Excelでデータを扱っていると、「このセルには入力があるかどうか?」を調べたい場面がよくあります。
たとえば、アンケートの未回答者を見つけたり、請求金額が未入力の取引だけを抽出したりといった場面です。
そんなときに便利なのが、ISBLANK関数です。
この記事では、ISBLANK関数の使い方から注意点、応用例までをわかりやすく解説します。
Excel初心者から中級者まで、「空白セルの判定」をスマートに行いたい方に役立つ内容となっています。
ISBLANK関数とは?基本の使い方
ISBLANK関数は、Excelで「そのセルが空白かどうか」を調べるための関数です。
書式は非常にシンプルで、次のように使います。
=ISBLANK(セル参照)
具体例
たとえば、A1セルが空白であるかを調べたいときは、
=ISBLANK(A1)
と入力します。
A1が空白ならTRUE(真)を返し、何か入力されていればFALSE(偽)を返します。
返される値について
ISBLANK関数は、次のように動作します:
A1セルの内容 | =ISBLANK(A1) の結果 |
---|---|
(未入力) | TRUE |
“abc” | FALSE |
0(数値) | FALSE |
“”(空文字列) | FALSE |
このように、空文字列(””)も空白とはみなさない点がポイントです。
空白のように見えてもISBLANKではFALSEになるケース
Excelでは、一見空白に見えるセルでも、ISBLANKでは「空白でない」と判定されるケースがあります。
特に注意が必要なのは、次のようなケースです。
1. 空文字列(””)が入っている
関数などで =IF(条件, 値, "")
のようにして空文字列を挿入したセルは、見た目は空白ですがISBLANKではFALSEになります。
例:
=IF(A1=1, "OK", "")
このような式の結果が空文字列””であった場合、そのセルは空白に見えてもISBLANKはFALSEを返します。
2. スペースだけが入っている
「スペース(半角または全角)」だけのセルもISBLANKではFALSEになります。
セル内に目に見えない文字がある場合も、ISBLANKは「空白ではない」と判断します。
ISBLANKを活用する実践例
ISBLANKは、さまざまな場面で実用的に使えます。以下に代表的な例を紹介します。
例1:未入力セルにだけエラーメッセージを表示
=IF(ISBLANK(B2), "未入力です", "OK")
この式は、B2セルが未入力であれば「未入力です」と表示し、そうでなければ「OK」と表示します。
例2:未入力セルの件数をカウントする
複数のセルの中で、未入力(本当に空白)だけを数えるには、以下のように ISBLANK
と ARRAYFORMULA
や SUMPRODUCT
を組み合わせる方法があります。
=SUMPRODUCT(--ISBLANK(A1:A10))
これにより、A1〜A10までの中で空白のセル数をカウントできます。
例3:入力済みセルだけに色をつける(条件付き書式と組み合わせ)
- 条件付き書式を開く
- 数式を使用して、書式設定するセルを決定
- 次の数式を入力
=NOT(ISBLANK(A1))
- 書式で好きな色を指定
こうすることで、入力済みセルだけに色をつけることができます。
ISBLANKと他の関数の違い・組み合わせ例
ISBLANKとCOUNTAの違い
- ISBLANKは1つのセルの空白を判定
- COUNTAは「値が入っているセルの個数」をカウント
組み合わせれば、全体のうち未入力セルの割合も算出できます。
=(COUNTBLANK(A1:A10)/ROWS(A1:A10))*100
これは、A1〜A10までの未入力セルの割合をパーセンテージで表示します。
ISBLANKとIF関数の組み合わせ
=IF(ISBLANK(C2), "入力してください", "入力済み")
業務シートなどで「入力漏れ防止」のメッセージを表示するのに便利です。
ISBLANK関数の注意点とよくある誤解
空文字列と空白セルの違いに注意
冒頭でも説明しましたが、""
と見た目が空白なセルでもISBLANKはFALSEを返します。
「空白のように見えるのにISBLANKがTRUEにならない」という場合は、空文字列かスペースが入っていることが多いです。
対処法:次のような式で空文字列も含めて空と判定できます。
=OR(ISBLANK(A1), A1="")
数式が入っていても空白と見なされない
セルに式が入っていて、結果が空白(””)でも、ISBLANKはFALSEを返します。
たとえば、=IF(B1=1,"","")
のような場合、A1は空白に見えても空ではありません。
ISBLANK関数が効率を上げる理由
ISBLANKは、データチェックの効率化や入力補助に大きく貢献します。
とくに次のような業務で活躍します。
- アンケート集計(未回答者の抽出)
- 請求書作成(未記入の金額チェック)
- データ入力ミスの防止
- 未入力セルの自動ハイライト表示(条件付き書式と連携)
Excelでの業務効率を上げたい方にとって、ISBLANKは習得必須の関数といえるでしょう。
まとめ
ISBLANK関数は、Excelにおいて**「そのセルが本当に空白かどうか」**を判定するシンプルかつ強力な関数です。
特に注意が必要なのは、空文字列(””)は空白と判定されない点です。
業務で未入力チェックや入力済みのセルの強調表示などを行う場面では、ISBLANKとIF関数、条件付き書式などを組み合わせることで、非常に実用的な使い方ができます。
ぜひ、今回の内容を参考に、ISBLANK関数を活用してみてください。
Excel作業がより効率的でミスの少ないものになるはずです。