Visual Studio Code(VS Code)は、プログラミングだけでなくデータの確認にも活用できる多機能エディタです。特にExcelファイルを扱う機会が多い方におすすめなのが「Excel Viewer」という拡張機能。これを導入することで、VS Code上で直接Excel(.xlsx、.csvなど)をプレビューできるようになります。本記事では、Excel Viewerのインストール方法から使い方、便利な設定までをわかりやすく解説します。
Visual Studio Codeとは?基本をおさらい
Visual Studio Code(以下VS Code)は、Microsoftが提供する無料のコードエディタです。
Windows、Mac、Linuxに対応しており、軽量で動作が速いことが特徴です。
拡張機能を追加することで、PythonやJavaScriptなどのプログラミングはもちろん、Markdownのプレビュー、データ編集、Git連携など、あらゆる作業をVS Code内で完結できます。
中でも「Excel Viewer」を導入すると、Excelを開かなくてもスプレッドシートの内容をそのまま確認できるようになります。これは、データ分析やソフトウェア開発の現場でも非常に便利な機能です。
Excel Viewerとは?どんなことができる拡張機能?
「Excel Viewer」は、Visual Studio Codeの拡張機能の一つで、Excelファイル(.xlsx)やCSVファイルをVS Code内で表形式として表示することができます。
主な特徴は以下の通りです。
.xlsx
ファイルをそのまま開ける- セルの内容が表形式で整然と表示される
- シートの切り替えが可能
- フィルターや並び替えなどの簡易操作に対応
- コードとデータを同時に確認できる
つまり、Excelファイルを確認するためだけに別アプリを立ち上げる必要がなくなり、開発作業やデータ検証がスムーズになります。
特に、開発者やデータサイエンティストが「Excelファイルを参照しながらコードを書く」といったシーンで威力を発揮します。
Excel Viewerのインストール方法
それでは、実際に「Excel Viewer」をVisual Studio Codeにインストールする手順を説明します。
① VS Codeを起動する
まず、Visual Studio Codeを起動します。
まだインストールしていない方は、公式サイト(https://code.visualstudio.com/)からダウンロードしてください。
② 拡張機能メニューを開く
画面左側のサイドバーにある四角いアイコン「拡張機能(Extensions)」をクリックします。
またはショートカットキーで開くこともできます。
- Windows / Linux:
Ctrl + Shift + X
- Mac:
Cmd + Shift + X
③ 「Excel Viewer」を検索
拡張機能の検索ボックスに「Excel Viewer」と入力します。
検索結果に「Excel Viewer」(開発者名:GrapeCityなど)が表示されるはずです。

④ インストールをクリック
「Excel Viewer」を選択し、「インストール」ボタンをクリックします。
インストールが完了すると、自動的に有効化されます。

⑤ 設定を確認
インストール後、特別な設定をしなくてもすぐに使えます。
ただし、.xlsx
ファイルを開くときに正しく表示されない場合は、依存するモジュール(例えば xlsx
ライブラリなど)が必要になる場合があります。その際は、拡張機能の詳細ページに表示される指示に従って追加してください。
Excel Viewerの使い方
インストールが完了したら、実際にExcelファイルを開いてみましょう。
① Excelファイルを開く
エクスプローラーで任意のフォルダを開き、Excelファイル(例:data.xlsx
)をクリックします。
通常はバイナリ形式で読めませんが、Excel Viewerを導入していれば、自動的に「プレビュー表示」が可能になります。
② 表形式でのプレビュー確認
ファイルを開くと、シートの内容が表形式で整然と表示されます。
行番号や列名が明示され、Excelで見ているのとほぼ同じ感覚でデータを確認できます。
③ シートの切り替え
複数のシートを含むExcelファイルの場合、上部のタブからシート名を選択して切り替えることができます。
データ構造を比較したいときにも便利です。
④ CSVファイルの確認にも対応
Excel ViewerはCSVファイルにも対応しています。
文字コード(UTF-8など)を自動判別して表示してくれるため、文字化けの心配も少なくなります。
開発や業務での活用例
Excel Viewerを導入することで、開発やデータ分析の効率が格段に向上します。
ここでは代表的な活用シーンを紹介します。
① データベースとの突き合わせ
SQLの出力結果をExcelでまとめた資料と比較したいとき、いちいちExcelを開かずVS Code上でデータを見比べられます。
クエリ結果をCSVで出力 → Excel Viewerで開く → 一致確認、という流れがスムーズです。
② ログや分析データの可視化
WebシステムのログをExcel形式で出力している場合、Visual Studio Code内でそのまま確認できます。
必要に応じてソースコードやスクリプトと並べて開くこともでき、分析効率が上がります。
③ チーム開発での資料確認
チーム内で共有されたスプレッドシート(例:設定一覧、仕様リストなど)をVS Codeで閲覧できるため、他のエディタに切り替える手間が省けます。
Excel Viewerがうまく動作しないときの対処法
まれに「Excelファイルが開けない」「文字化けする」などのトラブルが発生することがあります。
代表的な原因と対策を紹介します。
① Excel Viewerが有効化されていない
拡張機能が無効化されていると機能しません。Ctrl + Shift + X
→ Excel Viewer → 「有効化」ボタンを押して確認しましょう。
② 依存ライブラリが不足している
一部のExcelファイルでは外部ライブラリ(xlsx
など)が必要です。
エラーが出た場合は、拡張機能ページにある「依存関係のインストール」ガイドに従って対応しましょう。
③ ファイルサイズが大きすぎる
巨大なExcelファイル(数十MB以上)は読み込みに時間がかかる場合があります。
可能であれば、CSV形式に変換して閲覧するのがおすすめです。
Excel Viewer以外のおすすめ拡張機能
Excel Viewer以外にも、VS CodeでExcelやデータを扱うのに便利な拡張機能があります。
- Excel Viewer (alternative):別開発者による改良版で、より軽快な動作を実現。
- CSV to Table:CSVファイルをHTMLテーブル形式でプレビュー。
- Data Preview:JSON、Excel、CSVなど複数形式に対応した総合ビューワー。
- Edit csv:CSVをスプレッドシート風に直接編集できる拡張機能。
用途に応じてこれらを併用することで、VS Codeを「データ編集ツール」としても活用できます。
まとめ
Visual Studio Codeの「Excel Viewer」拡張機能を導入すれば、Excelを開かずにスプレッドシートをそのまま確認できます。
開発や分析のスピードが上がり、ツールを切り替えるストレスも減るでしょう。
ポイントまとめ:
- Excel Viewerは無料で使えるVS Code拡張機能
.xlsx
や.csv
ファイルを直接プレビュー可能- シート切り替えや簡易操作にも対応
- 開発・分析・チーム作業に最適
これからデータ作業を効率化したい方、VS Codeをもっと便利に使いたい方は、ぜひ「Excel Viewer」を導入してみてください。