【電気工事士試験対策】これだけは押さえたい電気回路の基礎(直列・並列・合成抵抗)

電気工事士の試験で必ず出題される分野のひとつが「電気回路」です。
特に、直列回路や並列回路、合成抵抗の計算は基礎中の基礎ですが、苦手意識を持つ人も少なくありません。

本記事では、これらの基礎をわかりやすく丁寧に解説していきます。
図を描いてイメージしながら読み進めれば、試験本番でも迷わず解答できる力がつくはずです。

初学者の方や復習したい方はもちろん、電気工事士試験をこれから受けようとしている方も、ぜひ参考にしてください。


直列回路とは?特徴と計算方法

直列回路とは、抵抗や電球などの電気部品が「一列につながっている」回路のことを指します。
すべての電流が一つの経路を通るため、電流はどこでも同じになります。

特徴

  • 電流:すべての抵抗に流れる電流は同じ
  • 電圧:各抵抗にかかる電圧は異なる(分圧)
  • 合成抵抗:単純に足し算

たとえば、3Ωと5Ωの抵抗を直列に接続すると、合成抵抗は次のようになります。

 = R1 + R2 = 3Ω + 5Ω = 8Ω

直列回路のポイントは「電圧が分かれる」「電流は同じ」「抵抗は合計する」の3点です。


並列回路とは?特徴と計算方法

並列回路とは、電流が分岐して複数の経路に流れるように構成された回路です。
各枝にかかる電圧は同じですが、電流は枝ごとに異なります。

特徴

  • 電圧:すべての抵抗にかかる電圧は同じ
  • 電流:各抵抗に流れる電流は異なる(分流)
  • 合成抵抗:逆数の和を使う

たとえば、4Ωと6Ωの抵抗を並列につないだ場合、合成抵抗は次のようになります。

1/R合成 = 1/4 + 1/6 = 3/12 + 2/12 = 5/12
R合成 = 12/5 = 2.4Ω

電卓を使って計算する場合は、次のようにするとミスを減らせます。

(4 × 6) ÷ (4 + 6) = 24 ÷ 10 = 2.4Ω

これは「二つの抵抗の並列合成は積÷和」で求められる便利な公式です。


合成抵抗の計算に強くなるためのコツ

電気工事士試験では、複数の抵抗が組み合わさった回路(混合回路)もよく出題されます。
以下のようなパターンに注意しましょう。

直列+並列の混合回路

次のような回路を考えてみます。

R1 = 2Ω(直列)
R2 = 4Ω(並列)
R3 = 6Ω(並列)

この場合、まずR2とR3を並列に計算します。

1/R並列 = 1/4 + 1/6 = 5/12
R並列 = 2.4Ω

次に、それをR1と直列でつなげて合成抵抗を求めます。

R合成 = R1 + R並列 = 2 + 2.4 = 4.4Ω

このように、簡単な部分から順番に計算していくのがコツです。


オームの法則との関係も理解しよう

オームの法則は、電気回路を理解するうえで欠かせない基本法則です。

電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R)

この公式は、直列・並列の両方に適用できます。

たとえば、ある直列回路で合成抵抗が10Ω、電源電圧が20Vだったとします。

 I = V ÷ R = 20 ÷ 10 = 2A

この電流が、すべての抵抗に流れる電流です。

並列回路では、各抵抗にかかる電圧が等しいため、電流の計算にオームの法則を個別に使うことになります。


試験で出題されやすいポイントをチェック

電気工事士試験では、以下のような設問形式で出題されることが多いです。

  • 合成抵抗の値を求める計算問題
  • 各抵抗にかかる電圧・電流を求める
  • 回路図を読み取る問題

試験でよくあるミス

  • 並列の合成抵抗計算で逆数を取るのを忘れる
  • 直列・並列の判断ミス
  • 抵抗の単位(Ω)を見落とす
  • 複雑な回路を一気に解こうとする

これらのミスを防ぐには、簡単な回路に分解して考えることがとても大切です。


おすすめの勉強方法と演習問題

知識を身につけただけでは、計算問題を解けるようにはなりません。
以下の方法でアウトプットを意識しましょう。

  • 教科書の例題を繰り返し解く
  • 計算過程を必ず紙に書く
  • 回路図を自分で描いて確認する
  • 10問連続で正解できるまで繰り返す

市販の問題集や過去問には、直列・並列・合成抵抗に関する良問が数多くあります。
「時間を測って10問チャレンジ」などの形で、試験を意識した演習を行うのも効果的です。


まとめ

電気工事士試験における電気回路の分野は、基本を押さえておくだけで確実に得点できる重要ポイントです。

  • 直列回路は電流が一定、抵抗は加算
  • 並列回路は電圧が一定、抵抗は逆数の和
  • 混合回路は部分的に分解して計算する
  • オームの法則(V=IR)はどの場面でも活躍

これらを繰り返し練習し、自信をもって本番に臨んでください。
苦手な人も、「絵を描く」「分けて考える」ことを意識すれば、必ず克服できます。

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