ネットワーク上の共有フォルダを簡単に利用する方法として、Windowsの「ネットワークドライブのマウント」があります。特に、「net use」コマンドを使えば、バッチファイルを作成して自動マウントしたり、特定の条件でドライブを接続したりすることができます。
本記事では、「net use」コマンドの基本的な使い方から、応用的なバッチスクリプトの作成方法まで、詳しく解説します。これを読めば、ネットワークドライブの管理がよりスムーズに行えるようになるでしょう。
net use コマンドとは?
ネットワークドライブのマウントとは?
ネットワークドライブのマウントとは、LANやVPNなどのネットワークを通じて、共有フォルダをローカルドライブとして使用できるようにすることです。通常、エクスプローラーから手動で設定することもできますが、コマンドを使えば簡単にマウント・アンマウントを実行できるので、管理がスムーズになります。
net use コマンドの概要
「net use」コマンドは、Windowsのコマンドプロンプト(cmd)で使用できるコマンドの一つで、ネットワークドライブの接続・切断・確認を行うことができます。特に、スクリプトやバッチファイルを活用することで、複数のPCで統一した設定を適用することが可能になります。
net use コマンドの基本的な使い方
ネットワークドライブをマウントする基本コマンド
ネットワークドライブをマウントするには、以下のコマンドを使用します。
batコピーする編集するnet use Z: \\サーバー名\共有フォルダ /persistent:yes
Z:
→ マウントするドライブレター(任意の英字を指定可能)\\サーバー名\共有フォルダ
→ 接続先のネットワーク共有フォルダのパス/persistent:yes
→ 再起動後も接続を維持するオプション
例:
batコピーする編集するnet use X: \\192.168.1.10\shared /persistent:yes
このコマンドを実行すると、192.168.1.10の「shared」フォルダがXドライブとしてマウントされます。
認証が必要な場合のマウント方法
ネットワークドライブへの接続にはユーザー名とパスワードが必要な場合があります。その場合、以下のように指定します。
batコピーする編集するnet use Z: \\サーバー名\共有フォルダ パスワード /user:ユーザー名
例:
batコピーする編集するnet use Y: \\192.168.1.20\data MyPassword /user:UserName
UserName
→ 接続先の認証ユーザーMyPassword
→ ユーザーのパスワード
パスワードを省略すると、入力を求められます。 セキュリティ上、バッチファイルにパスワードを直接記述するのは避けた方が良いでしょう。
net use コマンドを使った応用テクニック
バッチファイルで自動マウントする
ネットワークドライブのマウントをバッチファイル化すると、Windowsの起動時に自動で接続できるようになります。
以下の内容を.bat
ファイルとして保存し、スタートアップに登録すると、ログイン時に自動でマウントできます。
batコピーする編集する@echo off
net use X: \\192.168.1.10\shared /persistent:yes
exit
バッチファイルの作成手順
- メモ帳を開く
- 上記のコードをコピーして貼り付ける
- 「ファイル名を付けて保存」で「mount_drive.bat」として保存
- スタートアップフォルダに配置
Win + R
を押し、shell:startup
と入力- 保存した
.bat
ファイルをコピーして貼り付け
これで、PC起動時に自動でネットワークドライブがマウントされます。
net use コマンドでネットワークドライブを切断する
マウントしたネットワークドライブを解除するには、以下のコマンドを使用します。
batコピーする編集するnet use Z: /delete
これにより、Zドライブのネットワーク接続が解除されます。すべてのネットワーク接続を解除する場合は、以下のコマンドを使用します。
batコピーする編集するnet use * /delete
すべてのマウント済みネットワークドライブを一括で解除できます。
Windowsのタスクスケジューラを使ってマウントを管理する
バッチファイルをタスクスケジューラに登録すると、特定の時間にネットワークドライブをマウント・解除することが可能です。
タスクスケジューラの設定方法
- 「タスクスケジューラ」を開く
- 「基本タスクの作成」 をクリック
- トリガーを設定(例:PC起動時)
- 「操作」→「プログラムの開始」を選択
- 作成したバッチファイルを指定
- 「完了」をクリック
これで、指定したタイミングでネットワークドライブが自動マウントされます。
net use コマンドのトラブルシューティング
エラー「システム エラー 53」
- 原因:ネットワークの共有フォルダが見つからない
- 対処法:
ping サーバーアドレス
で接続確認\\サーバー名\共有フォルダ
のパスを確認
エラー「システム エラー 85」
- 原因:同じドライブレターが既に使用中
- 対処法:
net use
を実行し、使用中のドライブを確認net use ドライブ名 /delete
で不要なマウントを解除
エラー「ユーザーが接続を取り消しました」
- 原因:既存のマウントと競合している
- 対処法:
/persistent:no
を指定し、再接続を試す
まとめ
「net use」コマンドを使えば、Windowsで簡単にネットワークドライブをマウント・解除できます。バッチファイルやタスクスケジューラを活用すると、自動マウント設定が可能になり、作業効率が向上します。
今回のポイント
✅ net use コマンドでネットワークドライブを簡単にマウントできる
✅ バッチファイルを作成すると自動マウントが可能
✅ タスクスケジューラを使えば、特定の時間に実行できる
✅ エラーが発生した場合の対処法も知っておくと便利
業務や自宅ネットワークの管理に、ぜひ活用してください!