Excelで作業していると、日付が突然「45123」や「45201」といった数字に変わってしまい、困った経験はありませんか?
これはExcelが日付を内部的に「シリアル値」という数字で管理しているために起こる現象です。
数字を日付に戻すには正しい方法を知っておく必要があります。
本記事では、Excelで日付が数字に変わる原因と、その戻し方をステップごとに解説します。
初心者でも簡単に理解できるよう、画像なしでもわかる丁寧な説明でお届けします。
日付が数字になるのはなぜ?原因を理解しよう
まず、Excelで「2025/12/17」などの日付が「45672」といった数字になるのは、Excelが日付を「シリアル値」という数値で管理しているためです。
Excelでは「1900年1月1日」を「1」として、その日からの日数をカウントして記録しています。
たとえば、
- 1900年1月1日 → 1
- 2025年12月17日 → 45672
というように、Excelは内部的には数字として扱っているのです。
つまり、数字に変わったわけではなく、「日付表示が解除されて数値表示に戻ってしまった」だけなのです。
主な原因としては以下のようなものがあります。
- セルの表示形式が「日付」ではなく「標準」や「数値」に変更された
- 他のソフトやCSVファイルから取り込んだ際に形式が崩れた
- 関数で処理した結果がシリアル値で表示されている
この仕組みを理解すると、焦らずに元に戻すことができます。
数字を日付に戻す最も簡単な方法:「セルの書式設定」を使う
最も基本的で確実な方法は、「セルの書式設定」で表示形式を「日付」に戻すことです。
手順
- 数字に変わってしまったセルを選択します。
- 右クリックして「セルの書式設定」を選びます。
- 「表示形式」タブを開き、「日付」を選択します。
- 「種類」から希望する日付の形式(例:yyyy/m/d、yyyy年m月d日など)を選択。
- 「OK」をクリック。
これで、「45123」などの数字が「2023/08/15」のような日付形式に戻ります。
ワンポイント
もし複数のセルがある場合は、範囲選択をして一括で変更できます。
また、Ctrl + 1キーを押すと、すぐに「セルの書式設定」を開くことも可能です。
数式を使って日付に戻す方法
シリアル値を手動で書式変更できない場合、関数を使って変換する方法もあります。
特に、データを関数で生成している場合や、他のソフトからインポートしたデータに有効です。
1. TEXT関数を使う方法
TEXT関数は、数値を指定した形式の文字列に変換する関数です。
構文:
=TEXT(A1,"yyyy/mm/dd")
A1セルに「45123」が入っている場合、結果として「2023/08/15」と表示されます。
ただし、この方法では結果は文字列になる点に注意しましょう。
見た目上は日付ですが、Excelは日付として扱いません。
2. DATE関数を使う方法
もし「年・月・日」が別々の列にある場合は、DATE関数を使います。
構文:
=DATE(2025,12,17)
このようにすれば、Excel上で正しい日付データとして認識されます。
CSVファイルを開いたら日付が数字になった場合の対処法
CSVファイルをExcelで直接開くと、日付が「20251217」や「45123」のように変わってしまうことがあります。
この場合は、テキストファイルウィザードを使って正しい形式でインポートするのが効果的です。
手順
- Excelを開き、「データ」タブ → 「テキストまたはCSVから」をクリック。
- 変換したいCSVファイルを選択。
- 「区切り文字」を確認し、「読み込み」をクリック。
- 「データ変換」画面で、日付の列を選択して「列のデータ形式」を「日付」に変更。
- 「読み込み」をクリック。
これで、インポートしたデータが正しい日付形式で表示されます。
シリアル値を直接理解して活用する
シリアル値を知っておくと、Excelの日付操作がぐっと便利になります。
Excelでは日付を計算できるため、シリアル値のままでも活用可能です。
たとえば、
=TODAY() - A1
とすれば、「今日からA1の日付までの日数差」が自動で計算されます。
また、日付の足し算・引き算も可能です。
=A1 + 7
とすれば、「A1の日付の1週間後」が得られます。
このように、日付を数値として扱うことで、経過日数の計算やスケジュール管理にも活用できます。
「シリアル値」から戻らない場合のチェックポイント
書式を変更しても戻らない場合、以下のポイントを確認しましょう。
- セルの内容が文字列になっている
セルの左上に緑の三角が出ている場合、数値として認識されていません。
→ 対処法:セルを選択し、「データ」タブ→「区切り位置」をクリック→「完了」。
これで数値扱いに戻ります。 - 値が「日付」ではなく「文字列日付」になっている
たとえば、「2025/12/17」という見た目でも、実際には「文字列」として保存されている場合があります。
→ 対処法:=DATEVALUE(A1)関数で変換します。 - シリアル値の範囲外
Excelの有効範囲は1900年1月1日~9999年12月31日です。
この範囲を超えると正しい日付に戻りません。
西暦・和暦の表示を切り替える方法
Excelでは、日付を「西暦表示」や「和暦表示」に変更することも可能です。
手順
- 対象セルを選択し、右クリック→「セルの書式設定」。
- 「表示形式」タブ → 「日付」を選択。
- 「カレンダーの種類」から「和暦(日本語)」を選択。
- 「種類」で「ggge年m月d日」を選ぶと、「令和7年12月17日」のように表示されます。
業務文書では和暦が求められる場合も多いため、覚えておくと便利です。
日付が数字に戻らないトラブル事例と対処法
事例1:関数で取得した日付が数値で表示される
→ =TEXT(関数,"yyyy/mm/dd") で見た目を整えます。
事例2:インポートしたデータが「20251217」形式
→ =DATE(LEFT(A1,4),MID(A1,5,2),RIGHT(A1,2)) で日付形式に変換可能です。
事例3:表示形式を変えても変わらない
→ セルをコピーして「値貼り付け」→「書式設定」で日付に変更。
これらを試せば、ほとんどのケースで数字を日付に戻すことができます。
まとめ
Excelで日付が数字になるのは、故障ではなく「表示形式」が原因です。
日付は内部的にシリアル値として保存されているため、見た目を「日付形式」に戻すだけで元通りになります。
主な対処法は以下の通りです。
- セルの書式設定で「日付」に変更
- TEXT関数やDATE関数を使って変換
- CSVインポート時に「テキストウィザード」で設定
- 文字列や数値判定を確認
この仕組みを理解しておけば、日付が数字になっても慌てることはありません。
Excelの基本動作を知ることは、効率的なデータ管理の第一歩です。
