「棚に上げる」という表現を耳にしたことはありますか?ビジネスシーンや日常会話で使われることが多いこの言葉ですが、正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。本記事では、「棚に上げる」の意味や使い方を詳しく解説し、実際の例文を交えて紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、適切な場面で使えるようにしましょう。
「棚に上げる」とは?意味を解説
「棚に上げる」は、都合の悪いことや自分に不利なことを意識的に触れずに済ませることを意味します。特に、自分の非を認めずに他人を批判するような場面で使われることが多いです。
例えば、「自分のミスは棚に上げて、部下の失敗ばかり指摘する上司」といった使い方をします。このように、「棚に上げる」は批判的なニュアンスを持つ表現です。
「棚に上げる」の語源
この言葉は、ものを高い棚に置いて見えないようにすることから生まれました。日常的に使う「棚に上げる」も、自分にとって都合の悪いことをわざと無視する様子を表しています。
また、仏教の「棚経(たなぎょう)」が由来という説もありますが、一般的には「見えなくする」意味から派生したと考えられています。
「棚に上げる」の使い方と例文
実際にどのような場面で使うのか、例文を見ていきましょう。
① ビジネスシーンでの例
- 上司の指示ミスを棚に上げて、部下のミスばかり責めるのは不公平だ。
- クライアントの要望を棚に上げて、納期遅れの言い訳ばかりするのはよくない。
② 日常会話での例
- 彼は自分の失敗は棚に上げて、人のミスばかり指摘するから困る。
- お母さん、自分はお菓子を食べるのに、私には健康に悪いからと棚に上げるのはずるいよ!
③ ニュースや社会問題に関連した例
- 政府は過去の失策を棚に上げて、新しい政策を発表しているが、国民の不満は大きい。
- 企業の経営陣が自分たちの報酬アップを決める一方で、社員の給与交渉は棚に上げているのは納得できない。
「棚に上げる」と類似表現
「棚に上げる」に似た表現もいくつかあります。違いを理解しておくと、より適切に使えるようになります。
① 「見て見ぬふりをする」
これは、自分に都合の悪いことを意識的に無視する行為を指します。「棚に上げる」と似ていますが、「見て見ぬふりをする」は、他人の問題にも適用されることが多いです。
例文:
- 彼は部下の残業問題について、見て見ぬふりをしている。
② 「責任転嫁する」
自分の責任を他人に押し付けることを指します。「棚に上げる」は自分の非を認めずにスルーするニュアンスですが、「責任転嫁する」は、非を他人に押し付けるニュアンスが強いです。
例文:
- 上司は自分の判断ミスを棚に上げて、責任を部下に転嫁した。
③ 「知らんぷりする」
「棚に上げる」と同様に、都合の悪いことに触れない態度を指します。ただし、「知らんぷり」は意識的に無関心を装う意味合いが強いです。
例文:
- 彼は家事の分担について話し合おうと言っても、いつも知らんぷりをしている。
「棚に上げる」を使う際の注意点
「棚に上げる」は、相手を批判する際に使うことが多いため、ビジネスシーンでは慎重に用いるべき表現です。たとえば、上司や取引先に対して使うと、失礼に当たる可能性があります。
【避けたほうがよい例】
❌ 「あなたは自分のミスを棚に上げていますね。」(直接的すぎて失礼)
【適切な表現】
⭕ 「お互いの課題について、バランスよく検討する必要があるかと思います。」
このように、ニュアンスを調整することで、適切に伝えることができます。
まとめ
「棚に上げる」は、都合の悪いことを意識的に無視することを意味する表現です。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われますが、使用する相手や場面には注意が必要です。
ポイントのおさらい
✔ 「棚に上げる」は「都合の悪いことを無視する」意味
✔ ビジネスでも日常会話でも使われる
✔ 「責任転嫁する」「見て見ぬふりをする」などの類義語もある
✔ 目上の人に使う際は言い換えを意識する
ぜひ、この記事を参考にして「棚に上げる」を正しく活用してください!