Excelで簡単!重複データを見つけて削除する効率的な方法

Excelでデータを管理していると、いつの間にか「同じ内容が複数行存在している」ということに気づくことがあります。これが重複データです。顧客名簿や商品一覧、アンケート結果など、正確な集計が求められるシーンでは、重複データがあると集計ミスや分析結果のズレが生じてしまいます。そこで本記事では、Excelで簡単に重複データを検出し、削除するための具体的なテクニックをご紹介します。初心者の方でもすぐに実践できるよう、操作手順を丁寧に解説します。


条件付き書式で重複データを見つける方法

Excelで重複データを検出する最も簡単な方法のひとつが、「条件付き書式」を使うやり方です。この機能は、データの中に重複している値がある場合に、自動的にセルの色を変えて視覚的にわかるようにしてくれます。

手順:

  1. 重複をチェックしたい範囲を選択(例:A列の氏名をチェックしたい場合はA列を選択)
  2. メニューから「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「重複する値」をクリック
  3. ポップアップが表示されるので、色の設定を選び「OK」をクリック

これだけで、重複しているセルが自動で強調表示されます。削除の前にどのセルが重複しているかを視覚的に確認したいときに便利です。


フィルター機能を使って重複行を抽出する方法

重複している行だけを抽出したい場合には、Excelの「フィルター」機能を使うのが便利です。特定の列に同じ値が含まれている行を抽出して、重複しているデータだけを表示することが可能です。

手順:

  1. データのある範囲を選択(例:A1からD100)
  2. 「データ」タブ →「フィルター」をクリック
  3. 重複を確認したい列のフィルターを開き、「並べ替え」や「フィルター条件」で同じ値を探します

この方法では、データを削除する前に対象行だけを確認できます。特に、誤って必要なデータを削除しないようにするための確認ステップとして有効です。


重複を一発で削除する「重複の削除」機能

Excelには、重複データを一括で削除するための専用機能が用意されています。それが「重複の削除」機能です。この機能を使えば、複数の列にまたがるデータでも簡単に重複を削除できます。

手順:

  1. 重複を確認したい範囲を選択(例:表全体)
  2. 「データ」タブ →「重複の削除」をクリック
  3. 「どの列の重複をチェックするか?」を選択(すべての列、または特定の列を指定)
  4. 「OK」をクリックすると、重複が削除され、削除された件数が表示されます

この方法は非常に強力ですが、「先に現れた行」が残って「後の行」が削除される仕組みのため、どちらの行を残したいかは事前に確認しておきましょう。


COUNTIF関数を使って重複チェックを自動化する

関数を使って重複を見つけたい場合には「COUNTIF」関数が便利です。COUNTIFは「指定範囲内に特定の値が何回あるか」を数える関数です。

使い方の例:

セルB2に「=COUNTIF(A:A, A2)」と入力すると、A列にA2と同じ値が何個あるかを数えてくれます。
2以上であれば、A2と同じ値が他にもある(=重複)ということがわかります。

応用:

このCOUNTIFの結果をもとに、重複データだけを別のシートに抽出することも可能です。
たとえば、COUNTIFで「2以上」の行だけをフィルターで表示すれば、重複のみを確認できます。
より高度なチェックやマクロを組み込んだ処理を行いたい方におすすめです。


ピボットテーブルで重複件数を分析する

大量のデータに対して重複チェックを行いたい場合には、ピボットテーブルが活躍します。ピボットテーブルを使えば、特定の項目が何回出現しているかを瞬時に集計できます。

手順:

  1. データを選択 →「挿入」タブ→「ピボットテーブル」
  2. 行ラベルに対象列(例:商品名)を指定
  3. 値の欄に同じ項目を指定し、集計方法を「件数」に変更

これで、各値が何回出現しているかが一覧で表示されます。1件のみのものは一意、2件以上のものは重複と判断できます。ピボットテーブルはデータの傾向を把握したいときにも有効です。


Power Queryで重複を除いた一覧を作成する

より高度な方法として「Power Query」を使う方法があります。Power Queryはデータの前処理に特化したツールで、重複の検出や削除、並び替え、条件抽出などを視覚的に操作できます。

手順:

  1. 「データ」タブ→「テーブルまたは範囲から」Power Queryエディターを開く
  2. 「ホーム」→「重複の削除」をクリック
  3. 「閉じて読み込む」を選択すれば、重複を削除したデータが新しいシートに出力されます

この方法のメリットは、元データを変更せずにクリーンなデータだけを取り出せる点です。分析用のデータを整える際に非常に重宝します。


重複を削除する前に注意したいポイント

Excelで重複を削除する際には、次の点に注意が必要です。

  • 削除前に元データのバックアップを取ること:一度削除してしまうと元に戻せない場合があります。
  • 削除対象の列を正確に選ぶこと:全列での重複か、特定列だけかをよく確認しましょう。
  • 削除順序の確認:削除されるのは「先に現れたデータ以外」なので、順番によってどの行が残るか変わります。

これらを守ることで、誤ったデータ削除を防ぐことができます。


まとめ

Excelでは、重複データを検出・削除するための方法が複数用意されています。初心者でもすぐに使える条件付き書式や「重複の削除」機能から、関数やピボットテーブル、Power Queryといった少し高度な方法まで、自分のスキルや目的に合わせて選ぶことができます。

データの正確性は、業務の信頼性に直結します。重複をしっかり管理することで、作業効率も格段にアップします。この記事で紹介したテクニックを活用して、ぜひ快適なExcel作業環境を整えてください。

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