Excelを長時間使っていると、白い画面がまぶしく目が疲れる…。そんな悩みを解消してくれるのが「ダークモード」です。Excelの画面を暗いテーマに変更することで、作業に集中しやすくなり、夜間の作業や長時間のパソコン利用でも目の負担を軽減できます。本記事では、Excelでダークモードを設定する方法、注意点、便利な活用テクニックまでわかりやすく解説します。
Excelのダークモードとは?特徴とメリット
ダークモードとは、画面の背景色を黒やダークグレーなどの暗い色に切り替える表示モードのことです。Excelでは、近年のバージョンでこのダークモードが標準機能として搭載されており、視認性や作業効率の向上を目的に多くのユーザーが利用しています。
特に注目されているメリットは以下の3つです。
① 目の疲れを軽減できる
白い背景は明るすぎるため、長時間作業すると目が疲れやすくなります。ダークモードを使用することで光の刺激を抑え、集中して作業しやすい環境になります。
② 夜間や暗い場所での作業に最適
仕事後の資料作成や夜の勉強など、暗い場所で作業する際にダークモードは抜群に見やすくなります。
③ PCのバッテリー持ちが改善する場合もある
特にOLEDディスプレイ搭載のPCでは、黒い画面はバッテリー消費が少ないため、作業時間が長くなりやすいというメリットがあります。
このように、Excelのダークモードは単に「かっこいい」だけでなく、実用的にも優れた機能なのです。
Excelでダークモードを設定する方法(Windows・Mac)
Excelのダークモード設定は、OS(Windows / Mac)によって少し異なります。ここでは、もっとも簡単な設定手順を詳しく紹介します。
●Windowsの場合
ExcelはWindowsのシステムテーマと連動します。つまり、Windows自体をダークモードにすると、Excelも自動的にダークになります。
① Windowsのダークモードを設定する手順
- スタートメニュー →「設定」を開く
2.「個人用設定」→「色」をクリック
3.「モードを選ぶ」で 「黒」 を選択 - Windows全体がダークモードに切り替わる
これでExcelのリボン、メニュー、背景などがダークテーマになります。
② Excel個別でテーマを変更する方法
Windowsをライトモードのまま、Excelだけ暗くしたい場合は以下を設定します。
- Excelを開く
2.「ファイル」→「オプション」をクリック
3.「基本設定」→「Officeテーマ」
4.「黒」または「濃い灰色」を選択
特に「黒」は完全なダークモード、「濃い灰色」は優しい落ち着いたトーンで、多くのユーザーに好まれています。
●Macの場合
Mac版Excelも、macOSのシステムテーマに連動してダークモードを切り替えます。
- Appleメニュー →「システム設定」
2.「外観」→「ダーク」を選択 - ExcelなどOfficeアプリにも反映される
Macの場合、Excel単体でテーマ変更ができない点がWindowsとの違いです。
ダークモードにしてもワークシート(セル)が白いままの理由
Excelをダークモードに切り替えたら、リボンやメニューは暗くなったのに、セルの背景は白いまま…という経験はないでしょうか?
実は、これはExcelの仕様です。
Excelでは ワークシート自体の背景色は薄いグレーまたは白を維持 するように設計されています。これは、セル内のデータや表を見やすくするためで、あえて暗くしないようにしているのです。
とはいえ、真っ白のままだとダークモードと合わず「眩しい」と感じる人もいます。そこで次の章では、セル背景を暗くして見やすくする方法を紹介します。
ダークモードに合わせてセルを“暗く見やすく”する設定方法
Excelの仕様上、完全な黒背景のシートにはできませんが、以下の方法で暗めの背景に調整できます。
●方法①:セルの背景色をダークグレーに変更する
- Ctrl + Aでシート全体を選択
2.「ホーム」タブ →「塗りつぶしの色」 - ダークグレーを選ぶ
これだけで画面の色の統一感が増し、目にも優しいシートが完成します。
●方法②:Excelの「ページ背景」で背景画像を黒系にする
背景画像を設定する方法もあります。
1.「ページレイアウト」タブ
2.「背景」→黒〜グレー系の画像を選択
ただし、この方法では印刷時に背景が反映されません。
●方法③:ハイコントラストモードを併用する(Windows)
Windowsのハイコントラスト設定を利用すると、画面全体が暗くなります。
1.「設定」→「簡単操作」
2.「ハイコントラスト」をオン
ただしデザインが崩れやすく、一般作業には向きません。
ダークモード使用時の注意点とよくあるトラブル
ダークモードは便利ですが、いくつか注意点があります。作業中に困らないよう、あらかじめ知っておくことが大切です。
●① 印刷プレビューが実際と違って見える
ダークモードでExcelを見ていると、印刷プレビューの色が暗く見えることがあります。
しかし、印刷結果は通常どおり白背景 です。
混乱しやすいポイントなので覚えておきましょう。
●② 図形やグラフの色が見づらくなる場合がある
特にグラフの文字色が白だと、背景の白と同化して見えなくなることがあります。
この場合は以下の調整を行います。
- グラフの文字色を黒に変更
- 背景色を薄いグレーに調整
- テーマカラーを変更
●③ 共有している相手にはダークモードは反映されない
あなたのExcelをダークモードにしても、相手側には反映されません。
相手は自分のExcel設定に応じた見た目で表示されます。
●④ アクセシビリティ上、全員に最適とは限らない
暗い画面は見やすいと感じる人もいれば、逆に読みにくいと感じる人もいます。
特に高齢者との共同作業やプレゼン資料はライトモードのほうが親切な場合もあります。
ダークモードと相性の良いおすすめ設定
ダークモードをより快適に使うためのおすすめカスタマイズを紹介します。
●① フォントを太くする
暗い背景では細い文字が見づらくなることがあります。
推奨フォントは以下のとおりです。
- メイリオ
- Yu Gothic
- 游明朝(太字)
- Arial
- Segoe UI
太字にすると視認性が改善します。
●② 格子線の色を薄いグレーに変更
白背景のままでも、格子線の色を少し暗くするだけで見やすさが向上します。
1.「ページレイアウト」→「色」
2.「カスタム」→格子線の色を薄いグレーに変更
●③ セルの余白を広くして読みやすく
[表示] → [ズーム] やセル幅の調整を行うことで、特に暗いテーマでも作業しやすくなります。
ダークモードは本当に作業効率を上げる?メリットとデメリットを比較
ダークモードの印象だけで設定するのではなく、メリット・デメリットを理解すると自分に合った設定が選べます。
●【メリット】
- 目の疲れが軽減する
- 夜間の作業に最適
- バッテリー持ちが改善する場合がある
- 画面のデザインが落ち着く
●【デメリット】
- グラフや表が見づらくなることがある
- 白背景での印刷プレビューに違和感
- 他の人と共有すると見え方が違う
- 視覚的に暗く、集中しにくいと感じる人もいる
まとめ:Excelのダークモードは“目の疲れ軽減”に最適な設定
Excelのダークモードは、特に長時間作業するときや夜の作業で大きな効果を発揮します。設定も簡単で、Windows・MacどちらでもOSテーマと連動して切り替えが可能です。ただし、セルの背景が白いままになる仕様や、印刷表示の違いなど、注意点を理解しておくことが大切です。
上手に設定を調整すれば、Excelをより快適かつ効率的に使うことができます。ぜひ本記事を参考に、あなたの作業環境に合った最適な“見やすいExcel”を作ってください。
