Excelで作業をしていると、同じ文字や記号を繰り返して表示したい場面があります。たとえば、★マークを5個並べて評価を表したり、文字数に応じて目盛りを表示したりするケースです。そんなときに便利なのが「REPT関数(リピート関数)」です。本記事では、REPT関数の基本的な使い方から応用例までを丁寧に解説します。初心者の方でもすぐに使えるように、具体的な操作例とともに紹介します。
REPT関数とは?
REPT関数(リピート関数)は、指定した文字列を指定した回数だけ繰り返して表示するExcel関数です。たとえば「★」を10回繰り返したい場合に、簡単に実現できます。
構文
=REPT(文字列, 回数)
例
=REPT("★", 5)
この式をセルに入力すると、★★★★★
と表示されます。
基本的な使い方
REPT関数は非常にシンプルですが、工夫次第でさまざまな使い方が可能です。まずは基本操作を確認しましょう。
数値と組み合わせる例
セルA1に「3」という数値があるとします。
=REPT("●", A1)
と入力すれば、「●●●」と表示されます。数値を変えるだけで表示数が変わるため、動的な表示が可能です。
評価やグラフ表示に使う方法
REPT関数は、データを視覚的に表現するのにも役立ちます。
星による評価表示
たとえば、レビュー評価を星で表したい場合:
評価(数値) | 表示(REPT関数) |
---|---|
1 | =REPT(“★”, A2) |
2 | =REPT(“★”, A3) |
5 | =REPT(“★”, A4) |
このように入力すれば、数値に応じて★マークが表示されます。
バーグラフのように表示
以下のような数値に対して「|」などの記号でバー表示をすることも可能です:
=REPT("|", A1)
これを複数行に適用すれば、簡易的な棒グラフとして機能します。
空白と組み合わせて整形する
文字列の前後に空白や他の文字を加えることで、見た目を整えることも可能です。
例:右揃えで表示
=REPT(" ", 10 - A1) & REPT("■", A1)
このようにすれば、常に10文字分の長さを保ちつつ、右側に■が並ぶように表示されます。
他の関数との組み合わせ
REPT関数は他の関数と組み合わせることでさらに応用が広がります。
IF関数との組み合わせ
たとえば、数値が0のときは何も表示しないようにしたい場合:
=IF(A1=0, "", REPT("★", A1))
TEXT関数との組み合わせで整形
=TEXT(A1,"00") & ":" & REPT("■", A1)
数値を2桁表示に整形しつつ、バーもつけるといった使い方もできます。
実務での活用例
REPT関数は、実務でも以下のような場面で活用されています。
1. 進捗状況の表示
プロジェクトの進捗を簡易的に表示する例:
=REPT("■", A1) & REPT("□", 100 - A1)
これで100%中どれくらい進んでいるかが視覚的に把握できます。
2. クレーム対応件数の強調
対応件数に応じて記号を繰り返すことで、視覚的に注意喚起:
=REPT("!", A1)
5件を超える場合は赤字で表示するような条件付き書式と組み合わせると、より実用的です。
注意点と制限事項
- 最大繰り返し数は32,767文字までです。それ以上になるとエラーになります。
- 数値が負の値や文字列の場合、エラーや空白になります。
- 見た目が整っていても、実際には長い文字列になるため、パフォーマンスに注意が必要な場合もあります。
まとめ
REPT関数は、Excelで指定した回数だけ同じ文字を繰り返す非常に便利な関数です。基本の使い方を押さえておけば、評価表示やグラフのような視覚表現、動的な整形など、多様な場面で役立ちます。他の関数と組み合わせることで応用範囲も広がるため、日常業務にどんどん活用していきましょう。