9月は夏から秋へと季節が移り変わる時期で、手紙やメールの挨拶文にも独特の表現が求められます。残暑の厳しさを伝える場面もあれば、秋の涼しさや紅葉の気配を盛り込むこともあります。特にビジネスシーンでは、相手に季節感を伝えつつ、礼儀を守った挨拶が好印象につながります。本記事では、9月に使える時候の挨拶を、前半・後半に分けた表現や、ビジネス・プライベート別の例文を紹介します。文章を送る際の参考にしていただければ幸いです。
9月の時候の挨拶の特徴
9月は、前半と後半で使う表現が変わるのが特徴です。前半は「残暑」や「初秋」といった言葉がよく使われ、後半になると「秋涼」や「仲秋」など秋を感じる表現が主流になります。
また、9月は二十四節気で「白露（はくろ／9月7日頃）」や「秋分（しゅうぶん／9月23日頃）」があり、これらを意識した挨拶文を入れると、より季節感が豊かに伝わります。
9月前半に使える時候の挨拶例
9月前半は、まだ暑さが残る時期です。「残暑」「初秋」などの表現を使うと自然です。
- 残暑の候：まだ暑さが残ることを表す定番の表現。
- 初秋の候：暦の上では秋であることを示す、丁寧な表現。
- 新涼の候：新しく訪れた涼しさを表す言葉。
例文
- ビジネス
「残暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
「初秋の候、皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。」 - プライベート
「残暑厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。」
「朝夕には秋の気配を感じる頃となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」
9月後半に使える時候の挨拶例
9月後半は暑さが和らぎ、秋の深まりを感じる言葉が合います。
- 秋涼の候：秋の涼しさを感じる表現。
- 仲秋の候：中秋の名月などに使える、風情ある表現。
- 秋分の候：二十四節気を取り入れた上品な表現。
例文
- ビジネス
「秋涼の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」
「仲秋の候、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」 - プライベート
「虫の音に秋の訪れを感じる頃となりました。お元気でお過ごしですか。」
「中秋の名月が美しい季節となりました。変わりなくお過ごしでしょうか。」
ビジネスで使える9月の時候の挨拶文例
ビジネスでは、形式を重んじた挨拶が求められます。冒頭の季節の挨拶に続いて、相手の健康や会社の繁栄を祈る文章を添えるのが基本です。
例文
- 「初秋の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。」
- 「秋分の候、皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。」
- 「新涼の候、平素は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。」
プライベートで使える9月の時候の挨拶文例
友人や家族に送る手紙やメールでは、堅苦しさを和らげ、身近な季節の話題を添えると良いでしょう。
例文
- 「残暑が和らぎ、過ごしやすい季節となりました。お元気でお過ごしですか。」
- 「夜風に涼しさを感じる頃となりましたが、お変わりありませんか。」
- 「秋の味覚が楽しみな季節になりました。ぜひ一緒に食事でもいかがでしょうか。」
季節の行事を取り入れた挨拶
9月は「敬老の日」や「お月見」といった行事があり、それを挨拶文に加えるとより親しみがわきます。
例文
- 「敬老の日を迎え、ご家族皆様で穏やかにお過ごしのことと存じます。」
- 「中秋の名月の候、月を眺めながら秋の訪れを感じております。」
時候の挨拶を結びにつなげる例文
文章を締めくくる際には、相手の健康や今後の発展を祈る言葉を添えるとバランスが良くなります。
例文
- 「季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ。」
- 「実りの秋を迎え、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。」
- 「秋冷の折、体調を崩されませんようご留意ください。」
まとめ
9月の時候の挨拶は、前半は「残暑」、後半は「秋涼」「仲秋」といった表現に切り替えるのがポイントです。ビジネスでは格式を守った表現を、プライベートでは親しみを込めた言葉を選びましょう。日本独特の「季節を伝える挨拶」は、メールや手紙を一段と豊かにします。ぜひ本記事を参考に、9月ならではの挨拶文を取り入れてみてください。