営業職にとって、日々の業務を記録し上司やチームと情報共有する「営業活動報告書」は欠かせません。
しかし、何を書けばいいのか分からず、「とりあえず形式だけ整えた」報告書になっていませんか?
本記事では、営業活動報告書の基本的な構成から、成果が伝わる書き方のコツ、記載例までを詳しく解説します。
新入社員の方はもちろん、営業職の中堅・ベテランの方にも役立つ内容です。
営業活動報告書とは?
営業活動報告書とは、営業担当者が一日の訪問件数や商談の内容、顧客の反応、今後の見通しなどを記録し、上司や関係部署に報告するための書類です。
報告書を通して、営業活動の進捗管理、業績評価、部門間の情報共有などが行われます。
たとえば、以下のような情報がまとめられます:
- 訪問・電話・メールなどの営業手段
- 商談内容と結果
- 顧客からの要望・クレーム
- 次回アクションの予定
- 自身の所感や課題の認識
単なる記録ではなく、戦略的な営業活動の根拠となる資料でもあるのです。
営業活動報告書の基本構成
営業活動報告書には、一般的に次の項目が含まれます。
1. 日付と氏名
まずは報告する日付と報告者の名前を明記します。誰の報告なのかがすぐに分かるようにします。
2. 顧客情報
会社名、担当者名、訪問先の住所などの顧客情報を記入します。CRM(顧客管理システム)と連携する場合は、IDを併記することもあります。
3. 訪問(または活動)の目的
アポイントの理由や商談のテーマなどを簡潔にまとめます。例:「新製品Aの提案」「契約更新に関する確認」など。
4. 活動内容
実際の商談内容や顧客とのやり取りを具体的に記載します。数字や固有名詞を入れると説得力が増します。
5. 結果・顧客の反応
商談の結果(成約、保留、検討中など)と、顧客が示した興味・反応を記録します。懸念点や競合の動きなども含めましょう。
6. 今後の対応策・スケジュール
次回の訪問予定や、社内での対応が必要な事項を明記します。営業チーム内の連携が取りやすくなります。
7. 所感・課題
自分の感じたことや改善点、課題などを記載すると、上司からのアドバイスを受けやすくなります。
営業活動報告書を書く際のポイント
ポイント1:簡潔かつ具体的に書く
報告書は読み手がスムーズに内容を把握できることが大前提です。長文になりすぎず、箇条書きを活用して要点を明確にしましょう。
例:
- NG:「○○の件で話しましたが、うまく進みませんでした。」
- OK:「○○の価格が予算オーバーのため見送り。次回は廉価版の提案予定。」
ポイント2:事実と主観を分ける
客観的な事実(訪問日時・提案内容・顧客の発言)と、自身の主観(感じたことや考察)は分けて記載しましょう。事実が信頼性を担保し、主観が提案力や洞察力の評価につながります。
ポイント3:数字を活用する
「売上見込み〇万円」「次回提案日は〇月〇日」など、具体的な数字は信頼性を高め、行動計画の共有にも役立ちます。
よくあるNG例と改善例
NG例1:曖昧な記述
悪い例:「まあまあの感触でした」
改善例:「商品Bに興味を示したが、価格がやや高いとの意見。見積もり再提出を要請された。」
NG例2:行動が不明瞭
悪い例:「今後に期待」
改善例:「次回訪問は7月30日。商品Cの実績資料を持参し提案予定。」
営業活動報告書の記載例
以下は実際の営業活動報告書のフォーマット例です。
営業活動報告書(記載例)
- 日付:2025年7月20日
- 担当者:山田 太郎
顧客名:株式会社エースシステム
担当者:佐藤 様(営業部)
訪問目的:新サービス「クラウドCRM」の提案
商談内容:
・「クラウドCRM」導入により月間コストが20%削減可能であることを説明
・営業部内での導入検討を前向きに検討中
・競合他社のツールとの比較情報を要望された
顧客の反応:
・「費用対効果は魅力的」との評価あり
・社内稟議のため資料を再提出するよう依頼あり
次回対応予定:
・7月25日までに比較資料を提出
・8月初旬に再訪問し導入判断を確認予定
所感:
顧客の反応は良好。競合の動きに注意しつつ、次回提案時に導入事例を紹介予定。
テンプレートやツールを活用しよう
営業報告書をExcelやWordで作成している企業も多いですが、入力の手間や情報の蓄積には限界があります。
最近では、以下のような営業支援ツール(SFA:Sales Force Automation)を活用する企業も増えています。
- Salesforce
- kintone
- Senses
- eセールスマネージャー
こうしたツールでは、報告のテンプレート化や、上司とのコメント共有、データ分析機能などが充実しており、営業業務の効率化に繋がります。
まとめ
営業活動報告書は、ただの作業ではなく、自身の活動を「見える化」し、次の成果につなげる重要なツールです。
ポイントは「簡潔に・具体的に・戦略的に書くこと」。数字と事実に基づいた報告が信頼を生み、チームの連携と成果を引き出します。
テンプレートやツールも上手に活用し、報告書作成を負担ではなく「成長のための振り返り時間」として活用していきましょう。