Kintoneは、プログラミングの知識がなくても業務アプリを簡単に作れるクラウドサービスです。特に中小企業やチーム単位での売上管理において、Kintoneを使えばエクセルに頼ることなく、見やすく正確なデータ管理が実現できます。
この記事では、「顧客アプリ」「商品アプリ」「売り上げアプリ」の3つを作成し、それらをリレーション(関連付け)することで、業務の効率をぐっと高める方法を丁寧に解説します。
Kintoneで売上管理をするメリットとは?
Kintoneを使えば、バラバラになりがちな売上データを一元化して管理できます。
エクセルのように手動で集計する手間がなくなり、ミスの防止やリアルタイムでの情報共有が可能になります。
また、Kintoneには以下のようなメリットがあります。
- クラウドベースなので、社外からもアクセス可能
- コメント機能や通知機能でチーム内の連携がスムーズ
- ノーコードで自由にカスタマイズ可能
特にリレーション機能を使えば、他のアプリの情報を簡単に呼び出せるため、「顧客の名前」や「商品の単価」などを自動で参照できます。
ステップ1:顧客アプリを作成する
まずは、売上データに紐づけるための「顧客アプリ」を作成します。
作成手順
- Kintoneにログインし、アプリを新規作成(「+アプリ」→「最初から作成」)
- アプリ名を「顧客アプリ」に設定
- 以下のフィールドを追加します:
- 顧客ID(文字列(1行)・必須)
- 顧客名(文字列(1行))
- 電話番号(文字列(電話番号))
- メールアドレス(文字列(Eメール))
- 住所(文字列(複数行))
- 「保存」→「アプリを公開」で作成完了です。
この顧客アプリは、後に売上アプリから参照されるので、正確に入力されるよう項目ごとにルールを設けると便利です。
ステップ2:商品アプリを作成する
続いて、「売れた商品」を管理するための商品アプリを作成します。
作成手順
- 新規アプリを作成し、名前を「商品アプリ」とします
- 以下のフィールドを設定:
- 商品コード(文字列(1行)・必須)
- 商品名(文字列(1行))
- 単価(数値)
- 在庫数(数値)
- 「保存」→「アプリを公開」で完了
このアプリに登録された商品情報は、売上アプリに連動して反映されるようにします。
ステップ3:売り上げアプリを作成する
メインとなる売上管理アプリを作成します。
作成手順
- 新規アプリを作成し、「売り上げアプリ」と命名
- フィールドの構成は以下の通りです:
- 取引日(日付)
- 顧客(関連レコード一覧)
- 商品(関連レコード一覧)
- 数量(数値)
- 小計(計算フィールド:数量×単価)
- 備考(文字列(複数行))
この段階では、顧客と商品を関連レコードとしてリレーション設定する必要があります。
ステップ4:リレーション設定でアプリを連携させる
Kintoneでは「ルックアップ」や「関連レコード一覧」フィールドを使って、他のアプリの情報を呼び出せます。
顧客アプリとのリレーション
- 売り上げアプリに「ルックアップ」フィールドを追加
- 「参照先アプリ」に「顧客アプリ」を選択
- 顧客IDを基準にして、顧客名、電話番号、メールアドレスをコピーできるように設定
これで、売り上げアプリに顧客IDを入力すれば、その顧客の情報を自動で取り込めます。
商品アプリとのリレーション
- 同様に、商品アプリと「ルックアップ」で連携
- 商品コードを基準に、商品名と単価を取得
これにより、売り上げアプリで商品の情報も正確に取得できます。
小計フィールドの自動計算
単価と数量を使って「計算フィールド」を設定しましょう。
計算式:数量 * 単価
これで売り上げが自動で計算され、入力ミスの防止にもつながります。
ステップ5:一覧表示・グラフで見やすく分析
アプリの完成後は、売り上げデータを分析しやすくする設定を行いましょう。
一覧のカスタマイズ
- 顧客名、商品名、数量、小計を一覧表示に含める
- 日付や顧客名で並べ替えできるようにすると便利
グラフ機能の活用
Kintoneにはグラフ表示機能があり、以下のような分析が可能です:
- 月別売上推移(折れ線グラフ)
- 商品別売上構成(円グラフ)
- 顧客別売上ランキング(棒グラフ)
これにより、視覚的に売上状況を把握できるようになります。
ステップ6:アプリ間の連携をテストする
アプリの連携が正しく動作するか、テスト入力で確認しましょう。
テスト手順
- 顧客アプリに新規顧客を登録
- 商品アプリに商品を追加
- 売り上げアプリに新規レコードを作成
- 顧客と商品を選択し、数量を入力
- 小計が正しく表示されるかチェック
また、一覧やグラフも問題なく表示されるかを確認してください。
まとめ:Kintoneなら売上管理も簡単に効率化できる!
Kintoneを使えば、売上管理アプリをわずか数ステップで作成できます。
顧客や商品アプリと連携させることで、重複入力やミスを防ぎ、業務の効率が大幅にアップします。
今回ご紹介した「顧客アプリ」「商品アプリ」「売り上げアプリ」の3つの構成は、実務でも十分に活用できる基本形です。さらにカスタマイズを加えることで、自社独自の売上分析システムへと発展させることもできます。
Kintone初心者の方も、ぜひこの構成をベースに売上管理を始めてみてください。