業務で「複数のExcelファイルを開いて、あっちを見ながらこっちに入力する」といった作業をすることは多いものです。
しかし、画面を行ったり来たりするうちに、どこまで入力したのかわからなくなったり、ファイルを切り替えるたびに時間がかかってストレスを感じたりした経験はありませんか。
この記事では、複数のExcelファイルを同時に扱うときに「作業効率を劇的に上げる方法」を紹介します。
画面配置の工夫、Excelの設定変更、ショートカットキー、さらには便利なツールまで、実践的なテクニックを詳しく解説します。
明日からの事務作業がグッと快適になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
複数のExcelファイルを開くときによくある課題
複数のExcelを開いて作業するとき、多くの人が次のような問題を感じています。
- ファイルを切り替えるたびにウィンドウが重なって見づらい
- コピペをミスして違うファイルに貼り付けてしまう
- 同じ内容を何度も確認しなければならない
- 作業中にどのファイルを編集しているのかわからなくなる
特に、2つ以上のExcelを並べて使うケース(例:売上データと在庫リストを照合、A社・B社の見積書を比較など)では、ウィンドウ操作の手間が大きなロスになります。
これらの問題を解決するためには、**「画面の使い方」と「Excelの設定・機能の活用」**が重要です。
画面配置を工夫して効率化する方法
① Windowsの「ウィンドウ分割(スナップ)」を活用
Windows 10・11では、画面を簡単に分割できます。
- 1つ目のExcelウィンドウを選び、Windowsキー+←(または→)を押す
- 画面の半分に表示され、もう一方の半分に別のExcelを選択できる
この操作で、2つのファイルを左右に並べて表示できます。
大きめのモニターを使っている人は、左右だけでなく上下分割(Windowsキー+↑/↓)も便利です。
② デュアルモニターを使う
2台のディスプレイを使えば、1台目に入力用、2台目に参照用のExcelを表示できます。
特に会計処理・営業報告・在庫管理などで複数ファイルを見比べる作業が多い方には、デュアルモニターは生産性を大きく上げる投資です。
③ Excelウィンドウを個別に開く設定
Excelでは、同じウィンドウ内で複数ブックを開く設定になっている場合があります。
「別ウィンドウで開く」ことで、画面を並べて操作できます。
手順:
- Excelを起動
- [ファイル] → [オプション] → [詳細設定]
- 「全般」セクションの「新しいウィンドウで開く」を確認
または、Shiftキーを押しながらExcelアイコンをクリックすると、別のウィンドウでExcelを起動できます。
Excel内の機能で効率化するテクニック
① 「新しいウィンドウで開く」機能
同じファイルを2か所で同時に見たい場合は、[表示]タブ → [新しいウィンドウを開く] を使いましょう。
この機能を使えば、同一ファイルの異なるシートを同時に確認できます。
② 「ウィンドウの整列」機能
[表示] → [整列] → [並べて表示] を使うと、2つのファイルを自動で並べて表示できます。
また、「同期スクロール」を有効にすれば、両方のシートを同時にスクロールできます。
特に、「月別売上」などの似た形式のデータを比較する際に役立ちます。
③ 「スプリット(分割)」機能
同じシート内で上下や左右の異なる範囲を見たいときは、[表示] → [ウィンドウ枠の分割] を使いましょう。
大量のデータを見ながら入力する作業では、スクロールによる手間を省けます。
ショートカットキーで操作時間を短縮
Excelの操作はマウスよりもショートカットキーを使うことで大幅に時短できます。
複数ファイルを開いているときに特に便利なショートカットを紹介します。
操作内容 | ショートカットキー |
---|---|
開いているブックを切り替える | Ctrl + Tab |
前のブックに戻る | Ctrl + Shift + Tab |
ウィンドウを新しく開く | Alt + W → N |
すべてのウィンドウを整列 | Alt + W → A |
シートを切り替える | Ctrl + PageUp / PageDown |
名前を付けて保存 | F12 |
「Ctrl + Tab」でブックをサクサク切り替えれば、マウスでクリックする手間が省けます。
慣れると、これだけで1日あたり数分~数十分の効率化になります。
ファイル管理を工夫して迷わない仕組みを作る
複数のExcelファイルを扱う際に意外と時間を奪うのが、「どのファイルが最新版かわからない」問題です。
以下のような工夫で整理しておくと混乱を防げます。
① ファイル名に日付を入れる
例)売上_2025-10-10.xlsx
在庫_2025-10-10.xlsx
更新日を明記することで、どれが最新かわかりやすくなります。
② フォルダごとに作業テーマを分ける
「顧客別」「月別」「プロジェクト別」などでフォルダを分けておくと、ファイル検索の時間を減らせます。
③ クラウド保存で常に最新を共有
OneDriveやGoogle Driveに保存しておくと、同じファイルを複数人が同時に編集できます。
バージョン管理も自動で行われるため、「どれが最新版?」というトラブルを防げます。
Excelアドイン・外部ツールを活用してさらに効率化
① 「Power Query」で複数ファイルを自動統合
複数のExcelファイルを手動で開いてコピペするのは非効率です。
「Power Query」を使えば、同じ形式のExcelデータを自動でまとめられます。
たとえば、「月ごとの売上データ.xlsx」をフォルダ内に保存しておけば、Power Queryで一括読み込み可能です。
毎月の集計作業がボタン1つで完了します。
② 「Office Tab」でタブ切り替え表示
無料アドイン「Office Tab」を導入すれば、複数のExcelをタブで切り替えられます。
ブラウザのようにタブをクリックするだけでブックを変更できるので、ウィンドウを行き来する手間が減ります。
③ 「Excelウィンドウ整理ツール」を使う
「DisplayFusion」や「AquaSnap」といったツールを使えば、複数のウィンドウを自動できれいに整列できます。
モニターを広く使えるので、Excel以外のブラウザや資料を並べる際にも便利です。
作業効率をさらに高めるための習慣
- 作業前に「使うファイル」を1つのフォルダにまとめておく
- 並べて表示するブックの位置をテンプレート化しておく
- ショートカットやマクロをメモしておく
- 無駄なシート・行・列を非表示にして見やすくする
小さな工夫の積み重ねが、1日、1週間、1か月後に大きな時間差となって表れます。
まとめ|複数Excelの効率化は「環境×設定×習慣」で決まる
複数のExcelを見ながら作業する場面では、画面配置・Excel機能・ショートカット・ツールを組み合わせることで、効率が何倍にもなります。
今日から実践できるおすすめステップは次の通りです。
- 画面を左右分割(Windowsキー+←/→)
- 同じファイルを「新しいウィンドウで開く」
- Ctrl+Tabでブックを切り替え
- Power Queryでデータ統合
慣れてしまえば、ファイルが何枚あっても混乱せずスムーズに作業できるようになります。
「Excelを使う時間を減らす」ことが、最も効率的なExcelスキルとも言えるでしょう。