動画ファイルのサイズが大きすぎて、メールで送れなかったり、スマホに保存できなかったりすることはありませんか。
実は、無料で使える「VLCメディアプレイヤー」を使えば、簡単に動画を圧縮してファイルサイズを小さくできます。
VLCは再生だけでなく、変換・圧縮・録画・編集までできる万能なメディアソフトです。
この記事では、初心者の方でも迷わず実践できるように、VLCで動画を圧縮する具体的な手順と、画質を保ちながらファイルサイズを抑えるコツをわかりやすく解説します。
パソコンやスマホで動画を扱う機会が多い方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
VLCメディアプレイヤーとは?
VLCメディアプレイヤーは、フランスの非営利団体「VideoLAN」によって開発された無料のマルチメディアプレイヤーです。
Windows・Mac・Linux・iPhone・Androidなど、ほぼすべてのOSに対応しており、再生できる動画形式の多さでも有名です。
VLCの特徴は次の通りです。
- 完全無料・広告なし
- MP4・AVI・MOV・WMVなど多形式対応
- 動画変換・圧縮機能を標準搭載
- DVD/Blu-rayの再生も可能
- 字幕追加や再生速度変更などの編集機能もあり
多機能ながらも軽快に動作するため、動画再生だけでなく圧縮ツールとしても人気があります。
動画を圧縮する目的とは
動画を圧縮する主な理由には、以下のようなものがあります。
- ファイルサイズを小さくして共有しやすくする
メール添付やLINE、クラウドでの共有に制限があるため、動画を小さくする必要があります。 - ストレージ容量の節約
スマホやパソコンの空き容量を増やすために、動画を軽量化して保存するケースも多いです。 - アップロードをスムーズにする
YouTubeやSNSへの投稿時に、アップロード時間を短くしたい場合にも有効です。
VLCは、これらのニーズに応える「変換+圧縮」機能を備えています。
VLCで動画を圧縮する基本手順
ここからは、実際にVLCで動画を圧縮する具体的な方法を紹介します。
Windows版を例に解説しますが、Macでもほぼ同じ操作で行えます。
① VLCを起動し、「メディア」→「変換/保存」を選択
VLCを開いたら、上部メニューから「メディア」→「変換/保存(Ctrl+R)」をクリックします。
新しいウィンドウが開くので、「追加」ボタンを押して圧縮したい動画ファイルを選択します。
選択が完了したら、右下の「変換/保存」をクリックします。
② プロファイル(出力設定)を選択
次に「変換」画面が開きます。
ここで、どの形式で出力するかを選びます。
一般的には以下の設定がおすすめです。
- プロファイル:Video – H.264 + MP3 (MP4)
- コンテナ形式:MP4
- コーデック:H.264(高圧縮で高画質)
この設定で、ほとんどのデバイスで再生可能な汎用的な動画ファイルを作成できます。
③ 詳細設定で圧縮率を調整
プロファイルの横にある「レンチ」アイコンをクリックすると、詳細設定画面に移動できます。
ここでは次の設定を見直すことで、圧縮率をコントロールします。
【映像コーデック】タブ
- ビットレート:1000~2500 kbps(動画の長さ・画質によって調整)
- フレームレート:30fpsまたは25fpsに設定
- 解像度:720p(1280×720)などに変更すると軽くなる
【音声コーデック】タブ
- ビットレート:128kbps程度
- サンプリングレート:44100Hz
これらの数値を下げるほど、ファイルサイズは小さくなりますが、画質・音質も落ちるためバランスが大切です。
④ 出力先を指定して「開始」
圧縮後の動画を保存するフォルダとファイル名を指定します。
設定が終わったら「開始」ボタンをクリック。
VLCの再生バーが進行し、圧縮処理が始まります。
進行が完了すると、自動的に変換された動画ファイルが指定フォルダに保存されます。
圧縮効果の確認方法
圧縮が完了したら、元の動画と新しい動画のファイルサイズを比較してみましょう。
Windowsでは動画ファイルを右クリックして「プロパティ」→「サイズ」で確認できます。
同じ動画でも、設定次第で半分以下のサイズになることもあります。
例えば、以下のような効果が得られます。
元動画 | 圧縮後動画 | 圧縮率 |
---|---|---|
500MB | 180MB | 約64%減 |
1.2GB | 400MB | 約67%減 |
高画質のままこれだけ削減できるのは、H.264コーデックの恩恵です。
圧縮の画質を落とさないコツ
圧縮でサイズを減らしつつ、画質をなるべく保つためには次のポイントが重要です。
- ビットレートを極端に下げすぎない
映像の滑らかさが失われ、ブロックノイズが出やすくなります。 - 解像度は必要最小限に
フルHD(1920×1080)→HD(1280×720)にするだけでかなり軽くなります。 - フレームレートを30fpsに固定
60fpsは滑らかですが容量が大きくなるため、一般的な用途なら30fpsで十分です。 - 短い動画は無理に圧縮しない
10秒〜1分の動画は、圧縮しても効果が少なく画質が下がるだけのこともあります。
VLCでの調整はトライ&エラーが基本です。
数パターン試して、最も見た目とサイズのバランスが良い設定を見つけましょう。
VLCで圧縮できない場合の対処法
まれに、圧縮処理が途中で止まる・エラーが出ることがあります。
そんなときは次の点を確認してください。
- VLCが最新バージョンかどうか
- ファイル名やフォルダ名に日本語・特殊文字がないか
- 保存先に十分な空き容量があるか
- コーデック設定を標準(H.264 + MP3)に戻す
それでもうまくいかない場合は、動画変換専用ソフト(HandBrakeなど)と併用するのもおすすめです。
スマホでの動画圧縮はできる?
VLCはスマホ版アプリ(iOS/Android)も提供されていますが、現時点では圧縮・変換機能はPC版限定です。
スマホで圧縮したい場合は、次のような専用アプリを使うと便利です。
- Android:「Video Compressor Panda」
- iPhone:「Video Compressor – ShrinkVid」
それでも、精細な画質調整や複数動画の一括圧縮をしたい場合は、やはりVLC(PC版)のほうが柔軟に設定できます。
VLC以外の無料圧縮ソフトとの比較
ソフト名 | 特徴 | 操作の難易度 |
---|---|---|
VLCメディアプレイヤー | 再生も変換も可能。無料・広告なし。 | 初心者向け |
HandBrake | 高性能で多形式に対応。細かい設定も可能。 | 中級者向け |
Shotcut | 編集+圧縮が可能。UIがわかりやすい。 | 中級者向け |
VLCはあくまで「再生ソフト+簡易圧縮ツール」という位置づけですが、日常的な用途なら十分実用的です。
まとめ|VLCで手軽に動画を小さくしよう
VLCメディアプレイヤーを使えば、無料で簡単に動画を圧縮できます。
複雑な編集ソフトを使わなくても、次の手順で誰でも実践可能です。
- メディア → 変換/保存
- プロファイルを「H.264 + MP3 (MP4)」に設定
- ビットレート・解像度を調整
- 出力先を指定して変換開始
圧縮後の動画はメール共有、オンラインアップロード、スマホ保存など、あらゆるシーンで活用できます。
VLCを活用すれば、「容量が大きすぎて送れない」という悩みもスッキリ解決できます。