルが存在しません。"
    End If
    
    Exit Sub
    
ErrHandler:
    MsgBox "ファイルの削除に失敗しました。" & vbCrLf & "エラー内容：" & Err.Description
End Sub

Err.Description を使えば、どんなエラーが起こったかを具体的にユーザーへ伝えることができます。
これは業務での運用にも非常に役立ちます。

フォルダ内の複数ファイルを一括削除する

特定のフォルダにあるすべてのファイルを削除したい場合は、Dir関数をループ処理と組み合わせることで一括削除が可能です。

Sub DeleteAllFilesInFolder()
    Dim folderPath As String
    Dim fileName As String
    
    folderPath = "C:\TestFolder\"
    fileName = Dir(folderPath & "*.*")
    
    Do While fileName <> ""
        Kill folderPath & fileName
        fileName = Dir()
    Loop
    
    MsgBox "すべてのファイルを削除しました。"
End Sub

このようにすると、指定フォルダ内のすべてのファイルを削除できます。
ただし、サブフォルダや隠しファイルは対象外になる点には注意が必要です。

削除前に確認ダイアログを表示する方法

実行前に確認を入れることで、誤削除を防ぐことができます。MsgBox関数を使って確認ダイアログを表示するのがおすすめです。

Sub DeleteWithConfirmation()
    Dim filePath As String
    filePath = "C:\TestFolder\sample.txt"
    
    If Dir(filePath) = "" Then
        MsgBox "ファイルが存在しません。"
        Exit Sub
    End If
    
    If MsgBox("本当にファイルを削除しますか？", vbYesNo + vbQuestion, "確認") = vbYes Then
        Kill filePath
        MsgBox "ファイルを削除しました。"
    Else
        MsgBox "削除をキャンセルしました。"
    End If
End Sub

ユーザーの意思を確認してから処理を進めることで、操作ミスを減らすことができます。
業務の自動化処理でもこの確認ステップは安心材料になります。

読み取り専用ファイルの削除と属性の変更方法

読み取り専用属性のついたファイルは、そのままでは削除できません。
VBAでは SetAttr 関数でファイル属性を変更してから削除することが可能です。

Sub DeleteReadOnlyFile()
    Dim filePath As String
    filePath = "C:\TestFolder\readonly.txt"
    
    If Dir(filePath) <> "" Then
        SetAttr filePath, vbNormal ' 属性を標準に変更
        Kill filePath
        MsgBox "読み取り専用ファイルを削除しました。"
    Else
        MsgBox "ファイルが存在しません。"
    End If
End Sub

このように SetAttr を併用することで、削除できないトラブルを未然に防げます。