LPIC-1試験では、Linuxシステムの基本的な運用管理に関する知識が問われます。特に、**cronやatによるタスクの自動実行、ログ管理による障害追跡、そしてジョブ管理コマンド(jobs、fg、bg)**の操作は、日常的な運用でも欠かせないスキルです。
この記事では、LPIC-1の試験範囲に沿って、これらの管理作業を分かりやすく解説します。コマンドの使い方だけでなく、試験に出やすいポイントや実務での活用例も紹介しますので、試験対策にも実務力アップにも最適です。
cronによる定期実行タスクの設定と管理
cronは、Linuxで定期的に処理を実行するためのデーモンです。毎日・毎週・毎月などのスケジュールに応じてコマンドを実行できます。
crontabの基本構文
分 時 日 月 曜日 コマンド
たとえば、毎日午前2時にバックアップスクリプトを実行したい場合:
0 2 * * * /home/user/backup.sh
crontabの管理コマンド
- 自分のcrontabを編集 bashコピーする編集する
crontab -e
- 現在のcrontabを表示 bashコピーする編集する
crontab -l
- crontabの削除 bashコピーする編集する
crontab -r
特殊な文字の利用
*
:すべての値*/5
:5分おき1-5
:月〜金
/etc/crontabとの違い
/etc/crontab
はユーザーを指定する必要があります。形式は以下のとおりです:
分 時 日 月 曜日 ユーザー コマンド
cronログの確認方法
cronの実行状況を確認するには以下のログを参照します:
/var/log/cron
または以下のように検索:
grep CRON /var/log/syslog
atによる一度きりのジョブ実行
cronとは異なり、at
コマンドは一度だけの実行に使われます。
基本的な使い方
at 10:30
入力後、実行したいコマンドを入力して Ctrl + D で保存:
echo "Hello World" > /tmp/hello.txt
atのジョブ管理
atq
:ジョブの一覧表示atrm ジョブ番号
:ジョブの削除
スケジュール指定の例
at now + 1 hour
at 3:15 PM tomorrow
at 09:00 04/06/2025
atを使う上での注意点
atd
サービスが起動していないと実行されません。 bashコピーする編集するsystemctl start atd
- 権限制御ファイル:
/etc/at.allow
と/etc/at.deny
を使ってユーザーの実行制限ができます。
ログ管理の基本:/var/logとログローテーション
Linuxシステムでは、ログが運用管理に不可欠です。トラブル時の調査や監査の証跡として活用されます。
主要なログファイルの場所
/var/log/messages
:汎用的なシステムメッセージ/var/log/secure
:認証関連(CentOS系)/var/log/auth.log
:認証関連(Debian系)/var/log/syslog
:システムログ(Ubuntuなど)/var/log/cron
:cron関連ログ/var/log/dmesg
:カーネルリングバッファ
ログの確認方法
less /var/log/messages
tail -f /var/log/secure
logrotateによるログローテーション
ログが肥大化するのを防ぐため、logrotate
が定期的にログを圧縮・削除・ローテーションします。
設定ファイル:
/etc/logrotate.conf
:全体設定/etc/logrotate.d/
:サービス別設定
例:
/var/log/httpd/*.log {
weekly
rotate 4
compress
missingok
notifempty
}
logrotateの手動実行
logrotate -f /etc/logrotate.conf
ジョブ管理コマンド:jobs、fg、bgの使い方
Linuxでコマンドのバックグラウンド・フォアグラウンド実行を管理するためのコマンドです。
実行中のジョブを確認する:jobs
jobs
表示例:
[1]+ Stopped top
[2]- Running ping google.com &
バックグラウンドでジョブを実行:&を使う
sleep 60 &
ジョブID(例:[1])が表示されます。
フォアグラウンドに戻す:fg
fg %1
%1
はジョブ番号。[1]の場合は %1
。
一時停止中のジョブを再開:bg
bg %1
Ctrl + Z
で一時停止したジョブをバックグラウンドで再開します。
killとジョブの終了
kill %1
または、プロセスID(PID)を指定して終了:
kill 12345
実務における活用例とLPIC-1試験対策ポイント
cron・atを活用した定期作業
- データのバックアップやログの整理など、自動化できる作業はcronに登録することで効率化。
- 緊急対応で一度だけの実行は
at
を利用。cronとの違いを押さえることが重要です。
ログからのトラブル調査
試験でも「○○のログファイルはどれか」「○○のログには何が記録されているか」といった設問があります。
ログ名と記録内容を整理しておきましょう。
ログファイル名 | 内容 |
---|---|
/var/log/messages | 一般的なシステムログ |
/var/log/auth.log | SSHなどの認証情報 |
/var/log/cron | cronの実行記録 |
/var/log/dmesg | 起動時やハードウェア情報の出力 |
ジョブ管理とターミナル操作
複数の作業を並列に行うときに、jobs
, fg
, bg
を使いこなすことで効率的な作業が可能になります。試験では「Ctrl + Z で停止したジョブをバックグラウンドに移すには?」といった形式で問われます。
まとめ
LPIC-1の試験では、単にコマンドを知っているだけではなく、その使いどころや仕組みの理解が問われます。
cron
→ 定期実行に最適。書式やファイルの違いも理解する。at
→ 一度だけの実行向き。ジョブの一覧や削除コマンドも覚える。- ログ →
/var/log/
配下のファイル名と意味、logrotate
の役割を理解。 - ジョブ管理 →
jobs
,fg
,bg
,kill
の使い方とジョブ番号の扱いを理解。
これらをしっかり押さえておけば、LPIC-1試験でも得点源になりますし、実務でのLinux運用にも大いに役立ちます。ぜひ実際に手を動かして練習してみてください。