ExcelのバージョンをINFO関数で確認する方法|使い方と注意点を徹底解説

Excelには「INFO関数」という便利な関数があることをご存じでしょうか?
この関数を使えば、使用中のExcelのバージョンやOSの情報など、さまざまなシステムに関する情報を簡単に取得できます。特に、職場や複数の端末で作業している方にとっては、環境の違いを把握するのに役立つ機能です。この記事では、INFO関数を使ってExcelのバージョンを確認する方法を中心に、引数の種類や具体的な使用例、注意点などを詳しく解説します。Excelの内部情報に興味がある方や、バージョン確認の手段を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。


INFO関数とは何か?

INFO関数は、現在のワークステーションに関する情報を取得するための関数です。
Excelにおける環境設定や使用中のOS情報、ファイルパス、バージョンなど、いくつかのシステム情報を文字列で返してくれます。基本的な構文は以下の通りです。

=INFO(情報の種類)

この「情報の種類」は、引数として指定する文字列であり、何を知りたいかを選びます。例えば "system" であればオペレーティングシステムの種類、"release" であればExcelのバージョン番号が返されます。


Excelのバージョンを調べるには「release」

Excelのバージョンを調べたい場合、INFO関数の引数として "release" を指定します。実際の使い方は以下の通りです。

=INFO("release")

この関数をセルに入力すると、16.015.0 といったバージョン番号が返ってきます。
バージョン番号の意味は以下のようになります:

バージョン番号Excelのバージョン例
16.0Excel 2016以降(Office 365含む)
15.0Excel 2013
14.0Excel 2010
12.0Excel 2007

このように、数値からExcelのリリース年や世代が分かります。とくにOffice 365(現:Microsoft 365)を使用している方は、常に最新に近いバージョンが使用されていることになります。


その他のINFO関数の引数一覧

INFO関数には、他にも以下のような引数が用意されています。用途によって使い分けると便利です。

引数意味
"directory"現在のディレクトリパス
"numfile"開いているワークブックの数
"origin"シートの最初のセルのアドレス(通常は「$A$1」)
"osversion"使用しているオペレーティングシステムのバージョン
"recalc"再計算モード(自動か手動か)
"system"使用中のOS(MS-DOSと表示されることが多い)

例えば、=INFO("osversion") で「Windows (10.0) NT x86」などと表示され、使用中のOSバージョンが分かります。


実務での活用例:バージョンに応じたマクロ制御

INFO関数は、バージョンによって動作を分けるようなマクロや関数の作成にも活用できます。たとえば、以下のような使い方です。

If Application.Info("release") = "16.0" Then
MsgBox "このマクロはExcel 2016以降で動作確認済みです"
Else
MsgBox "このバージョンでは正常に動作しない可能性があります"
End If

このように、バージョンによってメッセージや処理内容を変更することで、より堅牢なマクロを組むことができます。


INFO関数を使う際の注意点

INFO関数は便利ですが、いくつか注意点もあります。

  1. 言語設定の違いに注意
     日本語版のExcelであれば "release" など英語の引数で問題ありませんが、言語によっては別の表記になる可能性があります。
  2. 詳細なバージョンまでは分からない
     INFO関数では、16.0 などの大まかなバージョンしか取得できません。Office 365の更新プログラムによる細かなバージョン(例:16.0.15601.20088)までは確認できないため、厳密な検証には向きません。
  3. 他の関数との組み合わせが限定的
     INFO関数は主に表示用に使うため、数値としての計算には不向きです。必要に応じて文字列操作関数(LEFT, MID, VALUEなど)を組み合わせる必要があります。

より詳しくバージョンを知りたいときは?

より詳細なExcelのバージョンを確認したい場合は、以下の手順を使います。

  1. Excelを開く
  2. メニューの「ファイル」→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」をクリック
  3. 表示されたウィンドウで、詳細なバージョン番号(例:バージョン 2304、ビルド 16327.20308)を確認

INFO関数で確認できる情報は、あくまで限定的なものです。細かく検証が必要な作業では、この方法で補完することをおすすめします。


まとめ

INFO関数は、シンプルながらもExcelのシステム情報を取得できる便利な関数です。特に「release」を使えば、現在使用しているExcelのバージョンが一目で分かります。複数環境で作業している場合や、マクロやテンプレートの互換性を確認する際に非常に役立ちます。

ただし、詳細なバージョンまでの確認には限界があるため、必要に応じて「Excelのバージョン情報」画面などで補完しましょう。INFO関数をうまく活用すれば、業務の正確性や効率がさらに高まるはずです。

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