売上やアクセス数など、未来のデータを予測できたら便利ですよね。
実は、Excelには「予測シート」という機能があり、これを使えば過去のデータから将来の傾向をグラフ付きで簡単に予測できます。しかも数クリックで実行できるため、専門的な知識がなくても大丈夫です。
この記事では、Excelの「予測シート」の使い方を初心者にもわかりやすく解説します。使いどころや注意点、実際の手順まで詳しくお届けします。
予測シートとは?Excelでできる未来予測機能
予測シートとは、Excelに搭載されている機能のひとつで、過去の時系列データ(売上、アクセス数、気温、株価など)から将来の傾向を予測してくれるツールです。
この機能では、以下のようなことが可能です。
- 将来のデータをグラフで視覚化
- 傾向線に基づく自動予測
- 予測期間の設定(例:1か月後まで予測)
- 上下の誤差範囲を自動表示
複雑な数式やマクロは不要で、Excelのメニューから数ステップで利用できます。
予測シートが使えるExcelのバージョン
予測シートは、以下のバージョン以降で使用可能です。
- Excel 2016
- Excel 2019
- Excel 2021
- Microsoft 365のExcel
※Excel for Macにも一部対応していますが、機能制限がある場合があります。
予測シートを使うための準備:時系列データを用意しよう
予測シートを使うには、「日付や時間の並んだ時系列データ」が必要です。
以下のような形式でデータを準備しましょう。
日付 | 売上 |
---|---|
2024/01/01 | 150000 |
2024/01/02 | 152000 |
2024/01/03 | 148500 |
… | … |
ポイント:
- 日付(または時間)は昇順で並べておくこと
- 欠損データが多すぎると予測が不正確になる
- 最低でも2列(時系列と値)が必要
H2:予測シートの作成手順を解説【ステップバイステップ】
ステップ①:データを選択
まずは、日付と値(売上など)の2列を選択します。
ステップ②:[データ]タブ → [予測シート]をクリック
Excelのリボンにある「データ」タブを選び、「予測シート」をクリックします。
ステップ③:グラフと予測期間を設定
ポップアップ画面が表示され、折れ線グラフや棒グラフが選べます。
また、予測したい終了日を設定することで、1週間後、1か月後、など自由に予測可能です。
ステップ④:オプション設定(必要に応じて)
- 信頼区間(誤差の幅)の設定
- 季節性の自動検出または手動設定
- 欠損データの扱い方法の変更
ステップ⑤:[作成]をクリックして完了!
予測グラフが作成され、下に予測された数値の一覧も表示されます。
実際の利用シーンと活用例
予測シートは、以下のようなビジネスシーンで大いに役立ちます。
売上予測
週次や月次売上の傾向を分析し、今後の売上見通しを可視化。
在庫の発注やシフトの計画に活かせます。
アクセス解析
WebサイトのPVやUU数の将来傾向を予測し、プロモーションのタイミングを検討できます。
経費の変動予測
光熱費や交通費などのコスト項目も時系列で記録していれば、翌月の予算作成に活用可能。
予測シートの注意点と限界
予測シートは非常に便利なツールですが、過信は禁物です。
注意点:
- あくまで過去データに基づく「推測」であり、未来を保証するものではありません
- 外部要因(災害、トレンドの変化など)には対応できません
- 入力ミスや異常値があると精度が下がる
そのため、参考値として活用し、他の分析や経験と組み合わせて判断することが重要です。
予測精度を高めるためのコツ
- 十分なデータ量を用意する
最低でも30日分以上あると安定します。 - 外れ値は除外する
一時的な急上昇・急減などのデータは取り除いた方が精度が上がります。 - 季節性のあるデータは注意
季節変動がある場合は「季節性」を手動設定してみましょう。 - 更新頻度を高める
定期的にデータを更新して予測し直すことで、より現実的な予測ができます。
予測シートを使ってできることのまとめ
Excelの「予測シート」は、初心者でも手軽に未来の傾向を視覚化できる強力なツールです。
専門的な知識がなくても、日付と数値さえあれば将来の推移をグラフ付きで作成できます。
売上予測、アクセス解析、在庫管理など、ビジネスの現場で幅広く活用できるため、ぜひ日々のデータ分析に取り入れてみてください。