Excelの「プルダウン」（ドロップダウンリスト）機能は、入力を効率化し、ミスを防ぐ便利な機能です。特定の選択肢をあらかじめ設定しておけば、ユーザーはセルをクリックして選ぶだけで入力が可能になります。
業務でのデータ入力、アンケートフォームの作成、在庫管理表や勤怠管理表など、さまざまな場面で役立ちます。本記事では、Excel初心者でもわかるように、プルダウンの基本的な作り方から応用的な使い方、トラブル解決方法まで、画像イメージを思い浮かべられるように詳しく解説します。今日から実践できるプルダウン活用術を身につけましょう。
プルダウン（ドロップダウンリスト）とは？
Excelのプルダウンは、セルをクリックした際に選択肢が一覧表示され、その中から入力内容を選べる機能です。正式名称は「ドロップダウンリスト」で、Excelの「データの入力規則」という機能を使って設定します。
この機能を使うと、ユーザーが自由に入力するのではなく、あらかじめ指定した項目の中からしか選べなくなります。そのため、入力ミスを防ぎ、データを統一した形式で集めることができます。特に、社内共有の表やアンケートの集計表など、入力者が複数いる場合に効果的です。
プルダウンを作る基本手順
- プルダウンを設定したいセルを選択する
例：セルA1 - [データ]タブ → [データの入力規則] をクリック
- 「データの入力規則」ダイアログが表示されるので、[設定]タブを開く
- 「入力値の種類」を「リスト」に変更
- 「元の値」に選択肢をカンマ区切りで入力
例：東京,大阪,名古屋 - [OK]をクリックすると、セルA1にプルダウンが設定されます
これで、セルをクリックすると右側に▼マークが表示され、リストから選択できるようになります。
別シートのデータを使ってプルダウンを作る方法
プルダウンの元データを別シートに用意すると、管理が楽になります。例えば「設定」シートに選択肢を一覧で入力し、その範囲を名前定義して使う方法です。
手順
- 「設定」シートに選択肢を縦に入力（例：A1～A5）
- 範囲を選択し、[数式]タブ → [名前の定義]で名前を付ける（例：「都市リスト」）
- プルダウンを設定したいセルで[データの入力規則]を開く
- 「元の値」に
=都市リストと入力して[OK]
この方法なら、選択肢を追加・削除しても自動的にプルダウンに反映されます。
プルダウンの項目を動的に変更する方法
Excelでは、条件によってプルダウンの内容を切り替える「連動プルダウン」も作れます。例えば、「都道府県」を選ぶと「市区町村」のリストが変わるような仕組みです。
これは INDIRECT関数 と名前定義を組み合わせて実現します。
例
- 「北海道」「東京」などの都道府県名の範囲を名前定義
- 市区町村リストも同じ名前で定義（例：「東京」という名前で23区のリスト）
- 市区町村のプルダウンの「元の値」に
=INDIRECT(A1)と入力
A1に入力された都道府県名によって、市区町村リストが自動的に変わります。
複数のセルに同じプルダウンを適用する方法
プルダウンは1セルだけでなく、複数セルにまとめて設定できます。
- まず1つのセルにプルダウンを設定
- そのセルをコピーし、適用したい範囲に貼り付け（[形式を選択して貼り付け] → [入力規則]）
これで、表全体に同じ選択肢を適用できます。
プルダウンの便利な活用例
- 勤怠管理表の勤務形態選択（出勤・休暇・早退など）
- 在庫管理のステータス管理（入庫済・出庫済・欠品など）
- 営業日報の商談ステータス管理（見込み・契約・失注）
- アンケート回答集計（はい・いいえ・未回答）
- 見積書や請求書の品目選択
特に在庫や日報では、誤字や表記ゆれを防ぐために必須と言える機能です。
プルダウンがうまく動作しないときの対処法
- 選択肢のセル範囲に空白がある場合 → 空白は削除する
- 別シートのデータが参照できない場合 → 名前定義を使う
- プルダウンの矢印が表示されない場合 → 保護設定や結合セルを解除する
- 設定後に編集できなくなった場合 → [データの入力規則]で条件を再確認する
まとめ
Excelのプルダウンは、データ入力の効率化・正確性向上に直結する機能です。特にチームで使うファイルでは、入力ルールを統一するためにも活用価値が高いです。基本の設定方法から応用テクニックまで習得すれば、業務効率は大きく向上します。
今日から、あなたのExcelにもプルダウンを取り入れて、スマートなデータ管理を始めましょう。