一年の中には、歴史や文化、暮らしの中で意味を持つ “記念日” が多く存在しています。11月4日も、その一つ。いわゆる国際的なイベントから、語呂合わせで制定された“ちょっとかわいい記念日”まで、幅広い顔ぶれが並びます。本記事では、11月4日にまつわる記念日を5つ取り上げ、それぞれの由来や意味、現代における意義を解説していきます。普段は見過ごしがちな「今日は何の日?」に、ちょっとした気づきや興味を添えられたら嬉しいです。
記念日 その1:ユネスコ憲章記念日
背景・由来
1946年(昭和21年)11月4日、この日付をもって国際連合教育科学文化機関、すなわちユネスコ(UNESCO)の憲章が発効し、ユネスコが正式に発足しました。
この憲章の前文には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」といった文言が掲げられており、教育・科学・文化を通じて国際理解と平和を促す理念が根底にあります。
日本はこの設立時には参加しておらず、1951年7月2日にユネスコに加盟しました。
現代における意義・取組み
「ユネスコ憲章記念日」は日本独自の記念日として定められており、主に公益社団法人日本ユネスコ協会連盟などが中心となって、教育・文化・国際理解に関する行事や広報活動が行われます。
記念日を機会に、世界遺産や文化遺産への理解を深めたり、教育格差・文化交流のあり方を見つめ直す発信を行う団体もあります。
また、PRや企業の社会的活動の契機として、この記念日を活用するケースも紹介されています。
記念日 その2:かき揚げの日
背景・由来
11月4日は「かき揚げの日」として知られており、日付の語呂合わせや「めん(麺)の日」の関連性などが理由とされています。
具体的には、「めんの日(11月11日)」の上の曜日にあたるのが11月4日であるという見方が基になって制定された、という説明もあります。
意義・楽しみ方
かき揚げは日本の天ぷら料理の一種で、食材を混ぜ合わせて揚げる調理法が特徴です。野菜や魚介、時には季節の食材を用いて、自由なアレンジが可能です。
この記念日をきっかけに、家でかき揚げを試したり、地元の天ぷら屋・そば屋で味わう機会にするのもいいでしょう。
また、飲食店や麺類チェーン店がかき揚げ割引を実施するプロモーションをする年もあります。
記念日 その3:いい刺しゅうの日
背景・由来
「いい刺しゅうの日」は、11月4日の語呂合わせ「いい(11)刺(4)しゅう」から名づけられた記念日です。
この記念日は、日本ジャガード刺繍工業組合など、刺繍や繊維産業に関わる団体が制定しており、刺繍技術や刺繍文化を広く知ってもらう目的があります
意義・取組み
刺繍は古来より衣服や工芸品の装飾として発展してきた技術であり、伝統工芸としての価値と現代ファッションとの接点もあります。
この記念日を機に、刺繍作品の展示会、ワークショップ、刺繍文化の発信イベントなどが企画されることがあります。
刺繍に興味がある人には新しいモチーフや技法の情報を得るきっかけになり得ます。
記念日 その4:いい推しの日
背景・由来
「いい推しの日」は、「いい(11)推し(04)」という語呂合わせから制定された記念日です。
「推し」とは、アイドル、キャラクター、アニメ、声優、芸能人など、自分が特に応援したい・好きな対象のことを指す若者言葉です。
この記念日は、ファンが自分の推しについて語り合ったり、SNSで紹介したりする機会とされています。
意義・楽しみ方
この日は、ファン同士が推し作品や推し人について交流を深めたり、感謝の気持ちを表現したりする日です。
例えば、SNSで推しの紹介投稿をする、ファンアートを公開する、推しに関する動画やグッズを整理する、などの行動が想定されます。
また、この記念日は比較的新しく、若年層やオタク文化との関連性が高い点が特徴です。
記念日 その5:いいよの日
背景・由来
「いいよの日」は、11月4日の「い(1)い(1)よ(4)」という語呂合わせから命名された記念日です。
神戸市の“聴きプロ”(傾聴・聴くことに関する専門家)北原由美氏が制定したもので、「どう思っても“いいよ”と受け止めること」──つまり、人の思いや感情を否定せず、傾聴・共感する社会を願うという意味が込められています。
意義・取組み
この記念日は、言葉の力・コミュニケーションのあり方、相手を尊重する姿勢について見直す機会になりえます。
誰かの意見・感情に対して「いいよ」と肯定する、反対意見でもまずは受け止める、という心構えを持つことを意識する日として提案されています。
また、コミュニケーションや聞くことに関するワーク、セミナー、ボランティア活動などのテーマとして使われることもあります。
11月4日にちなんだ歴史・雑学トピックス
記念日のほか、11月4日にはいくつか興味深い出来事があります。以下にその一部を紹介します。
- 国家統一と陸軍の日(イタリア)
11月4日は、イタリアで「国家統一と陸軍の日」とされており、第一次世界大戦においてオーストリア・ハンガリー帝国がイタリアに降伏した日とされています。 - 国民団結の日(ロシア)
ロシアにおいては11月4日が「国民団結の日」とされ、1612年、ロシア軍がポーランド軍からモスクワを解放した日を起源とする祝日とされています。 - 考古学的発見
11月4日には、世界的にも有名な考古学的発見があったという記録も残っています(例:「11月4日にツタンカーメン王の墓が発掘された」という説が、大衆向けの雑学サイトなどで紹介されることがあります)
こうした歴史的・文化的な側面を知ることは、記念日をただの“日付”ではなく、物語を持った時間として感じる助けになるでしょう。
まとめと活用アイデア
11月4日という日は、ユネスコ憲章という世界規模の理念の始まりから、かき揚げ・刺繍・推し・“いいよ”という日常を彩る言葉まで、多彩な顔を持つ日です。
記念日は、必ずしも大きな祝日でなくても、語呂合わせや文化的センスによって私たちの意識を自由に刺激してくれます。
以下は、この日を活かすためのアイデアです:
- SNSで “#11月4日” や “#いい推しの日” などのハッシュタグをつけて、自分の“推し”を紹介する
- 家庭でかき揚げメニューを試してみる
- 刺繍に挑戦してみる、または手作りの刺繍作品を鑑賞・共有する
- 誰かの話を丁寧に聞き、「いいよ」と肯定する言葉をかけてみる
- ユネスコや文化遺産、教育・国際理解に関する情報発信や読書を行う
記念日は、過去と現在をつなぐ“小さな入り口”です。11月4日をきっかけに、人や文化、言葉について少し立ち止まって考えてみる。そんな一日になるといいですね。