仕事をしていると、「相手との認識が違っていた」という場面は少なくありません。発注内容の解釈、会議での伝達事項、納期や数量のすれ違いなど、ほんの小さな認識の違いが大きなトラブルに発展することもあります。そんなとき、誠意をもって謝罪し、正しい内容を共有するためには「謝罪メール」を適切に送ることが大切です。
本記事では、認識の違いによる謝罪メールのポイントや注意点を解説し、実際に使える例文を紹介します。ビジネスシーンで役立つ表現を学んで、信頼関係を維持できるメールを作りましょう。
認識の違いが起こる原因とは？
認識の違いは、決して珍しいことではありません。よくある原因は次のようなものです。
- 伝達の不十分さ
口頭でのやり取りだけで確認を怠った場合、相手が意図と違う理解をしてしまうことがあります。 - 言葉の曖昧さ
「できるだけ早めに」や「少量」といった表現は、人によって解釈が変わります。 - 情報共有の不足
会議に出席していなかった人や、メールを見落とした人に正しい情報が伝わっていないケースです。 - 確認不足
お互いの認識を「合っていますか？」と確認しないまま進めると、後から食い違いに気づくことになります。
これらは誰にでも起こりうることであり、重要なのは「違いがわかったときの対応」です。
認識違いが起きたときの謝罪メールの基本構成
謝罪メールには、次のような構成が適しています。
- 冒頭で謝罪
まず「ご迷惑をおかけし申し訳ございません」と誠意を伝えます。 - 認識の違いを説明
どの部分で食い違いがあったのかを具体的に示します。 - 正しい内容を提示
今後の正しい情報を明確に伝えます。 - 再発防止や改善の姿勢
「次回以降は確認を徹底いたします」など、改善策を添えると信頼回復につながります。 - 結びの言葉
「今後ともよろしくお願いいたします」と相手に配慮した言葉で締めくくります。
謝罪メールを書くときの注意点
謝罪メールには、いくつかの注意点があります。
- 言い訳をしない
「こちらにも事情がありまして…」といった弁解は逆効果になることがあります。 - 感情的な表現を避ける
「非常に困惑しました」といった自分の気持ちを強調しすぎると、相手に伝わる謝意が弱まります。 - 簡潔に伝える
長文になりすぎると、何を伝えたいのかがぼやけてしまいます。必要な情報を整理して端的に書きましょう。 - 再発防止を示す
謝罪だけでなく、同じことを繰り返さない姿勢を見せることで、信頼を回復しやすくなります。
認識違いによる謝罪メールの例文
例文1：納期の認識違い
件名：納期に関する認識違いについてのお詫び
○○株式会社
△△様
いつも大変お世話になっております。□□株式会社の△△でございます。
このたびは、納期に関する認識の違いによりご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
当方では「10日納品」と認識しておりましたが、御社のご要望は「8日納品」であったことを確認いたしました。
こちらの確認不足によりご不便をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
至急対応を進め、8日中に納品できるよう調整いたします。今後は必ず文書で双方の認識を確認し、再発防止に努めてまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。
□□株式会社
△△
例文2：数量の認識違い
件名：発注数量に関するお詫び
○○株式会社
△△様
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。□□株式会社の△△でございます。
先日のご注文に関し、数量の認識違いがありましたことを深くお詫び申し上げます。
当方では「50個」と理解しておりましたが、正しくは「500個」であったと確認いたしました。こちらの確認不足により、多大なご迷惑をおかけしましたこと、誠に申し訳ございません。
至急追加分を手配し、○日までにお届けできるよう進めております。以後は注文内容を二重に確認し、再発防止を徹底いたします。
何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。
□□株式会社
△△
例文3：会議日程の認識違い
件名：会議日程に関する認識違いについてのお詫び
○○株式会社
△△様
お世話になっております。□□株式会社の△△でございます。
先日の打ち合わせにおいて、会議日程について認識違いがあり、参加できずご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
当方では「15日10時」と認識しておりましたが、実際には「14日10時」でありました。私の確認不足により、このような事態となってしまいました。
今後はスケジュールを複数名で確認し、同様の誤りが起こらないよう再発防止に努めます。
改めて、近日中にお打ち合わせの機会を頂戴できれば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
□□株式会社
△△
例文の使い方の工夫
そのまま使うのではなく、状況に合わせて調整することが大切です。
- 相手の立場に寄り添った表現
「ご迷惑をおかけしました」だけでなく「ご不便をおかけし」と具体的に言い換えると気持ちが伝わりやすいです。 - 具体的な対応策を示す
「確認を徹底します」「ダブルチェック体制をとります」など、信頼回復につながる改善策を書きましょう。 - スピード感のある返信
気づいたらすぐに送ることが誠意を示す第一歩です。
まとめ
認識の違いは、どんなに気をつけていても起こる可能性があります。大切なのは、違いが発覚した際に 素早く、誠意をもって謝罪し、正しい情報を共有すること です。
謝罪メールでは、冒頭で誠意を示し、具体的な食い違いの内容と改善策を伝えることで、相手に安心感を与えられます。例文を参考に、自分の状況に合わせた文章を作成し、信頼関係を維持することを心がけましょう。