VSCodeを“個人用Wiki”として使い倒す方法|ToDo管理・知識整理・打合せメモを最強にする運用術

業務で発生するToDo管理、打合せメモ、技術メモ、ちょっとした備忘録――これらを一つにまとめて整理できる理想の環境を探している方は多いのではないでしょうか。実は、普段から使っているVisual Studio Code(VSCode)こそが、個人用の“Wiki”として最高のパフォーマンスを発揮します。フォルダ構成で自由に階層化でき、Markdownで手軽に書け、プラグインを追加すれば見た目も検索性も飛躍的に向上します。本記事では、VSCodeを「個人用Wiki」に仕立てるための具体的な方法を、マネしやすい手順と実例つきでわかりやすく解説します。日々の情報整理を効率化したい方、メモアプリより柔軟な環境を求めている方に最適な内容です。


目次
  1. VSCodeを個人Wikiにするメリットとは?
  2. 最初に作るべきフォルダ構成|“個人Wiki”の土台づくり
  3. MarkdownでWikiを書くためのルールづくり
    1. ■ タイトルは H1、見出しは H2〜H3
    2. ■ 箇条書きは短く、結論を先に
    3. ■ 日付は「YYYY-MM-DD」形式で統一
    4. ■ プロジェクト名やキーワードはタグ化
    5. ■ テンプレートを作って毎回同じ形式で書く
  4. VSCodeをWiki化するためのおすすめ拡張機能
    1. ① Markdown All in One(最重要)
    2. ② Paste Image(画像貼り付け)
    3. ③ Foam(VSCodeをWiki化する本命拡張)
    4. ④ Todo Tree(ToDo管理を強化)
    5. ⑤ Bookmarks(重要行にブックマーク)
  5. ToDo管理のテンプレート例(すぐ使える)
  6. 打合せメモのテンプレート例(すぐ使える)
  7. タグ・リンク運用で“Wikiらしく”情報をつなげる
    1. ■ Wikiリンクの書き方
    2. ■ バックリンクが便利
    3. ■ タグ運用の例
    4. 検索とクイックアクセスで高速に情報へ到達する
      1. ① グローバル検索(Ctrl + Shift + F)
      2. ② ファイルを素早く開く(Ctrl + P)
      3. ③ エディタの分割表示でメモを比較
  8. VSCode Wiki運用を効率化するワークフロー例
    1. 【1】朝:今日やることをToDoに書く
    2. 【2】業務中:メモは全部 00_Inbox に投げる
    3. 【3】会議:テンプレートでメモを取る
    4. 【4】夕方:Inboxの内容を整理しフォルダに移動
    5. 【5】日次・週次:プロジェクト別に状況をまとめる
  9. まとめ:VSCodeは最強の個人Wikiツールになる

VSCodeを個人Wikiにするメリットとは?

VSCodeをWiki化する最大の魅力は「自由度の高さ」です。一般的なWikiツールは、企業向けの大規模環境やWebベースのアクセスを前提としており、個人で使うにはオーバースペックになりがちです。一方VSCodeは、ローカルのフォルダさえ用意すればすぐに情報管理を始められ、拡張機能によって必要な機能を柔軟に選択できます。

特にメリットとして大きいのは以下の4点です。

① Markdownで気軽に書ける
Wikiツールと相性が良いMarkdownを標準サポート。
見出し、リスト、表などを簡単に作成でき、編集も高速です。

② フォルダ構成で自由に階層化できる
カテゴリ・テーマごとにディレクトリを作るだけで、階層化されたWikiが完成します。
会社WikiやNotionのようなリッチ機能は不要、という人に最適。

③ 拡張機能で検索性・可読性が強化される
後述する拡張機能(Markdown All in One、Foam、Paste Imageなど)を使うと、Wikiアプリと遜色ない操作性を実現できます。

④ データが手元にあるので安心
クラウド依存ではなくローカル管理。機密情報や社内メモを扱う場合でも安全性が高い点は大きな利点です。

VSCodeは「開発ツール」でありながら、実は情報整理の観点でも極めて優秀な環境なのです。


最初に作るべきフォルダ構成|“個人Wiki”の土台づくり

VSCodeでWikiを運用するなら、最初にフォルダ構成を整えることが成功の鍵です。
以下はシンプルで、あらゆる仕事にも応用できる構成例です。

wiki/
├── 00_Inbox/        … メモの投げ込み
├── 01_Todo/         … タスク管理
├── 02_Knowledge/    … 知識・Tips
├── 03_Projects/     … プロジェクト別ノート
├── 04_Meeting/      … 会議メモ
└── 99_Archive/      … 使わなくなったものの保管

00_Inbox:インボックス
思いついたことはすべてここに入れます。
後から整理する前提で、分類を気にせず投げ込むのがポイント。

01_Todo:タスク管理
プロジェクト横断のToDoをMarkdownファイルで管理。
後述の「タスク管理テンプレート」に続きます。

02_Knowledge:知識のストック
業務で覚えた手順、技術メモ、設定方法などを格納。

03_Projects:案件ごとのメモ
案件・クライアント別など柔軟にフォルダ追加できます。

04_Meeting:打合せメモ
ミーティングごとに日付+タイトルのファイルを作成して保存。

99_Archive:アーカイブ
古い情報をまとめて入れる場所。整理整頓の味方になります。

フォルダ構成を決めることでWikiの「骨格」が生まれ、情報整理が長続きします。


MarkdownでWikiを書くためのルールづくり

VSCodeのWiki運用をスムーズにするためには、Markdownで統一した書き方ルールを作るのが効果的です。以下は誰でも実践できる基本ルールです。


■ タイトルは H1、見出しは H2〜H3

# 会議メモ(2025/03/24)

## 決定事項
- ○○の方針で進める  

■ 箇条書きは短く、結論を先に

- 次回までにA案・B案の比較資料を作成

■ 日付は「YYYY-MM-DD」形式で統一

ファイル名と本文の両方に日付を入れておくと検索が非常に楽になります。


■ プロジェクト名やキーワードはタグ化

#meeting #物流 #システム改修

後述の拡張機能「Foam」でタグ検索が便利になります。


■ テンプレートを作って毎回同じ形式で書く

例えば「会議メモ」「タスク」「技術メモ」ごとのテンプレートを作っておくと、迷わず書けます。


VSCodeをWiki化するためのおすすめ拡張機能

Wiki運用を効率化する拡張機能をまとめました。
これだけ入れておけば、ほぼ完璧です。


① Markdown All in One(最重要)

Markdown編集を圧倒的に便利にする拡張機能。
次のような機能が使えます。

  • 自動目次生成
  • ショートカットで太字・見出し
  • リスト操作の改善
  • プレビュー表示が強化

Markdownを書く人は必須レベルです。


② Paste Image(画像貼り付け)

Ctrl + V で画像をMarkdownに貼り付けできます。
打合せ資料のキャプチャをすぐに添付できるため会議メモの質が上がります。


③ Foam(VSCodeをWiki化する本命拡張)

ObsidianのようにWikiリンクをつけられる強力な拡張。

[[会議メモ-2025-03-24]]

と書くだけでファイルを自動生成し、Wikiのようにリンクでつなげられます。
タグ管理、バックリンク一覧など、Wikiに必要な機能が一通り揃います。


④ Todo Tree(ToDo管理を強化)

Markdownに書いたタスクを自動的に一覧化してくれる拡張です。

- [ ] 資料作成
- [x] サーバー設定変更

これらをサイドバーで全て表示できます。


⑤ Bookmarks(重要行にブックマーク)

メモ内で重要な行にしおりを付けられます。
技術メモで“後で確認したい場所”にタグしておくと便利。


ToDo管理のテンプレート例(すぐ使える)

Wikiでタスク管理をするなら、専用のテンプレートを作っておくと圧倒的に便利です。

# ToDo一覧(2025-03-24 更新)

## 🔥 今日やること
- [ ] 資料Aのドラフト作成
- [ ] ○○会議の議事録を整理

## 📅 今週の優先タスク
- [ ] システム改修の要件整理
- [ ] 営業資料の更新

## 📂 プロジェクト別
### ▲ プロジェクトA
- [ ] クライアント確認事項の整理
- [ ] UI修正案の作成

### ▲ プロジェクトB
- [ ] DBテーブル一覧の作成

## ✔ 完了タスク
- [x] メール返信
- [x] 定例会の準備

この形式で書くと、Todo Treeとの相性も抜群です。


打合せメモのテンプレート例(すぐ使える)

会議メモは毎回似た構成にすることで、振り返りやすい内容になります。

# 会議メモ(2025-03-24)
#meeting #物流 #システム

## 参加者
- 課長
- ○○さん
- 私

## 議題
1. システム改修の進め方  
2. 納期の調整

## 決定事項
- ○○の仕様で進める  
- 納期は4/15を目標とする  

## 宿題・アクション
- [ ] A案の比較資料を私が作成(期限:3/28)
- [ ] クライアントへ確認依頼(担当:○○)

## メモ
- APIの仕様変更について議論  
- 次回はテスト範囲の確認

毎回の会議をこの形式に統一するとWikiが非常にわかりやすくなります。


タグ・リンク運用で“Wikiらしく”情報をつなげる

Wikiの醍醐味は、情報がリンクでつながることです。
VSCodeではFoamを使うと簡単に実現できます。


■ Wikiリンクの書き方

[[プロジェクトA-概要]]
[[API設計メモ]]

該当ファイルがなければ自動作成されます。


■ バックリンクが便利

例えば「プロジェクトA」のメモに
「会議メモ」「技術メモ」「タスク」からリンクが貼られると、
Foamのバックリンク機能で「どこから参照されているか」が一覧できます。


■ タグ運用の例

#logistics #meeting #2025

特定プロジェクトや業務カテゴリのメモがすぐ検索できるようになります。


検索とクイックアクセスで高速に情報へ到達する

VSCodeには検索機能が標準で搭載されており、Wiki運用との相性が最高です。


① グローバル検索(Ctrl + Shift + F)

Markdownファイル全体を横断検索できます。
キーワードで一撃で目的の情報へアクセス可能。


② ファイルを素早く開く(Ctrl + P)

ファイル名の一部を入力するだけで対象を開けるため、
「会議」「todo」「物流」などで即アクセスできます。


③ エディタの分割表示でメモを比較

会議メモを2つ並べて比較するなど、Wikiアプリより柔軟な画面構成が可能です。


VSCode Wiki運用を効率化するワークフロー例

Wikiを継続して使うには、決まった運用フローを作るのがコツです。
以下は最もシンプルかつ続けやすい例です。


【1】朝:今日やることをToDoに書く

Todo Treeに自動で反映され、優先順位が可視化されます。


【2】業務中:メモは全部 00_Inbox に投げる

分類を考えず、とりあえずInboxへ。
後で整理すればOK。


【3】会議:テンプレートでメモを取る

統一フォーマットがあると後でリンク追加が簡単。


【4】夕方:Inboxの内容を整理しフォルダに移動

Wikiとして育てる“メンテナンス時間”が重要。


【5】日次・週次:プロジェクト別に状況をまとめる

情報が積み上がり、Wikiが「業務台帳」として役立ちます。


まとめ:VSCodeは最強の個人Wikiツールになる

VSCodeはプログラマ向けのツールと思われがちですが、実際は
個人の情報整理・タスク管理・会議メモ・知識管理に最高の環境 です。

  • Markdownで書ける
  • フォルダ構成で階層化できる
  • 拡張機能でWiki化できる
  • データはローカルで安全
  • 検索が高速
  • テンプレート運用で効率化

これらの強みを組み合わせることで、VSCodeはNotionやObsidianに劣らない、
むしろ “仕事に最適化された個人Wiki” として機能します。

ぜひ、今日から自分だけのWiki環境をVSCodeで育て始めてみてください。

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