かつて多くの企業や官公庁で使われていた「Internet Explorer(IE)」は、すでにサポートが終了しています。しかし現実には、いまだにIEでしか正しく動作しない社内システムや業務用Webサービスが存在します。
その問題を解決するために登場したのが、**Microsoft Edgeの「IEモード」**です。
IEモードを使えば、最新ブラウザであるEdgeを使いながら、IE専用サイトも安全に閲覧できます。
この記事では、Edge IEモードの仕組み、必要とされる理由、設定方法、注意点、よくあるトラブルまで、初心者にもわかりやすく解説します。
「IEがなくなって困っている」「社内システムが動かない」という方は、ぜひ参考にしてください。
EdgeのIEモードとは何か
EdgeのIEモードとは、Microsoft Edge上でInternet Explorerの互換エンジンを使ってWebページを表示する機能です。
見た目はEdgeのままですが、内部的にはIEと同じ描画方式で動作します。
つまり、
- IE専用に作られた古いWebサイト
- ActiveXや古いJavaScriptに依存したシステム
これらを、IEを起動せずにEdgeだけで利用できる仕組みです。
IEそのものは使えませんが、「IE互換表示」という形で機能を引き継いでいるのがIEモードの特徴です。
なぜIEモードが必要なのか
IEモードが必要とされる理由は、主に次の3つです。
古い業務システムが現役で使われている
企業や自治体では、10年以上前に作られたWebシステムが今も稼働しています。
これらの多くは、IE専用の技術を前提に作られています。
システムを作り直すには莫大なコストがかかるため、簡単には移行できません。
IEのサポート終了による影響
IEはすでにサポートが終了しており、
- セキュリティ更新がない
- 新しいWindowsでは非推奨
という状態です。
そのままIEを使い続けるのは、セキュリティリスクが高いため、代替手段が必要でした。
Edgeに一本化するため
ブラウザを
- Edge
- IE
- Chrome
と複数使い分けるのは、管理面でも利用者の負担が大きくなります。
IEモードを使えば、Edge一つに統一でき、運用やサポートが楽になります。
IEモードでできること
IEモードを使うことで、次のようなことが可能になります。
- IE専用Webサイトの表示
- ActiveXコントロールの利用
- 古い社内システムへのログイン
- IE前提の帳票システムの操作
特に、
「EdgeやChromeではエラーになるが、IEなら動く」
というケースでは、IEモードが非常に有効です。
IEモードの仕組み
IEモードは、Edgeの中で
- 通常表示:Edgeの最新エンジン
- IEモード表示:IE互換エンジン
をページ単位で切り替える仕組みになっています。
そのため、
- 通常のWeb閲覧は高速で安全なEdge
- 必要なページだけIE互換
という使い分けが可能です。
EdgeでIEモードを有効にする方法
IEモードは、初期状態では無効になっていることが多いため、設定が必要です。
IEモードを許可する設定
- Edgeの設定を開く
- 「既定のブラウザー」を選択
- 「Internet Explorer モードでの再読み込みを許可」を有効
- Edgeを再起動
これで、IEモードが使えるようになります。

IEモードでページを開く方法
設定後、特定のページをIEモードで開くには次の手順を行います。
- 表示したいWebページのURLをコピーします
- 先ほどのメニューから「ページの追加」ボタンをクリックし、URLを貼り付けて追加します。
- ページが再読み込みされ、IE互換表示になる

アドレスバー付近にIEモードの表示が出れば、切り替え成功です。

IEモードを自動で使う方法
毎回手動で切り替えるのが面倒な場合、
特定のURLを自動的にIEモードで開く設定も可能です。
- 社内ポータル
- 勤怠管理システム
- 経理・会計システム
など、頻繁に使うサイトを登録しておくと便利です。
企業環境では、管理者が一括設定するケースも多く見られます。
IEモードの注意点
便利なIEモードですが、注意すべき点もあります。
すべてのサイトで使えるわけではない
IEモードは互換性重視のため、
最新のWebサービスやモダンなサイトには向いていません。
あくまで「IEが必要なサイト専用」と考えるのが安全です。
セキュリティ意識は必要
IE互換エンジンを使う以上、
- 不要なサイトをIEモードで開かない
- 信頼できる業務サイトだけに限定する
といった運用が重要です。
永久的な解決策ではない
IEモードは、あくまで移行期間のための機能です。
将来的には、システム自体を最新ブラウザ対応にすることが望まれます。
IEモードでよくあるトラブルと対処法
IEモードで開いても動かない
原因として多いのは、
- 設定が反映されていない
- Edgeの再起動忘れ
設定変更後は、必ずEdgeを再起動してください。
ActiveXが動作しない
ActiveXは環境依存が強いため、
- 管理者権限
- セキュリティ設定
が影響する場合があります。
表示が崩れる
IEモードでも完全再現できないケースがあります。
その場合は、システム側の改修を検討する必要があります。
IEモードを使うべき人・使わなくてよい人
IEモードを使うべき人
- 社内システムがIE前提
- 官公庁・自治体向けWebサービスを使う
- 業務上どうしてもIEが必要
IEモードが不要な人
- 個人利用のみ
- 最新のWebサービス中心
- IE専用サイトを使わない
まとめ
EdgeのIEモードは、IEが必要な業務を続けながら、最新ブラウザへ移行するための重要な橋渡し機能です。
IEのサポート終了による混乱を最小限に抑え、Edge一つで業務を完結させられる点は大きなメリットです。
ただし、IEモードはあくまで一時的な対策であり、将来的にはシステムのモダン化が必要になります。
「今すぐ業務を止めないための現実的な選択肢」として、IEモードを正しく理解し、適切に活用していきましょう。
