残業代の計算方法を解説|時給の求め方・月平均労働日数の出し方までわかりやすく説明

残業代の計算は「なんとなく会社に任せている」という人が多いかもしれません。しかし、計算の仕組みを理解しておくことで、自分の給与が正しく支払われているかを確認できるようになります。また、副業や転職、フリーランスを目指す方にとっても「自分の1時間の価値」を知ることは非常に重要です。

この記事では、残業代の基本的な仕組みから、時給の求め方、そして「365−年間休日」「労働日数÷12」といった計算式の意味まで、順番に丁寧に解説していきます。数式が苦手な方でも理解できるよう、できるだけわかりやすく説明します。


残業代の基本ルールとは何か

まずは残業代の大原則を理解しましょう。

残業代とは、法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えて働いた時間に対して支払われる割増賃金のことです。

通常の残業は「25%以上の割増」が必要です。

つまり、

通常時給 × 1.25

が基本となります。

さらに、

・深夜(22時〜5時)は25%割増
・法定休日労働は35%割増
・深夜+残業は50%割増

という仕組みになります。

したがって、まず重要なのは「自分の1時間あたりの賃金(基礎時給)」を正しく計算することです。


時給の求め方の基本式

月給制の人は、次の式で時給を求めます。

時給 = 基本給 ÷ 月の所定労働時間

ここでポイントになるのが「月の所定労働時間」です。

この所定労働時間を出すために、次の考え方を使います。

365 − 年間休日 = 年間労働日数
年間労働日数 ÷ 12 = 月平均労働日数

では、具体的に解説していきます。


年間労働日数の求め方(365 − 年間休日)

1年は365日あります。

会社ごとに「年間休日」が決まっています。

例えば、

年間休日120日の会社の場合

365 − 120 = 245日

これが年間労働日数になります。

つまり、年間で245日働くという意味です。


月平均労働日数の求め方(労働日数 ÷ 12)

年間労働日数が分かったら、これを12で割ります。

245 ÷ 12 = 約20.4日

つまり、

月平均で約20.4日働いている

という計算になります。

これは「平均値」です。実際の月は20日だったり22日だったりしますが、残業代計算では平均値を使います。


月の所定労働時間の求め方

次に1日の所定労働時間を確認します。

一般的には8時間です。

月平均労働日数 × 1日の労働時間

20.4日 × 8時間 = 163.2時間

これが月の所定労働時間です。


時給の具体的な計算例

ここで基本給を設定します。

基本給:300,000円
年間休日:120日
1日8時間労働

① 年間労働日数
365 − 120 = 245日

② 月平均労働日数
245 ÷ 12 = 20.4日

③ 月の所定労働時間
20.4 × 8 = 163.2時間

④ 時給
300,000 ÷ 163.2 = 約1,838円

この1,838円が基礎時給になります。


残業代の計算方法

通常残業(25%割増)の場合

1,838 × 1.25 = 2,297円

つまり、1時間残業すると約2,297円になります。

10時間残業した場合

2,297 × 10 = 22,970円

となります。


残業代に含まれない手当

時給計算の際、すべての手当を含めるわけではありません。

原則として除外されるもの:

・通勤手当
・住宅手当(一定条件)
・家族手当
・臨時の手当

基本給+固定的な手当のみが対象になります。

ここを間違えると計算が大きく変わります。


固定残業代がある場合の考え方

最近は固定残業代(みなし残業)がある会社も多いです。

例えば、

「月20時間分の残業代込み」

と書いてある場合、その20時間を超えた分は別途支払う必要があります。

固定残業代がいくらかを確認し、

その時間数で割ると

実質の時給が見えてきます。

ここを理解していないと「サービス残業」になりやすいので注意が必要です。


深夜残業の計算方法

深夜(22時〜5時)に残業した場合、

25%(残業)+25%(深夜)

合計50%割増になります。

先ほどの例で計算すると、

1,838 × 1.5 = 2,757円

1時間あたり約2,757円になります。


法定休日労働の計算

法定休日に働いた場合は35%以上の割増です。

1,838 × 1.35 = 2,481円

深夜と重なるとさらに割増になります。


年間休日が違う場合の比較

年間休日110日の場合を計算してみます。

365 − 110 = 255日
255 ÷ 12 = 21.25日
21.25 × 8 = 170時間

300,000 ÷ 170 = 約1,764円

年間休日120日の会社より時給が下がります。

つまり、休日が少ない会社は「時給換算すると低くなる」傾向があります。

これは非常に重要なポイントです。


なぜ平均値を使うのか

毎月の労働日数は違います。

しかし、残業代計算では「年間ベースの平均」を使うことで公平性を保っています。

月によって計算方法を変えると不公平が生まれるためです。


自分の労働価値を知る重要性

時給を計算すると、

「自分は1時間いくらで働いているのか」

が明確になります。

これを知ることで、

・副業の単価判断
・転職時の年収比較
・労働時間の価値判断

ができるようになります。

月給だけを見ていると、本当の価値は見えません。


残業代が合わないと感じたら

給与明細を確認しましょう。

確認ポイント:

・基本給
・年間休日
・所定労働時間
・固定残業の時間

これらを整理すれば、自分で計算できます。


まとめ

残業代の計算は、次の流れで求めます。

365 − 年間休日 = 年間労働日数
年間労働日数 ÷ 12 = 月平均労働日数
月平均労働日数 × 1日の労働時間 = 月の所定労働時間
基本給 ÷ 月の所定労働時間 = 時給
時給 × 割増率 = 残業代

この仕組みを理解すれば、自分の給与が正しいかどうか判断できるようになります。

そして何より、「自分の1時間の価値」を把握できます。

ぜひ一度、実際の数字で計算してみてください。

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