レポートを書く機会は、学校・大学・職場などあらゆる場面で訪れます。
しかし「どうやって書き始めたらいいのかわからない」「何をどの順番で書けばいいのか迷う」と悩む人は多いものです。
本記事では、レポートの基本構成から、書く際のポイント、注意点、具体的な例までを丁寧に解説します。
初心者の方でも安心して読める内容にしていますので、ぜひ参考にしてレポート作成に役立ててください。
レポートとは何か?その目的を理解しよう
レポートとは、あるテーマに関して自分で調べたり、実験・観察を通して得られた結果をもとに、客観的にまとめた文書です。
目的は「情報を整理し、読み手にわかりやすく伝えること」です。
レポートには以下のような種類があります。
- 調査レポート(文献を調べてまとめる)
- 実験レポート(実験結果を整理して考察する)
- 観察レポート(現地調査やフィールドワークの記録)
- 意見レポート(課題に対する自分の考えを述べる)
いずれの場合も大切なのは「主観的な感想」ではなく、「事実をもとに論理的に構成された内容」であることです。
レポートの基本構成を知ろう
一般的なレポートは、以下のような構成で書かれます。
- 表紙(タイトル、提出日、氏名など)
- はじめに(テーマの背景や目的)
- 本文(調査内容・方法・結果・考察)
- おわりに(まとめ、今後の課題など)
- 参考文献
それぞれのパートの役割を理解することが、わかりやすいレポートを作成する第一歩です。
はじめに:レポートの目的と背景を書くコツ
「はじめに」は、読み手にテーマや目的を明確に伝える重要な部分です。
ポイントは以下の通りです。
- なぜこのテーマを選んだのか
- どんな問題意識を持っているか
- どのような手法で調べるのか
例えば、
近年、SNSの普及によって若者の人間関係のあり方が変化している。本レポートでは、大学生のSNS利用実態を調査し、その影響を明らかにすることを目的とする。
といった形で背景と目的を簡潔に述べるとよいでしょう。
本文:調査・分析・考察を論理的に展開する
本文は、レポートの中心となる部分です。テーマに応じて以下の構成を意識しましょう。
方法(調査や実験のやり方)
- どのような手段でデータを集めたか
- 調査対象や期間、使用した資料など
結果(得られたデータ)
- グラフや図表を使って視覚的に示すのも効果的
- 客観的な事実だけを淡々と記述
考察(得られた結果の意味)
- 結果が示す傾向や背景を分析
- 予想と異なる結果になった理由を考える
- 他の研究や文献と比較して論じる
例えば、
アンケートの結果、SNS利用時間が長い学生ほど孤独感を感じている割合が高いことが分かった。これはSNSがコミュニケーションの質に影響を及ぼしている可能性を示唆する。
というように、事実を根拠に考察することが大切です。
おわりに:まとめと今後の課題を書く
レポートの最後には、本文の内容を簡潔にまとめ、今後の課題や展望を述べます。
例えば、
本レポートでは、SNSと若者の人間関係に関する関係性を明らかにした。しかし、調査対象が大学生に限定されていたため、他世代への調査も必要である。
のように、課題を示すことでレポートに深みが出ます。
参考文献の書き方
参考文献は、使用した文献や資料を正しく記載する必要があります。
書き方の一例(APAスタイル):
鈴木一郎(2021)『SNS時代の人間関係』新潮社.
文献リストは、読み手があなたのレポートの根拠を確認できる大事な部分です。必ず漏れなく記載しましょう。
レポート作成時の注意点とコツ
- 主観を避け、客観的に書く
- 「私は思う」は避けて、「〇〇の結果、□□が示唆される」といった表現を。
- 文体は「である調」が基本
- 例:「である」「と考えられる」「とされている」など。
- 語尾や接続詞の使い方に注意
- 「しかし」「一方で」「そのため」などを適切に使うと読みやすくなる。
- 段落ごとにテーマを意識して書く
- 1段落=1つの要点を意識。
- 文字数やフォーマットのルールを守る
- 課題ごとに指定された文字数やフォント、行間などに従いましょう。
すぐ使える!簡単なレポート文例(調査レポート)
タイトル:コンビニ弁当の利用実態に関する調査
はじめに:近年、若者の食生活におけるコンビニ弁当の役割が注目されている。そこで、大学生を対象にその実態を調査し、食生活との関係性を明らかにする。
方法:本学の学生100名にアンケートを実施し、週の利用回数や購入理由などを尋ねた。
結果:週に3回以上購入する学生が全体の62%に上り、「手軽さ」が理由として最も多かった。
考察:忙しい学生生活の中で、手軽な食事が求められていることが分かる。一方で、栄養バランスへの意識は低く、食育の重要性も示唆された。
おわりに:本調査を通して、学生の食生活における課題が明らかになった。今後は栄養指導の工夫や選択肢の多様化も求められる。
まとめ:レポートは「型」を押さえれば怖くない!
レポート作成は、「何をどう書けばよいかわからない」という不安がつきものですが、基本の構成とポイントを押さえることで、誰でもしっかりとした内容が書けるようになります。
はじめは苦手でも、書けば書くほど上達しますので、ぜひ今回紹介した方法をもとに、まずは1本書いてみてください。