【Excel関数解説】複数のセルの文字列を一度に結合する方法

Excelで名簿を作成したり、商品一覧をまとめたりする際、複数のセルに入力された文字列を「ひとつのセルにまとめたい」と思ったことはありませんか？
例えば、姓と名を別々のセルに入力していて、それを一括で「姓名」の形で結合したいといった場面です。
そんなときに役立つのが、Excelの文字列結合関数です。中でもおすすめなのが、TEXTJOIN関数。
この記事では、TEXTJOIN関数の基本的な使い方から、複数列のデータを効率よく結合するテクニックまで、実例を交えてわかりやすく解説します。
Excel初心者から中級者まで、すぐに役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

TEXTJOIN関数とは？基本の書式と役割

TEXTJOIN関数は、指定した区切り文字で複数の文字列を一括で結合する便利な関数です。
従来の「&（アンパサンド）」や「CONCATENATE関数」よりも、複数セルをまとめて指定できる点が強力です。

基本書式

=TEXTJOIN(区切り文字, 空白セルを無視するか, 結合するセル範囲)

各引数の意味

引数	説明
区切り文字	各文字列の間に挿入する文字（例：空白やカンマ）
空白セルの無視	TRUEなら空白セルを無視、FALSEなら空白セルも含める
結合するセル範囲	対象のセルまたは範囲（複数指定も可）

例

姓がA列、名がB列にある場合：

=TEXTJOIN(" ", TRUE, A2:B2)

この式は、「山田太郎」のように空白を区切り文字として結合します。

TEXTJOIN関数の活用例①：氏名の結合

使用シーン

名簿のようなリストで、姓と名を別々に管理しているケース。

A列（姓）	B列（名）	C列（フルネーム）
山田	太郎	山田太郎
田中	花子	田中花子

数式

=TEXTJOIN(" ", TRUE, A2:B2)

この式をC列にコピーすれば、全ての行にフルネームが自動で表示されます。

TEXTJOIN関数の活用例②：複数列のデータをCSV形式に変換

業務でCSV形式にデータを整形したい場合にもTEXTJOIN関数は便利です。

A列	B列	C列
001	商品A	100
002	商品B	200

数式

=TEXTJOIN(",", TRUE, A2:C2)

出力結果は「001,商品A,100」となり、CSV形式の文字列を簡単に生成できます。

TEXTJOIN関数の活用例③：チェック項目の一覧化

チェックリストなどで「○」が付いた項目だけを抽出して一覧にしたい場合。

A列（項目）	B列（チェック）
パスポート	○
筆記用具
スマホ	○

数式（配列数式）

=TEXTJOIN("・", TRUE, IF(B2:B4="○", A2:A4, ""))

このように、条件に一致した値だけを抽出して結合することも可能です。
配列関数を使う場合、Ctrl + Shift + Enterで入力する必要があります（Excel 365/2021では不要）。

TEXTJOIN関数と他の結合方法の違い

TEXTJOIN関数以外にも、文字列結合には以下のような方法があります。

&（アンパサンド）

=A2 & " " & B2

直感的で簡単ですが、複数列にまたがる場合には式が長くなります。

CONCATENATE関数

=CONCATENATE(A2, " ", B2)

古い関数で、最近はTEXTJOINやTEXT関数が推奨されています。

CONCAT関数

=CONCAT(A2:B2)

Excel 2019以降で使える簡易的な結合関数ですが、区切り文字を指定できない点でTEXTJOINより柔軟性に欠けます。

よくあるエラーと対処法

TEXTJOINを使う際に見られるエラーや注意点を以下に紹介します。

1. #VALUE! エラー

原因：配列数式を正しく入力していない場合や、Excelのバージョンが対応していない場合。

対処法：Excel 2016以前ではTEXTJOINは使えません。Office 365かExcel 2019以降が必要です。

2. セル範囲が多すぎると重くなる

非常に広範囲のデータを結合する場合、処理に時間がかかることがあります。
その場合は範囲を絞るか、関数のネストを控えめにしましょう。

応用編：改行付きで複数セルを結合する方法

TEXTJOIN関数では、区切り文字に改行コードを指定することで、セルの内容を縦に結合できます。

数式

=TEXTJOIN(CHAR(10), TRUE, A2:A5)

このとき、セルの書式設定で「折り返して全体を表示する」を有効にすることで、改行が反映されます。

TEXTJOIN関数の使いどころまとめ

TEXTJOIN関数は以下のような場面で特に便利です。

氏名など、複数セルの内容を1セルにまとめたいとき
CSV形式の文字列を一発で作成したいとき
チェックリストなどから条件に合う項目だけを抽出・表示したいとき
セルの内容を改行付きでまとめたいとき

操作に慣れることで、手作業でのコピペ作業が減り、作業効率が格段にアップします。

まとめ：TEXTJOINで作業を一気に効率化しよう

TEXTJOIN関数は、複数セルの文字列を一度にスマートに結合できる非常に強力な関数です。
特にデータ整形やリスト作成において、これまで手作業で行っていた作業を自動化できる点が大きな魅力です。
Excelで文字列結合を頻繁に使う方には、ぜひマスターしていただきたい関数です。
日常業務の時短と効率化の一歩として、TEXTJOIN関数を取り入れてみてはいかがでしょうか？