RARファイルを解凍するLinuxコマンド「unrar」の使い方を徹底解説

Windowsでは一般的に使われるRAR形式の圧縮ファイルですが、Linux環境でRARファイルを扱うには少し工夫が必要です。特に、仕事や個人用途で他のユーザーからRARファイルを受け取ることがある場合、Linux上でこれを解凍できることは大きな利便性につながります。本記事では、LinuxでRARファイルを解凍するための便利なツール「unrar」について、インストール方法から使い方の詳細まで、初心者にもわかりやすく解説します。


unrarとは?

unrar は、RAR形式のアーカイブファイルを展開するためのコマンドラインツールです。RARファイルは、特にWindowsユーザーの間でよく使用される圧縮形式であり、高い圧縮率が特徴です。

Linux環境では標準でRARファイルの解凍機能が組み込まれていないため、unrarをインストールして利用することで、RARファイルの内容を展開したり確認したりできます。

なお、unrarには無償の「free」版と有償の「non-free」版がありますが、多くの基本的な用途であれば「free」版で十分です。


unrarのインストール方法

Linuxディストリビューションによってインストール方法が若干異なります。以下では主要なディストリビューションごとに手順を紹介します。

Ubuntu / Debian系

sudo apt update
sudo apt install unrar

もしくは、より制限の少ない「non-free」版をインストールしたい場合は次のコマンドを使用します。

sudo apt install unrar-free

ただし、unrar-freeはパスワード付きRARなど一部の機能に対応していないため、通常はunrar(non-free)の方が実用的です。

CentOS / RHEL / Rocky Linux系

EPELリポジトリを有効にしてからインストールします。

sudo dnf install epel-release
sudo dnf install unrar

または、EPELリポジトリが無効な場合は、以下のようにrpmパッケージをダウンロードして手動でインストールする方法もあります。

wget https://www.rarlab.com/rar/rarlinux-x64.tar.gz
tar -zxvf rarlinux-x64.tar.gz
cd rar
sudo cp unrar /usr/local/bin/

基本的なunrarコマンドの使い方

インストールが完了したら、実際にRARファイルを解凍してみましょう。以下によく使うunrarのコマンドを紹介します。

解凍(展開)

unrar x ファイル名.rar

このコマンドは、RARファイル内のディレクトリ構成を保持したまま解凍します。

一覧表示(中身の確認)

unrar l ファイル名.rar

解凍せずに、RARファイルに含まれるファイルやディレクトリの一覧を表示できます。

テスト(正常に解凍できるか確認)

unrar t ファイル名.rar

RARファイルの整合性をチェックします。ファイルが壊れていないか確認したいときに便利です。


よくあるオプションの解説

unrarコマンドにはいくつか便利なオプションがあります。以下に主なものを紹介します。

オプション意味
xディレクトリ構成を保持して解凍
eファイルのみをすべて一括で解凍
l内容の一覧を表示
tアーカイブのテスト
-yすべての確認に自動で「Yes」と応答

例:確認なしで一括解凍

bashコピーする編集するunrar x -y ファイル名.rar

大量のファイルがある場合やスクリプトで自動解凍したいときに便利です。


パスワード付きRARファイルの解凍

パスワードが設定されたRARファイルは、解凍時にプロンプトでパスワードの入力が求められます。

unrar x ファイル名.rar

実行すると次のように表示されます。

Enter password (will not be echoed):

このようなRARファイルは、セキュリティの面でも配慮されているため、取り扱いに注意が必要です。


unrarを使ったスクリプト例

複数のRARファイルを一括で解凍したい場合、以下のような簡単なスクリプトを作ることができます。

#!/bin/bash
for file in *.rar
do
unrar x "$file"
done

このスクリプトをunrar_all.shとして保存し、実行権限を付与して実行します。

chmod +x unrar_all.sh
./unrar_all.sh

大量のRARファイルがある場合など、自動化に非常に便利です。


unrarの注意点と代替ツール

unrarは非常に便利ですが、いくつか注意点もあります。

  • 完全なオープンソースではなく、ライセンスが非商用利用に制限される場合があります。
  • パスワード付きファイルや分割ファイルの扱いに制限があることがあります。

代替ツール:7-Zip(p7zip)

より多機能なアーカイブツールとして、7-Zip(Linuxではp7zip)があります。RARファイルの展開もサポートしています。

sudo apt install p7zip-full
7z x ファイル名.rar

unrarがうまく動作しない場合や、ライセンスにこだわる場合は、7zコマンドも検討してみてください。


まとめ

LinuxでRARファイルを扱う場面は意外と多く、unrarはそのニーズに応える非常に便利なツールです。インストール方法はディストリビューションによって若干異なりますが、一度導入してしまえば簡単にRARファイルを解凍できるようになります。

また、パスワード付きのファイルやスクリプトでの一括展開など、実用的な使い方も多数あります。ぜひ本記事を参考にして、Linux環境でのRARファイルの扱いをスムーズに行ってください。

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