ExcelやPower BIでデータの取り込みや整形を行うときに欠かせないのが「Power Query エディタ」です。
しかし、「保存はどこ?」「閉じても消えてしまわない?」「適用しないとどうなる?」といった疑問を持つ方は多く、せっかく作業した内容が反映されずに戸惑うケースも少なくありません。
本記事では、Power Query エディタに「保存」というボタンがない理由から、正しい保存方法、閉じる・適用の違い、失敗しないための注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、Power Query での編集作業を安心して効率よく進められるようになります。
- Power Query エディタに「保存」ボタンがない理由とは?
- Power Query の“本当の保存方法”は「閉じて読み込み」
- 「適用」と「保存」はどう違う? 混同しやすいポイントを解説
- Power Query エディタを閉じても大丈夫? 自動保存の仕組み
- Power Query の保存内容を確認する方法
- Power Query が保存されない時に考えられる原因と対処法
- Power Query のクエリを手動で保存するには?(バックアップ方法)
- ブック保存とクエリ保存の関係(最も誤解されやすいポイント)
- Power Query の保存を確実にするためのおすすめ手順(初心者向け)
- まとめ:Power Query の保存は「閉じて読み込み」とExcel保存の二段階
Power Query エディタに「保存」ボタンがない理由とは?
Power Query を開いた多くの人が最初に戸惑うのが以下の点です。
- どこにも「保存」がない
- 上書き保存ができない
- 閉じたら消えてしまうのでは?
結論から言うと、Power Query は「保存」という概念が通常の Excel と違うため、保存ボタンが存在しません。
● 理由①:Power Query の設定は「クエリ」としてブックに自動保存されるため
Power Queryで行った編集内容は、クエリ(変換手順)として Excel ブック内に自動保存される仕組みになっています。
そのため、エディタ内で明示的に「保存」する必要はありません。
● 理由②:保存操作は「閉じて読み込み」が兼ねている
Power Query エディタでの変更をブックに反映するためには、**「閉じて読み込み」または「閉じて次に進む」**を実行します。
これが実質の「保存」操作です。
Power Query の“本当の保存方法”は「閉じて読み込み」
Power Query エディタで行った編集を Excel に反映するには、右上の「閉じて読み込み」をクリックします。
● 閉じて読み込み(Close & Load)
編集内容を反映し、指定したシートにデータを読み込みます。
● 閉じて次に進む(Close & Load To)
読み込み先を指定したい場合はこちらを選択します。
- テーブルとして読み込み
- ピボットテーブルとして読み込み
- データモデルにのみ保存
など、用途に応じて柔軟に選択できます。
Point:閉じて読み込む=保存と反映が同時に行われる操作
「適用」と「保存」はどう違う? 混同しやすいポイントを解説
Power BI Desktop では「適用(Apply)」というボタンがあるため、「保存」と混同しがちです。
● Excel の Power Query には「適用」ボタンはない
Excel の場合は 閉じて読み込み=自動的に適用 になります。
● Power BI の「適用」とは
Power BI Desktop の場合:
- Power Query エディタ → 変換手順を作成
- 適用(Apply) → モデルに反映
- 保存(Ctrl+S) → pbix ファイルに保存
という流れになります。
Excel とは仕組みが異なるため、両者を混同しないようにしましょう。
Power Query エディタを閉じても大丈夫? 自動保存の仕組み
Power Query では、編集内容はすべてクエリとして Excel の内部に自動保存されます。
● 心配しなくてOK
エディタを閉じても、ステップはすべて残ります。
● ただし、読み込みを行わないとシートに反映されない
変換内容を Excel に反映するには必ず以下のいずれかが必要です。
- 閉じて読み込み
- 読み込み先を指定する
これをしないと、編集は保存されても、シートには表示されません。
Power Query の保存内容を確認する方法
「ちゃんと保存された?」と不安な場合は、以下を確認しましょう。
● ① クエリ一覧を見る
Excel の右側([クエリと接続] パネル)を開くと、保存されたクエリが一覧表示されます。
● ② クエリを再度ダブルクリックして開く
Power Query エディタが開き、編集内容がそのまま表示されます。
● ③ ステップが残っているか確認
右側の「適用したステップ」にすべての手順が記録されています。
Power Query が保存されない時に考えられる原因と対処法
まれに保存が反映されない、読み込みできないというケースがあります。
よくある原因を紹介します。
● 原因①:読み込み先が「データモデルのみ」に設定されている
クエリをデータモデルにのみ読み込んでいる場合、シートには表示されません。
→ 対処法
クエリを右クリック →「読み込み先」→ 「テーブルとして読み込む」に変更
● 原因②:編集後に「閉じて読み込み」をしていない
エディタを閉じただけでは反映されません。
→ 対処法
必ず「閉じて読み込み」を実行しましょう。
● 原因③:読み込み先のシートを削除した
読み込んだシートを削除すると、クエリは生きていても表示できなくなります。
→ 対処法
読み込み先を再指定すれば復活します。
Power Query のクエリを手動で保存するには?(バックアップ方法)
クエリの内容を外部保存したい場合は手動で行います。
● 方法①:クエリのコピーをエクスポート
Power Query エディタ
→「ファイル」
→「エクスポート」
→「テンプレートとして保存」
● 方法②:M言語コードをコピーして保存
エディタ右側の「詳細エディター」から Mコードをコピーし、メモ帳に保存可能。
● 方法③:別の Excel にクエリを移行する
「クエリの結合と管理」からクエリをコピーできます。
ブック保存とクエリ保存の関係(最も誤解されやすいポイント)
● Power Query は「クエリを保存」
Excel は「ブックを保存」
両者は独立しています。
Power Query の編集結果を反映しても、Excel ブック(.xlsx)自体を保存しなければ、その反映は失われます。
✔ よくある失敗
- Power Query で閉じて読み込みをした
- シートに結果が反映された
- Excel を閉じる時「保存しますか?」で「いいえ」を押した
→ クエリも読み込み結果も全て消える
必ずブック全体の保存も忘れずに行いましょう。
Power Query の保存を確実にするためのおすすめ手順(初心者向け)
以下の手順で行うと、保存漏れを防げます。
① Power Query で編集する
ステップを追加したり、列を調整します。
② 「閉じて読み込み」で反映
必ず実行する。
③ Excel ファイルを保存(Ctrl+S)
これを忘れると全部消えるので要注意。
まとめ:Power Query の保存は「閉じて読み込み」とExcel保存の二段階
Power Query の保存は通常のExcelと違うため、戸惑う方が多い部分です。
Power Query は慣れると非常に強力なツールです。
正しい保存方法を理解すれば、データ整形や加工を安心して進められるようになります。
