CSVファイルは、業務データやシステム出力、会計・在庫管理など、さまざまな場面で利用される非常に身近なデータ形式です。
しかし、Excelで開くと文字化けしたり、データ量が多いと重くなったりすることもあります。
そんなときに役立つのが、軽量で高機能なテキストエディタ「Visual Studio Code(VS Code)」です。
この記事では、VS CodeでCSVファイルを効率よく編集・確認するための便利ワザを10個紹介します。
拡張機能の活用やショートカットキー、ちょっとした設定変更で、日々のデータ処理が格段にスムーズになります。
- Visual Studio CodeでCSVを扱うメリット
- 1. 拡張機能「Edit csv」で表形式表示を実現
- 2. 「Rainbow CSV」で列を色分けして見やすく
- 3. CSV区切り文字を指定して開く方法
- 4. 文字化けを防ぐ!エンコーディングの切り替え
- 5. 行や列を一括で整形する「Align CSV Columns」
- 6. データをすばやく絞り込む「Find」&「Regex」
- 7. ソートやフィルターを拡張機能で実現
- 8. CSVからJSON・TSVへの変換もワンクリック
- 9. GitでCSVの変更履歴を管理
- 10. タスク自動化でCSV処理を効率化
- まとめ:VS CodeならCSV編集がストレスフリーになる
Visual Studio CodeでCSVを扱うメリット
VS Codeは、ただのプログラミング用エディタではありません。
CSVファイルを扱う際にも次のようなメリットがあります。
- 動作が軽く、大容量ファイルでも開ける
- 文字コード(UTF-8やShift-JIS)を自由に切り替えられる
- 拡張機能で表形式表示やフィルター処理も可能
- Git連携により変更履歴の管理ができる
Excelでは扱いづらいCSVでも、VS Codeなら編集・整形・確認がスムーズに行えます。
1. 拡張機能「Edit csv」で表形式表示を実現
CSVを見やすく編集したいなら、まずおすすめなのが拡張機能「Edit csv」です。
この拡張機能をインストールすると、CSVを表形式(スプレッドシート風)**で表示できます。
インストール手順
- VS Code左側の拡張機能アイコン(四角いアイコン)をクリック
- 検索バーに「Edit csv」と入力
- 「Edit csv」拡張機能をインストール
主な機能
- セルの内容を直接編集可能
- 列の並べ替えや削除
- CSV区切り文字(カンマ、タブなど)の変更
- フィルタリング・ソート
大量データを扱うときも、Excelのような感覚で操作できるため非常に便利です。
2. 「Rainbow CSV」で列を色分けして見やすく
もう一つおすすめの拡張機能が**「Rainbow CSV」です。
この機能を入れると、CSVの各列を異なる色で強調表示**してくれます。
例えば、次のようなCSVがあった場合:
id,name,age,city
1,田中太郎,28,東京
2,佐藤花子,34,大阪
Rainbow CSVを有効にすると、列ごとに色が分かれ、構造がひと目でわかります。
主な特徴
- 各列の区切りを色で識別
- 区切り文字の自動認識
- クイックプレビューで列を確認
- SQLライクなクエリも可能(上級者向け)
見づらいCSVの可読性を一気に高めてくれる神ツールです。
3. CSV区切り文字を指定して開く方法
CSVといっても、「カンマ区切り」だけではありません。
タブ区切り(TSV)やセミコロン区切りなど、形式はさまざまです。
VS Codeでは、右下のステータスバーにある**「UTF-8」「CRLF」などの文字列**をクリックして設定変更が可能です。
特に区切り文字が合わない場合は、「Edit csv」や「Rainbow CSV」で区切り文字を手動指定することもできます。
4. 文字化けを防ぐ!エンコーディングの切り替え
ExcelでCSVを開いたときに日本語が文字化けするのは、文字コードの違いが原因です。
VS Codeなら、エンコーディングを簡単に切り替えできます。
手順
- 右下の「UTF-8」部分をクリック
- 「別のエンコーディングで再度開く」を選択
- 「Shift JIS」や「UTF-8 with BOM」を選ぶ
正しい文字コードを選ぶことで、文字化けのない状態で快適に閲覧できます。
5. 行や列を一括で整形する「Align CSV Columns」
CSVデータの列がズレて見にくいときは、「Align CSV Columns」拡張機能を使うと便利です。
この拡張機能は、カンマやタブ区切りの列を自動で整列してくれます。
見た目がきれいになるだけでなく、差分の確認や手動編集がしやすくなります。
使い方
- 拡張機能をインストール
- コマンドパレット(Ctrl + Shift + P)で「Align CSV Columns」を検索・実行
6. データをすばやく絞り込む「Find」&「Regex」
VS Codeの**検索機能(Ctrl + F)や正規表現検索(Regex)**を使うと、膨大なCSVデータから特定の行を瞬時に見つけられます。
便利な使い方例
- 名前に「田中」が含まれる行を検索 →
田中
- 数字だけの列を抽出 →
^\d+$
- 空白行を削除 → 正規表現で
^\s*$
を検索し削除
フィルターを使うよりも軽く、データチェックや前処理に役立ちます。
7. ソートやフィルターを拡張機能で実現
Excelのように「並べ替え」や「フィルタ」をしたい場合は、拡張機能**「Excel Viewer」**がおすすめです。
この拡張機能を使うと、CSVを表形式で開き、列ごとに並べ替えや検索が可能です。
実際にExcelのような操作感でデータ分析ができます。
8. CSVからJSON・TSVへの変換もワンクリック
VS Codeはテキストベースなので、データ形式の変換も簡単です。
たとえば、CSVをJSONに変換したいときには拡張機能**「CSV to JSON Converter」**を使うと便利です。
開いたCSVを右クリックし、「Convert to JSON」を選ぶだけでOK。
Web開発やAPIテスト時など、CSVを他形式に変換するシーンで重宝します。
9. GitでCSVの変更履歴を管理
業務データを扱う場合、CSVの「どこがいつ変更されたか」を把握したいこともあります。
VS CodeはGitと連携しており、CSVファイルでも差分を確認できます。
特にチーム開発やデータ共有の現場では、変更箇所を視覚的に確認できるのは大きな利点です。
10. タスク自動化でCSV処理を効率化
VS Codeでは、ターミナルやタスク機能を使ってCSV処理を自動化することも可能です。
例えば、ターミナルで以下のように入力すると、行数をカウントできます。
wc -l sample.csv
また、PythonやPowerShellのスクリプトを組み合わせれば、
「CSVの特定列を抽出」「指定条件で絞り込み」「別ファイルへ出力」などの自動処理も可能です。
まとめ:VS CodeならCSV編集がストレスフリーになる
この記事では、Visual Studio CodeでCSVを扱うときに役立つ便利ワザを紹介しました。
- 「Edit csv」や「Rainbow CSV」で見やすく表示
- 文字化け防止や区切り文字設定も簡単
- 拡張機能でソート・フィルター・変換まで可能
- Gitやターミナルでデータ管理・自動化も実現
VS Codeを上手に使いこなせば、Excelでは扱いづらいCSV作業も軽快にこなせます。
これからデータ処理を効率化したい方は、ぜひ今回紹介した拡張機能を試してみてください。