Outlookでメールを開いたときに、文字が「□」や「�」のように表示されて読めないことはありませんか。
これは「文字化け」と呼ばれる現象で、文字コードやエンコード設定が原因で起こることが多いです。
特に、海外からのメールや古いシステムを利用した送信元からのメールでは頻発します。
この記事では、Outlookで受信メールが文字化けする主な原因と、初心者でも簡単にできる解決方法を詳しく解説します。
Outlookで文字化けが起こる主な原因
文字化けの多くは「文字コード(エンコード)」の不一致によって起こります。
文字コードとは、コンピューターが文字を認識するための規則のようなもので、日本語では主に「UTF-8」「ISO-2022-JP」「Shift_JIS」などが使われています。
Outlookで文字化けが発生する原因には次のようなものがあります。
- 送信者が異なる文字コードでメールを送っている
- メールサーバーがエンコードを正しく処理できていない
- Outlook側の文字コード設定が自動認識できていない
- 古いOutlookや他のメールソフトとの互換性の問題
- HTML形式やリッチテキスト形式で送られたメールが正しく解釈されていない
特に企業内でシステムを通して送られる自動メールや、海外の取引先から届くメールで起こりやすい現象です。
Outlookでの文字化けを一時的に修正する方法
もし受信したメールが文字化けして読めない場合は、まず以下の手順を試してみましょう。
- Outlookを開き、文字化けしたメールを選択
- 上部メニューから「表示」→「エンコード」→「その他のエンコード」をクリック
- 「日本語(自動選択)」または「日本語(JIS)」を選びます
- それでも直らない場合は、「UTF-8」や「Shift_JIS」などを順に試してみましょう
この方法はメールの表示方法を一時的に変更するもので、メール内容自体を変えるものではありません。
一時的に正しく表示されるようになりますが、次に同様のメールを受け取る際には再度設定が必要な場合があります。
根本的な解決策:Outlookの文字コード設定を変更する
毎回手動で設定を変えるのが面倒な場合は、Outlookのデフォルト設定を変更しておくと便利です。
設定変更手順(Outlook 2021 / Microsoft 365の場合)
- Outlookを起動し、「ファイル」→「オプション」を開きます。
- 左メニューから「詳細設定」を選択します。
- 「国際オプション」セクションを探します。
- 「送信メッセージのエンコード方式」を「日本語(JIS)」または「UTF-8」に変更します。
- 「受信メッセージのエンコード方式」も同様に設定します。
- 設定後、「OK」をクリックして保存します。
これで今後受信するメールの文字コードを自動的に正しく認識できる可能性が高くなります。
HTML形式メールの文字化け対策
HTML形式のメールは、テキスト形式よりも装飾が多く、画像やフォント情報を含んでいます。
そのため、HTMLメールが文字化けする場合は以下のような追加対処を試しましょう。
- 「表示」メニューで「メッセージのソース」を開き、
charset=の設定を確認 - 例えば「charset=iso-2022-jp」と書かれていれば、Outlook側でも同じエンコードを指定する
- HTMLメールの受信を「テキスト形式に変換」する設定に変更する
また、Outlookの「信頼できる送信元リスト」や「セキュリティ設定」が原因でHTMLの一部がブロックされていることもあります。
その場合は、該当メールの送信者を信頼できる差出人として登録しておきましょう。
送信時の文字化けを防ぐポイント
自分が送信するメールが相手側で文字化けしないようにするための設定も重要です。
- メール作成画面で「形式」を「テキスト形式」または「HTML形式(UTF-8)」にする
- 「オプション」→「メッセージの形式」で文字コードを「UTF-8」に指定
- 署名やテンプレートに全角特殊文字(例:「①」「㈱」「~」など)を使わない
- 添付ファイルのファイル名も半角英数字で統一
特に企業メールでは、受信側のシステムが古い場合にUTF-8で送信すると文字化けが起こるケースがあります。
相手先が国内企業なら「ISO-2022-JP」にしておくと安全です。
メールサーバーや転送設定が原因のケース
文字化けはOutlookだけでなく、途中経路にあるメールサーバーや転送設定でも発生します。
例えば以下のようなケースです。
- GmailやYahoo!メールを経由してOutlookに転送している
- 会社のメールサーバーで文字コードが変換されている
- メールゲートウェイで添付ファイルの処理時に本文が書き換えられている
この場合は、他の端末(スマホやWebメール)でも同じように文字化けしていないか確認してください。
もしOutlookだけで発生しているなら、Outlookの設定が原因。
他の端末でも同じであれば、サーバー側に原因があると考えられます。
エンコード変更でも直らないときの主な原因と対応策
① メールの形式が破損している
受信したメールの本文データ自体が破損しているケースがあります。
これは、途中のサーバーでデータ変換がうまくいかなかった場合などに起こります。
対応策:
- 同じメールをWebメール(Outlook.com や Gmail経由など)で開いてみてください。
→ Web上では正しく表示されることがあります。 - 他の端末(スマホや別のPC)で同じメールを確認してみるのも有効です。
→ 他では読める場合、Outlookのローカルキャッシュが破損している可能性があります。
② Outlookのデータファイル(PST/OST)の破損
長年Outlookを使用している場合、メールを保存しているPSTやOSTファイルが破損していることがあります。
この破損によってメール本文の一部が正常に解釈されず、エンコード変更でも改善されないことがあります。
対応策:
- Outlookを終了する。
- Windowsの「検索」で
scanpst.exeを探す。 - 該当ファイルを起動し、PSTファイル(またはOST)を指定して修復。
- 修復完了後、Outlookを再起動して文字化けメールを再確認。
※scanpst.exeはOutlookに標準で付属する「受信トレイ修復ツール」です。
③ HTMLメールのタグが壊れている
HTML形式のメールで、タグ構造やcharset指定が途中で欠落していると、Outlookが文字コードを正しく判断できません。
この場合、Outlookのエンコード設定を変えても意味がないことがあります。
対応策:
- メールを右クリック → 「メッセージのソースを表示」を選択。
- HTMLソース内に
<meta charset="UTF-8">またはContent-Type: text/html; charset=iso-2022-jpのような行があるか確認。 - もし欠落している・異なる指定がある場合は、ソースをコピーしてメモ帳やNotepad++に貼り付け、手動でエンコードを変換して確認します。
④ Outlookのアドインやセキュリティソフトが干渉している
セキュリティソフトやアドインがメール本文をスキャン・再構築している場合、HTMLタグが書き換えられ、文字化けが起こることがあります。
対応策:
- Outlookを「セーフモード」で起動します。
→Win + Rを押して「outlook /safe」と入力しEnter。 - セーフモードで文字化けが直る場合、アドインが原因です。
- 「ファイル → オプション → アドイン」から不要なアドインを無効化します。
⑤ 送信元のシステムが原因(エンコードの誤設定)
社内システムや海外サイトから送られたメールは、送信側のエンコード指定が誤っていることもあります。
この場合、受信側ではどうしても正しく復元できません。
対応策:
- 送信元に「メール本文が文字化けしている」と伝え、
「UTF-8」または「ISO-2022-JP」で送信するよう依頼する。 - 同じ送信元のメールが毎回文字化けするなら、テンプレートやシステム設定を修正してもらう必要があります。
⑥ Outlookプロファイルの破損
Outlookのユーザープロファイル(アカウント設定)が壊れていると、特定メールだけでなく全体的に不具合が出ることもあります。
対応策:
- 「コントロールパネル」→「メール」→「プロファイルの表示」
- 「追加」で新しいプロファイルを作成
- メールアカウントを再設定し、受信メールを再ダウンロード
新しいプロファイルで問題が解消されれば、旧プロファイルの破損が原因です。
⑦ メールサーバーや転送設定の問題
他のメールアドレスを経由してOutlookに転送している場合、途中のサーバーで文字コード変換が行われることがあります。
特に、Gmail → Outlook転送の組み合わせで発生することが多いです。
対応策:
- 転送設定を一時的に解除し、直接Outlookで受信してみる。
- Web版(GmailやOutlook.com)で同じメールを開いて確認。
→ Webでは正常に読める場合、Outlookデスクトップ版の処理が原因。
それでもダメな場合の「最終救済方法」
どうしても読めない場合、メール本文をテキストとして取り出し、文字コードを変換して読むことができます。
手順:
- Outlookで該当メールを開く
- 「ファイル → 名前を付けて保存」→ ファイルの種類を「テキスト(.txt)」に変更
- 保存したファイルを「Notepad++」や「秀丸エディタ」で開く
- 「文字コード」メニューから「UTF-8」「Shift_JIS」「EUC-JP」などを切り替えながら確認
この方法なら、Outlookが正しく処理できなかった文字も確認できる可能性があります。
