C#でWindowsアプリケーションを開発するとき、必ず触れるのが「コントロール」です。ボタン、テキストボックス、ラベル、チェックボックスなど、GUIを構成する基本的な要素を上手に使いこなすことで、使いやすく、見やすいアプリケーションを作成できます。本記事では、C#(特にWindows Forms)でよく使う代表的なコントロールとその使い方を丁寧に解説します。初心者の方にもわかりやすく、サンプルコードも交えてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ラベル(Label)で文字を表示する
ラベルは、ユーザーに情報を伝えるためのコントロールです。静的なテキストを表示するのに使われ、ユーザーによる編集はできません。
使い方例:
Label label1 = new Label();
label1.Text = "こんにちは、世界!";
label1.Location = new Point(10, 10);
this.Controls.Add(label1);
Text
プロパティで表示する文字列を設定します。Location
プロパティで画面上の表示位置を指定します。Controls.Add()
メソッドでフォームに追加します。
テキストボックス(TextBox)で文字入力を受け取る
テキストボックスは、ユーザーからの文字入力を受け取るのに使われます。検索バーや名前入力欄など、幅広く使われています。
使い方例:
TextBox textBox1 = new TextBox();
textBox1.Location = new Point(10, 40);
textBox1.Width = 200;
this.Controls.Add(textBox1);
テキストを取得するには以下のようにします。
string userInput = textBox1.Text;
入力されたテキストは Text
プロパティで取得・設定できます。
ボタン(Button)でイベントを発生させる
ボタンは、クリックされたときに処理を実行するためのコントロールです。
使い方例:
Button button1 = new Button();
button1.Text = "クリックしてね";
button1.Location = new Point(10, 70);
button1.Click += new EventHandler(Button1_Click);
this.Controls.Add(button1);
イベントハンドラの記述:
private void Button1_Click(object sender, EventArgs e)
{
MessageBox.Show("ボタンがクリックされました!");
}
ボタンに機能を持たせるためには、Click
イベントを使います。MessageBox.Show()
でメッセージを表示するのも定番の使い方です。
チェックボックス(CheckBox)でオン/オフの選択肢を作る
チェックボックスは、ユーザーに選択肢を与えるコントロールで、オンとオフの状態を切り替えることができます。
使い方例:
CheckBox checkBox1 = new CheckBox();
checkBox1.Text = "オプションを有効にする";
checkBox1.Location = new Point(10, 110);
this.Controls.Add(checkBox1);
チェックされているかどうかは、Checked
プロパティで確認できます。
bool isChecked = checkBox1.Checked;
ラジオボタン(RadioButton)で単一選択肢を作る
ラジオボタンは、複数の選択肢から一つだけを選ばせたいときに使います。グループ化して使うのがポイントです。
使い方例:
RadioButton radio1 = new RadioButton();
radio1.Text = "男性";
radio1.Location = new Point(10, 140);
RadioButton radio2 = new RadioButton();
radio2.Text = "女性";
radio2.Location = new Point(10, 170);
this.Controls.Add(radio1);
this.Controls.Add(radio2);
選ばれているラジオボタンは、Checked
プロパティで判断します。
コンボボックス(ComboBox)でリスト選択を実現
コンボボックスは、選択肢の中から1つを選ぶ場合に便利なドロップダウン形式のコントロールです。
使い方例:
ComboBox comboBox1 = new ComboBox();
comboBox1.Items.Add("赤");
comboBox1.Items.Add("青");
comboBox1.Items.Add("緑");
comboBox1.Location = new Point(10, 200);
this.Controls.Add(comboBox1);
選択された値を取得するには以下のようにします。
csharpコピーする編集するstring selectedColor = comboBox1.SelectedItem.ToString();
リストボックス(ListBox)で複数の選択肢を表示
リストボックスは、複数の選択肢を常に表示しておきたい場合に便利です。
使い方例:
ListBox listBox1 = new ListBox();
listBox1.Items.Add("りんご");
listBox1.Items.Add("みかん");
listBox1.Items.Add("バナナ");
listBox1.Location = new Point(10, 230);
this.Controls.Add(listBox1);
選択された項目を取得:
csharpコピーする編集するstring selectedItem = listBox1.SelectedItem.ToString();
PictureBoxで画像を表示する
画像をアプリに表示したいときは、PictureBox
を使います。
使い方例:
PictureBox pictureBox1 = new PictureBox();
pictureBox1.Image = Image.FromFile("sample.jpg");
pictureBox1.SizeMode = PictureBoxSizeMode.StretchImage;
pictureBox1.Location = new Point(10, 260);
pictureBox1.Size = new Size(100, 100);
this.Controls.Add(pictureBox1);
画像のサイズや表示方法もプロパティで柔軟に変更できます。
Timerコントロールで定期処理を行う
Timer
は一定間隔で何か処理を行いたいときに便利です。画面の時計表示や、自動更新などに使えます。
使い方例:
Timer timer1 = new Timer();
timer1.Interval = 1000; // 1秒ごと
timer1.Tick += new EventHandler(Timer1_Tick);
timer1.Start();
イベントハンドラ:
private void Timer1_Tick(object sender, EventArgs e)
{
Console.WriteLine("1秒経過しました");
}
終わりに:コントロールを組み合わせて実用的なアプリへ
今回紹介したコントロールは、C#のWindowsフォーム開発で頻繁に使われる基本的なものばかりです。コントロールを適切に使い分けることで、直感的で使いやすいアプリケーションを作ることができます。最初は単純なアプリから始めて、徐々にイベント処理やレイアウトの工夫を取り入れてみてください。
もしGUIの開発が初めてという方でも、今回の例を参考にすればすぐに基本をマスターできるはずです。次回は、これらのコントロールを活かして簡単なフォームアプリケーションを作ってみる方法もご紹介予定です。どうぞお楽しみに!