Wordの「校閲」機能は、文書のチェックや共同作業において非常に役立つ便利なツールです。特に、誤字脱字の修正や文章の変更履歴の記録、他者とのコメントのやり取り、さらには複数バージョンの比較など、文書の完成度を高める機能が多数備わっています。
本記事では、Wordの「校閲」タブにある主要機能の使い方をわかりやすく解説します。初めて校閲機能を使う方から、チームでの文書レビューに活用したい方まで、この記事を読めば一通りの操作がマスターできるようになります。
校閲機能とは?基本的な役割とメリット
Wordの校閲機能とは、文書の内容を確認・修正・コメントしながら、他のユーザーとスムーズに共有・編集するための機能群です。
主な機能
- スペルチェックと文法チェック
- コメント挿入
- 変更履歴の記録(変更の記録)
- 文書の比較・結合
- 翻訳機能
これらを活用することで、誤りの少ないプロフェッショナルな文書作成が可能になります。
スペルチェックと文法チェックの使い方
まずは校閲の基本、「スペルチェック」と「文法チェック」の使い方から見ていきましょう。
操作方法
- Wordを開き、校閲したい文書を表示
- 上部リボンの「校閲」タブをクリック
- 「スペルチェックと文法」を選択(または「エディター」)
- Wordが自動的に文書全体をチェックし、問題がある箇所を提案
問題のある単語や文法構造があれば、訂正候補が右側に表示され、「変更」や「無視」を選べます。言語設定を日本語または英語に切り替えることで、対象に応じた校正が可能です。
コメント機能で指摘・相談をスムーズに
Wordでは文章の一部を選択してコメントを追加することで、他のユーザーとの意見交換ができます。編集作業やレビュー時に便利な機能です。
コメントの追加方法
- コメントを付けたい箇所をドラッグして選択
- 「校閲」タブから「新しいコメント」をクリック
- 右側に吹き出しが表示され、コメントを入力
コメントの操作
- 「返信」ボタンを使えば、コメントに対してスレッド形式で意見を重ねられます
- 「コメントの削除」で不要なコメントを削除できます
コメントは最終的に文書から削除できますが、レビュー中は重要な指摘ややり取りの記録として活用できます。
変更履歴の記録で誰が何を修正したか確認
複数人で同じ文書を編集する際に便利なのが、「変更履歴」機能(変更の記録)です。この機能を有効にしておくと、削除・追加・書き換えなどの修正が履歴として残り、誰が何を編集したかがひと目でわかります。
変更履歴の有効化
- 「校閲」タブを開く
- 「変更履歴」→「変更の記録」をオン
変更された部分は赤い下線や吹き出しで表示され、どこが修正されたか明確に分かります。
承諾・却下の使い方
- 「承諾」:提案された変更を採用
- 「却下」:提案を元に戻す
「すべて承諾」や「すべて却下」も可能なので、大量の変更にも柔軟に対応できます。
文書の比較と結合で差分をチェック
2つのWord文書の違いを確認したいときに便利なのが、「比較」と「結合」機能です。これは、レビュー用の文書と元の文書を突き合わせて差分を自動で検出してくれる機能です。
比較の使い方
- 「校閲」タブ →「比較」→「文書の比較」
- 元の文書と変更後の文書を指定
- 比較結果が新しい文書として表示され、差分がわかりやすく表示される
結合の使い方
- 同じ文書の複数のバージョンをまとめて一つにできます
- 共同編集者が別々に修正した文書をまとめる際に便利
これにより、誤って上書きするリスクを減らし、変更点を視覚的に確認できます。
翻訳機能で文章を他言語に変換
Wordの校閲タブには翻訳機能も搭載されています。英語や中国語などに簡単に訳すことが可能で、海外とのやりとりや多言語資料の作成に役立ちます。
翻訳の使い方
- 翻訳したい文や単語を選択
- 「校閲」タブ →「翻訳」→「選択したテキストの翻訳」
- 右側に翻訳結果が表示される
Microsoft Translatorを使っているため、インターネット接続が必要ですが、簡単に精度の高い翻訳が得られます。
校閲作業の効率を上げるコツ
校閲作業を効率化するためのポイントを紹介します。
- 文書保護を使う:誤って変更されたくない部分に制限をかける
- レビュー機能を限定する:コメントのみ許可など、編集範囲を限定できる
- ショートカットキー活用:例:Ctrl + Alt + M でコメント追加
- 変更箇所の一覧を印刷表示:校閲リストを印刷し、紙で確認することも可能
まとめ:校閲機能を使いこなして、より良い文書作成を
Wordの校閲機能を使いこなせば、文章の誤りを減らすだけでなく、複数人での編集もスムーズに進めることができます。
コメントでのやり取りや、変更履歴による修正確認、翻訳や比較機能による多様な活用まで、校閲タブはビジネスでも学習でも強い味方になります。最初はシンプルな機能から使い始めて、少しずつ応用範囲を広げていくのがコツです。
ぜひ、日常の文書作成にWordの校閲機能を取り入れてみてください。文章の品質が一段と高まり、業務効率も向上します。