PDFファイルをメール添付しようとしたら「容量オーバーで送れない」と表示された経験はありませんか。PDFは画像や図表を含むと一気にサイズが大きくなり、共有の妨げになることがあります。そこで便利なのが“PDF圧縮”。専用ツールを使えば、画質をなるべく保ちながら容量だけを小さくすることができます。本記事では、無料で使えるオンライン圧縮ツール、Adobe Acrobatを使った本格的な圧縮方法、Windows・Macでの標準機能を使った方法まで、PDFを軽くする7つのテクニックを詳しく解説します。今日からストレスなくPDFを扱えるようになりましょう。
PDF圧縮とは？基本の仕組みをわかりやすく解説
PDF圧縮とは、画質や内容を極力保ちながらファイル容量を小さくする作業のことです。PDFが重くなる理由は、主に画像データの大きさや、フォント・注釈・メタデータなどの情報量が多いことに起因します。
圧縮には「可逆圧縮」と「非可逆圧縮」があり、多くのPDF圧縮サービスは非可逆圧縮方式を採用しています。これは、画像解像度を下げたり余分なデータを削除することでサイズを下げる方法です。
圧縮を行うメリットは以下の通りです。
- メール添付時に容量制限をクリアしやすくなる
- クラウド保存の容量を節約できる
- Webサイトにアップする際の読み込み速度が向上する
- スマホでの表示が軽くなり、閲覧性が上がる
これらの理由から、ビジネスでもプライベートでもPDF圧縮のスキルは必須と言えます。
方法① オンラインツールを使って簡単にPDFを圧縮する
インストール不要で手軽に使えるのが、オンライン圧縮ツールです。ブラウザ上でPDFをアップロードするだけで圧縮を行えるため、多くの場面で重宝します。
代表的なオンラインツール
- Smallpdf
直感的な操作で初心者にも最適。圧縮率を2段階から選べる。 - iLovePDF
まとめて圧縮ができ、PDF結合や分割など他の編集機能も豊富。 - Adobe Acrobat Web
Adobe公式のオンラインツールで画質を保ちながら圧縮可能。
メリット
- すぐ使える
- 無料で圧縮できる
- 画質と容量のバランスが良い
デメリット
- インターネット環境が必要
- 機密情報のPDFはアップロードしづらい
オンラインツールは「急ぎで圧縮したい」「複雑な設定なしで済ませたい」という方に最適です。
方法② Adobe Acrobat Proを使った高品質なPDF圧縮
仕事でPDFを扱う機会が多い人に最もおすすめなのが Adobe Acrobat Pro です。業界標準ツールとして、圧縮品質が非常に高いことが特徴です。
操作手順
- Adobe Acrobat Pro を起動
- 圧縮したいPDFを開く
- 「ファイル」→「その他の形式で保存」→「サイズを縮小したPDF」
- 互換性のバージョンを選択
- 保存をクリック
また、さらに細かい設定をしたい場合は「PDF最適化」機能を利用します。
主な設定項目
- 画像の解像度調整
- 使用していないフォントデータの削除
- リンク・注釈の最適化
- メタデータの削除
高画質を保ちつつ圧縮できるため、プレゼン資料・公式文書・契約書など、画質が重要なPDFに最適です。
方法③ Macの「プレビュー」アプリでPDFを圧縮する
Macユーザーであれば、標準アプリ「プレビュー」を使ってPDFを圧縮できます。
手順
- PDFを「プレビュー」で開く
- 「ファイル」→「書き出す」
- Quartz フィルタ →「Reduce File Size（ファイルサイズを縮小）」を選択
- 保存
非常に簡単ですが、注意点として「画質が大きく低下する場合がある」点が挙げられます。特に画像多めの書類では画質チェックを行いましょう。
方法④ WindowsでPDFを圧縮する方法（標準機能＋無料ソフト）
Windowsには直接PDF圧縮機能はありませんが、次のような方法で代用できます。
● 印刷で「Microsoft Print to PDF」を利用する
- PDFを開く
- 「印刷」を選択
- プリンタに「Microsoft Print to PDF」を指定
- 出力
不要な情報が削除され、容量が軽くなることがあります。ただし、高度な圧縮ではありません。
● 無料ソフトを使う
- PDF Compressor
- PDF Reducer
- PDF24 Tools（デスクトップ版もあり）
Windowsユーザーは、これらを組み合わせて効率よく圧縮できます。
方法⑤ 画像が原因でPDFが重い場合の対処法
PDFが重い最大の理由は「高解像度の画像」です。画像を含むPDFの圧縮では、以下のポイントを押さえると効果的です。
● 圧縮のコツ
- 300dpi → 150dpi 程度に落とす
- PNGよりJPGを優先する
- カラー → グレースケールにする
- 大きな写真は先に画像編集ソフトでリサイズ
これを行うだけで、PDFサイズが1/10になることもあります。
方法⑥ スマホアプリでPDFを圧縮する
外出先でPDFを扱う場合はスマホアプリが便利です。
● iPhoneアプリ例
- Adobe Acrobat Reader
- PDF Expert
- Smallpdf
● Androidアプリ例
- iLovePDF
- PDF Utils
スマホ版でも画質をある程度保ちながら容量削減が可能です。外出先で資料を送る際に役立ちます。
方法⑦ セキュリティが必要なPDFを安全に圧縮する方法
社外秘資料や個人情報を含むPDFをオンラインにアップロードするのはリスクがあります。その場合は次の方法が有効です。
● オフラインツールを使用する
- Adobe Acrobat Pro
- PDF24 Desktop
- PDF Compressor（ローカル処理に対応）
● 情報を削除してサイズを軽くする
- メタデータの削除
- 使われていないフォントの削除
- 埋め込み画像の解像度調整
安全な環境で圧縮することで、情報漏えいのリスクを回避できます。
圧縮後のPDFをチェックするべき3つのポイント
圧縮できたら、以下を必ず確認しましょう。
① 文字がつぶれていないか
低解像度にすると読めない文字が出る場合があります。
② 図・グラフの判読性が保たれているか
特にプレゼン資料や報告書では重要です。
③ レイアウトが崩れていないか
圧縮方法によっては微妙に配置が変わることがあります。
用途によって許容範囲は異なるため、最終チェックは必須です。
まとめ：目的に合わせて最適な圧縮方法を選ぼう
PDF圧縮にはさまざまな方法があり、どれが最適かは目的によって変わります。
- とにかく早く圧縮したい → オンラインツール
- 仕事で使う高品質なPDFが必要 → Adobe Acrobat Pro
- Macで簡単に圧縮したい → プレビュー機能
- 画像が多い資料を軽くしたい → 画像の解像度調整
- 機密情報を扱う → オフラインツール
PDF圧縮スキルを身につけておくことで、ファイル共有がスムーズになり、業務の効率も大きく向上します。ぜひ今回紹介した方法を実践し、あなたのPDF管理をさらに快適なものにしてください。