PDFを開いたときに「横向きで読みにくい…」「プリントするときに縦向きにしたい」と感じたことはありませんか。PDFは便利な形式ですが、向きが合っていないだけで使いにくさが大幅に増してしまいます。本記事では、PDFを“横向き(ランドスケープ)から縦向き(ポートレート)に変換して保存する方法”を、初心者でもわかりやすい手順で解説します。Adobe Acrobatを使った方法から、無料ツール、ブラウザを使った変換方法まで幅広く紹介します。作業環境に合わせて最適な方法を選べる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
PDFの向きを変換する基本的な考え方
PDFの向きを変換する際には、「表示を回転する」だけでは不十分な場合があります。表示だけ回転しても、再保存すると元の向きに戻ってしまうため、**“ページ自体を回転して保存”**する必要があります。
PDFで向きを変換する操作には主に以下の2種類があります。
- 表示の回転
画面上の見た目だけ回転するが、保存すると元に戻る - ページの回転(永久保存)
ページそのものを回転し、保存後もその向きが維持される
縦向きに確実に変換したい場合は、必ず「ページの回転」を行うことが重要です。
Adobe Acrobatで横向きを縦向きに変換する方法
Adobe AcrobatはPDF編集ツールとしてもっとも信頼性が高く、ページの回転・編集が簡単に行えます。
手順
- Adobe AcrobatでPDFを開く
- 右側のメニューから 「ページを整理」 を選択
- 対象ページをクリックして選択
- 上部メニューの 回転ボタン(左回転・右回転)」をクリック
- 縦向きになるよう回転させる
- 「保存」をクリックして上書き保存
Adobe Acrobatでは複数ページをまとめて回転できるため、横向きの資料が続いている場合でも効率よく編集できます。
特徴
- ページ単位で回転を確実に保存できる
- 編集後のレイアウトが崩れにくい
- 仕事で大量に扱う場合に最適
有料ソフトですが、精度が高く最も確実な方法です。
無料ツールでPDFを縦向きにする方法(ブラウザだけでOK)
Adobe Acrobatがなくても、無料でPDFを回転させて保存できるオンラインツールが多数あります。
代表的な無料ツール
- Smallpdf(https://smallpdf.com/jp/rotate-pdf)
- iLovePDF(https://www.ilovepdf.com/ja/rotate_pdf)
- PDF Candy
これらのツールは、PDFをアップロードし、回転させて保存するだけなので非常に簡単です。
手順(例:Smallpdf)
- Smallpdfの「PDF 回転」ページを開く
- 横向きPDFをアップロード
- 画面上でページを選択し、 回転ボタンをクリック
- 縦向き(ポートレート)になったら 「適用」 をクリック
- 変換後のPDFをダウンロードして保存
特徴
- ソフトをインストールする必要がない
- 無料で簡単に縦向きPDFに変換できる
- スマホからでも利用可能
ただし、機密書類や個人情報を含むPDFはオンラインツールの使用を避けることをおすすめします。
Windows標準機能+ブラウザでPDFの向きを変換する方法
ソフトを追加で購入したりインストールしたりしたくない場合は、ブラウザでもPDFの向きを変換できます。
Google Chromeを使う方法
- ChromeでPDFを開く
- 画面右上の印刷アイコンをクリック(Ctrl + Pでも可能)
- 「送信先」を 「PDFに保存」 に変更
- 「レイアウト」を 縦向き に設定
- プレビューで向きを確認
- PDFとして保存 をクリック
「印刷機能」を利用してPDFを縦向きに強制変換する方法です。
特徴
- 追加ソフト不要
- 縦向きに出力すればそのまま保存できる
- 少しズーム設定が必要な場合あり
PDFの内容によっては余白が変わることがありますが、手軽に縦向き化したいときに便利です。
MacでPDFを縦向きに変換する方法(プレビュー.app)
Macユーザーは標準搭載の「プレビュー」アプリで簡単に縦向きへ変換できます。
手順
- 「プレビュー」でPDFを開く
- サイドバーにページ一覧を表示
- 回転したいページを選択
- 画面上部の 回転アイコン をクリック
- 縦向きになったら「ファイル」→ 保存
特徴
- Mac標準機能のみで変換可能
- ページごとの回転が直感的
- 編集後のPDFがそのまま保存される
Mac環境では最も手軽な方法です。
スマホでPDFを縦向きに変換する方法(iPhone/Android)
スマホでも無料アプリを使うことでPDFの向きを変更し保存できます。
iPhone向けアプリ
- Adobe Acrobat Reader
- PDF Expert
- iLovePDFアプリ
Android向けアプリ
- Xodo PDF Reader
- Adobe Acrobat Reader
- PDF Tools系アプリ
基本的な操作手順
- アプリでPDFを開く
- 「編集」または「ページ」メニューを選択
- ページ回転を実行
- 上書き保存または別名保存
スマホでサッと編集したいときに便利ですが、大量ページの処理にはパソコンのほうが向いています。
PDFを縦向きに変換する際の注意点
PDFを回転して保存する場合、いくつか注意すべきポイントがあります。
① 表示回転は保存されないことが多い
必ず「ページの回転」を選ぶ。
② セキュリティがかかっているPDFは編集不可
パスワード付きPDFは編集制限がある場合がある。
③ オンラインツール使用時の情報流出に注意
機密文書はAdobe Acrobatやオフラインソフトを利用する。
④ 印刷レイアウトが崩れる場合がある
試しに1ページだけテスト保存するのがおすすめ。
PDFを縦向きに変換できないときの対処法
まれに変換操作がうまくいかないケースがあります。
解決策一覧
- 別のPDF編集ツールを利用する
- PDFを一度画像(JPEG)に変換し、再度PDF化する
- 印刷→PDF保存で強制縦向きに変換する
- PDFのセキュリティ設定を確認する
- PDF自体が縦・横混在の場合はページごとに調整する
特に「画像PDF」の場合は、画像として縦向きに回転して再PDF化する方法が確実です。
まとめ:PDFの向き変換は目的に合わせた方法を選べば簡単
PDFを横向きから縦向きに変換する方法は、無料ツールからAdobe Acrobatまでさまざまです。
最も簡単:
→ オンラインツール(Smallpdf / iLovePDF)
最も確実:
→ Adobe Acrobatで「ページの回転」を保存
追加ソフトなし:
→ Chromeの印刷機能で「縦向きPDFに保存」
Macなら:
→ プレビューアプリで回転して保存
用途や作業環境に合わせて最適な方法を選ぶことで、PDFはもっと扱いやすくなります。横向きPDFで困っている人は、ぜひ本記事の方法を試してみてください。PDFの向きを整えるだけで、資料の閲覧・印刷の効率が大きく向上します。
