エクセルでできる!備品管理の効率化テクニック|テンプレート例と運用ポイントを徹底解説

会社や部署で使う文房具、パソコン、工具、備品類を管理する際、最も手軽に始められる方法が「エクセルを使った備品管理」です。特別なソフトを導入しなくても、Excelだけで在庫数の確認や貸出状況の管理、入出庫履歴の把握まで行えます。しかし、作り方や管理方法を間違えると「更新漏れ」「情報の重複」「どれが最新かわからない」など、混乱を招く原因にもなります。
この記事では、エクセルで備品管理を行う際のポイント、実際に使えるテンプレート例、効率的な運用方法、よくある失敗と改善策をわかりやすく解説します。
あなたの職場でも今日から使える実用的なノウハウばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。


目次
  1. エクセルで備品管理を行うメリット
    1. ① 導入コストがゼロ
    2. ② カスタマイズ性が高い
    3. ③ どの部署でも共有しやすい
    4. ④ 小規模〜中規模なら十分対応できる
  2. 備品管理表に入れるべき項目一覧
    1. 【基本的な項目例】
  3. 備品管理のExcelテンプレート例(構成・レイアウト解説)
    1. ① メイン管理表(備品一覧)
      1. ★ポイント
    2. ② 貸出管理表(貸出・返却の履歴)
      1. ★ポイント
    3. ③ 在庫数の自動カウント(式で自動計算)
      1. ●COUNTIF で数量カウント
      2. ●VLOOKUP / XLOOKUPで詳細を自動表示
  4. エクセル備品管理の運用ルール|これだけは決めておくべき
    1. ① 管理番号は必ず付与する(重複禁止)
    2. ② 貸出時・返却時は必ず更新する
    3. ③ 定期点検日を決める
    4. ④ シートは複製してバックアップを残す
  5. 備品管理でよくある失敗と対策
    1. ① 情報が更新されず古いままになる
      1. 【対策】
    2. ② ファイルが複数できてどれが最新かわからない
      1. 【対策】
    3. ③ 担当者が変わると管理が崩壊する
      1. 【対策】
  6. Excel備品管理をもっと便利にするテクニック
    1. ① 貸出中の備品を色付きで表示(条件付き書式)
    2. ② QRコードで管理する
    3. ③ ピボットテーブルでデータを見える化
  7. エクセル備品管理をやめるべきタイミング
    1. ・備品数が500点を超えた
    2. ・貸出履歴が毎日大量に発生する
    3. ・複数部署で同時編集することが多い
    4. ・棚卸しの作業時間が長すぎる
  8. まとめ

エクセルで備品管理を行うメリット

エクセルは誰でも使える便利なツールであり、備品管理にも最適です。まずはエクセルで管理するメリットを確認しておきましょう。

① 導入コストがゼロ

Excelはほとんどの職場で標準的にインストールされているため、新たなソフトを購入する必要がありません。
追加費用がかからず、すぐに運用を始められます。

② カスタマイズ性が高い

備品の種類や管理内容は会社によって異なります。
エクセルならカラムを自由に追加したり、計算式を入れたり、フィルターで絞り込んだり、オリジナルの管理表を作れます。

③ どの部署でも共有しやすい

OneDrive、SharePoint、Googleドライブなどに保存すればリアルタイムで編集できます。
複数人での備品管理に強いのも大きな魅力です。

④ 小規模〜中規模なら十分対応できる

備品数が数十〜数百点程度であれば、エクセルで十分管理が可能です。
中規模の企業でも、年間の入出庫がそこまで多くない場合はExcelで問題なく運用できます。


備品管理表に入れるべき項目一覧

備品管理で最も重要なのは「必要な情報が漏れなく、かつ重複せず管理できること」です。
基本項目は以下の通りです。

【基本的な項目例】

項目内容
備品名文房具・PC・工具など
管理番号一意の番号。重複を防ぐ鍵
種別カテゴリ(パソコン、椅子、ヘルメットなど)
購入日購入した日付
購入金額経費計上にも便利
メーカー / 型番品質管理や保証で必要
保管場所どこにあるか
使用者名誰が使っているか
状態新品・良好・劣化・修理中など
入出庫履歴使用状況の追跡
備考個別の注意点

特に重要なのは「管理番号」と「保管場所」。
この2つが曖昧だと探す手間が増え、不明・紛失が頻発してしまいます。


備品管理のExcelテンプレート例(構成・レイアウト解説)

ここでは、エクセルで作る備品管理表の具体的な形を紹介します。
そのまま真似するだけで、すぐに実務で使えるテンプレートです。


① メイン管理表(備品一覧)

シート名:備品一覧

管理番号備品名種別購入日金額メーカー型番保管場所使用者状態備考

★ポイント

  • 管理番号はユニークにする(例:PC-001)
  • フィルターを設定し、検索しやすくする
  • 状態にドロップダウンを設定(データの入力規則)
  • 購入日のセルを日付形式に統一

② 貸出管理表(貸出・返却の履歴)

シート名:貸出状況

日付管理番号使用者名目的貸出 / 返却備考

★ポイント

  • 入出庫を記録することで、過去の履歴を追跡できる
  • ピボットテーブルを作れば「誰が多く借りているか」が一目でわかる

③ 在庫数の自動カウント(式で自動計算)

必要に応じて、こんな数式を使います。

●COUNTIF で数量カウント

=COUNTIF(備品一覧!C:C,"マウス")

指定した種類の在庫数を自動で数えることができます。

●VLOOKUP / XLOOKUPで詳細を自動表示

貸出シートで管理番号を入力すると、備品名や保管場所が自動で表示されるようにできます。

例:

=XLOOKUP(B2,備品一覧!A:A,備品一覧!B:B,"")

これにより、入力作業が大幅に効率化されます。


エクセル備品管理の運用ルール|これだけは決めておくべき

Excelで備品管理が失敗する原因の多くは「運用ルールが曖昧」なことです。
以下のルールを必ず決めておきましょう。


① 管理番号は必ず付与する(重複禁止)

番号が無いと同じ製品が複数存在する場合に混乱します。
例:

  • PC-001
  • PC-002
  • CHR-001(椅子)
  • STP-001(ステープラー)

アルファベット × 通し番号が最も使いやすい形式です。


② 貸出時・返却時は必ず更新する

更新漏れを防ぐための仕組みづくりが大切です。

  • 貸出は原則本人が記載
  • 返却時に管理担当がチェック
  • 更新したらExcelの変更履歴も残す

③ 定期点検日を決める

備品は劣化します。
特に会社でよく使う備品(PC、ヘルメット、工具など)は定期チェックが必須です。

例:

  • 毎月初めにPC台数の確認
  • 毎年4月に備品棚卸し
  • 破損品のリスト化と交換申請

④ シートは複製してバックアップを残す

Excelは上書きミスが起きやすいツールです。
最低でも週1回はバックアップを作っておきましょう。


備品管理でよくある失敗と対策

Excel管理で起きやすいトラブルをまとめました。


① 情報が更新されず古いままになる

原因:みんなが手間だと思っているから

【対策】

  • 入力しやすくする(ドロップダウン・自動入力など)
  • 記入者を限定する
  • ルールを簡略化して「1分で記入できる状態」にする

② ファイルが複数できてどれが最新かわからない

【対策】

  • OneDrive / SharePoint に保存し「常に1つ」を運用
  • ファイル名に日付を入れない(重複を避けるため)
  • 編集者を制限する

③ 担当者が変わると管理が崩壊する

Excelは属人化しやすいという課題があります。

【対策】

  • 管理マニュアルを作る
  • シートに説明文をつける
  • 引き継ぎファイルを残す

Excel備品管理をもっと便利にするテクニック

ここでは、さらに管理を効率化するためのテクニックを紹介します。


① 貸出中の備品を色付きで表示(条件付き書式)

例:「状態」列が「貸出中」の行を赤色にする

条件付き書式 → 新しいルール → ルール式に

=$J2="貸出中"

色を変更すれば、視覚的に把握しやすくなります。


② QRコードで管理する

管理番号をQRコードにするとスマホで読み取って更新できます。

エクセルでもQRコードは作成可能(アドインを利用)。
管理効率が一気に上がります。


③ ピボットテーブルでデータを見える化

分析項目の例:

  • 種別ごとの台数
  • 部署ごとの備品利用数
  • 劣化状態の備品一覧

月次報告や棚卸しの資料にも使えて便利です。


エクセル備品管理をやめるべきタイミング

Excelは便利な反面、限界もあります。
下記のような状態になったら、専用の備品管理システムの導入を検討すべきです。

・備品数が500点を超えた

・貸出履歴が毎日大量に発生する

・複数部署で同時編集することが多い

・棚卸しの作業時間が長すぎる

こうしたケースではExcelでは対応が難しくなり、
クラウド型の備品管理ツールの方が効率的です。


まとめ

エクセルによる備品管理は、
「無料で始められる」「誰でも使える」「自由にカスタマイズできる」
という大きなメリットがあります。

しかし、その一方で

  • 更新漏れ
  • ファイルが乱立
  • 属人化
  • 記入の手間

といった課題も生まれやすいため、
運用ルールを明確にし、使いやすい表を作ることが成功のポイントです。

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