結婚式やお祝いごとに欠かせない「ご祝儀袋」。いざ用意しようと思っても、「名前の書き方は?」「中袋は何を書くの?」「ボールペンでいいの?」といった疑問が多くあります。間違った書き方をしてしまうと、相手に失礼になる可能性も。この記事では、ご祝儀袋の基本から中袋の書き方、金額のマナー、さらには連名や表書きの注意点まで、わかりやすく解説します。初めての方でも安心して準備ができるよう、具体的な書き方や例文も紹介します。
ご祝儀袋の選び方:用途に合ったものを選ぼう
ご祝儀袋にはさまざまな種類がありますが、贈る目的に応じたデザイン・格が求められます。たとえば、結婚式には「寿」や「御結婚御祝」と書かれた華やかなものが好まれ、金額が高額であれば格の高い水引(結び切り・10本)を選びましょう。
また、出産祝いや入学祝いなどの慶事では「蝶結び」の水引を使うのが一般的です。用途を間違えるとマナー違反になりますので、用途に合ったご祝儀袋を選ぶことが大切です。
表書きの書き方:筆ペンで丁寧に書くのが基本
ご祝儀袋の「表書き」は、袋の表面に書かれる言葉と名前の部分です。以下のポイントに注意しましょう。
- 表書きの上段:用途に応じて「寿」「御結婚御祝」「御祝」などを書く
- 表書きの下段:贈り主の氏名をフルネームで書く
- 書く筆記具:毛筆、筆ペンが推奨(サインペンやボールペンはNG)
たとえば、結婚式であれば「寿」と大きく書き、下段には自分のフルネームを中心揃えで記入します。二人以上で贈る場合には、連名のルールもあります(後述)。
中袋(内袋)の書き方:金額と住所・氏名を忘れずに
ご祝儀袋には、現金を入れる「中袋(内袋)」がついている場合があります。この中袋にも重要な記載項目があります。
表面に書く内容:
- 金額を**漢数字(旧字体)**で記載
- 例:「金参萬円」「金伍萬円」
- 「一、二、三」ではなく、「壱、弐、参」などの旧字体を使用
- 「也」はつけてもつけなくても可(例:「金参萬円也」)
裏面に書く内容:
- 自分の郵便番号・住所・氏名を記載
- 複数人で贈る場合は、代表者の情報を記入し、別紙で連名リストを添えると丁寧
内袋に封がない場合、糊付けやテープで閉じる必要はありません。そのまま袋に戻して使用します。
金額の包み方と注意点
現金は新札を使用するのが基本です。結婚式などの「慶事」では、新しい門出を祝うという意味合いから、新札を包むのがマナーです。
金額の入れ方:
- 肖像が表向き、上に来るように重ねる
- 複数枚ある場合は、金額の大きい紙幣が一番上にくるようにそろえる
- 中袋に現金を入れ、外袋に包む
注意点としては、現金の枚数に「4枚」「9枚」などの縁起が悪い数字は避けましょう。
連名での書き方:夫婦・友人グループの場合
複数名でご祝儀を贈る場合には、連名での記載方法にもマナーがあります。
夫婦で贈る場合:
- 表書き下段に、夫の氏名をフルネームで中央に記載
- 妻の名前を夫の左側にやや小さめに記載(名字は省略可)
例:
寿 山田太郎 花子
友人などグループで贈る場合:
- 3名までは連名で全員の名前を記載
- 4名以上の場合は代表者の氏名を記載し、「外一同」と書く
- その場合は別紙に全員の名前と住所を添える
ご祝儀袋を渡すタイミングと渡し方
結婚式では、ご祝儀は受付で直接渡すのが基本です。その際には、ふくさに包んで持参するのが正式なマナーです。
渡すときのマナー:
- ふくさを開いて相手の正面を向ける
- 両手で丁寧に差し出す
- 「本日はおめでとうございます。心ばかりですがお納めください」などの言葉を添える
袋の扱いも含めて、相手に対する心配りを忘れずに行動することが重要です。
よくあるNG例と注意点
以下のようなミスは避けましょう。
- 表書きをボールペンで書いてしまう
- 名前を略字やカタカナで書く
- 金額をアラビア数字で書く(例:30,000円など)
- 汚れたご祝儀袋を使う
- 使用済みの袋を再利用する
これらはすべてマナー違反になるため、丁寧な準備を心がけましょう。
ご祝儀の相場:関係性によって異なる目安
ご祝儀の金額は贈る相手との関係性によって異なります。
関係性 | 相場金額 |
---|---|
友人・同僚 | 3万円前後 |
兄弟姉妹 | 5万円前後 |
親戚(いとこ) | 3万円〜5万円 |
上司・恩師 | 3万円〜5万円 |
夫婦で出席 | 5万円〜10万円 |
相場を大きく外れないよう、一般的なラインを参考に包むのが無難です。
まとめ
ご祝儀袋の書き方やマナーは、相手への敬意を表す大切な要素です。筆記具の選び方、表書きの書き方、金額の表記、渡すときの所作にいたるまで、ひとつひとつに意味が込められています。面倒に感じるかもしれませんが、これらを丁寧に守ることで、より深い信頼関係を築くことができます。大切な場面で恥をかかないためにも、ぜひ本記事を参考に、正しいご祝儀のマナーを身につけてください。