Excelグラフの系列(Series)を操る!基本から応用まで徹底解説

Excelでグラフを作成すると、データの「系列(Series)」という言葉をよく見かけます。特に複数のデータを比較する棒グラフや折れ線グラフでは、Series(系列)の設定が正しくできていないと、グラフが意図通りに表示されません。

この記事では、Excelの「系列(Series)」の基本的な概念から、グラフ内での編集方法、関数としての活用法、さらには応用テクニックまで、初心者でもわかりやすく解説していきます。グラフ作成でつまずいた方や、もっと見やすく・正確にグラフを作成したい方におすすめの内容です。


SERIESとは?Excelにおける「系列」の基本

Excelの「系列(Series)」とは、グラフで表示される1つのデータのまとまりを指します。たとえば、棒グラフで「売上」「利益」「コスト」といった複数の項目を表示する場合、それぞれが1つの「系列」となります。

グラフはこの「系列」をもとに視覚化されており、適切に設定・編集することで、より意味のあるグラフが作成できます。

  • 横軸(X軸):カテゴリ軸
  • 縦軸(Y軸):値軸
  • 系列:Y軸に対応する複数のデータ群

SERIESの構文と意味

グラフのデータ系列は、Excelの内部的には「SERIES関数」として構成されています。これは、グラフの「データの選択」画面や数式バーで確認できます。

たとえば、以下のような式です。

=SERIES(“売上”,Sheet1!$A$2:$A$13,Sheet1!$B$2:$B$13,1)

それぞれの引数の意味は以下の通りです。

  1. 名前(”売上”):凡例に表示される系列名
  2. X軸(Sheet1!$A$2:$A$13):横軸(カテゴリ)の範囲
  3. Y軸(Sheet1!$B$2:$B$13):縦軸(値)の範囲
  4. 順序(1):系列の表示順序

これを手動で編集することで、グラフの内容を柔軟に変更することができます。


SERIESの確認方法と編集方法

グラフをクリックすると、Excelのリボンに「グラフツール」が表示されます。ここから「データの選択」→「系列の編集」を選ぶことで、各系列の情報を確認・編集できます。

編集手順:

  1. グラフを選択
  2. リボンの「グラフデザイン」タブ →「データの選択」
  3. 「凡例項目(系列)」で該当する系列を選択
  4. 「編集」ボタンをクリック
  5. SERIES関数の構文が表示され、ここで範囲を変更可能

複数系列のグラフを作成する方法

複数の系列を一つのグラフに表示することで、比較しやすいグラフが作れます。以下は手順です。

手順例:

  1. データを縦に並べる(列で比較する場合) cssコピーする編集するA列:月 B列:売上 C列:利益
  2. A1~C13の範囲を選択
  3. 挿入 →「おすすめグラフ」または「折れ線グラフ」などを選択

これで、「売上」と「利益」が別々の系列として表示されます。


SERIESを使って動的グラフを作るテクニック

グラフの系列に「名前付き範囲」や「OFFSET関数」「INDIRECT関数」を使うことで、動的に変化するグラフを作成することが可能です。

例:OFFSET関数と名前定義を使った動的グラフ

  1. 名前付き範囲にOFFSET関数を使って範囲を定義:名前:売上範囲 数式:=OFFSET(Sheet1!$B$2,0,0,COUNTA(Sheet1!$B:$B)-1)
  2. グラフの系列編集で、Y軸に「=Sheet1!売上範囲」を指定

これにより、データが追加されても自動で範囲が拡張され、グラフが更新されるようになります。


SERIESに関数を直接使うことはできるか?

SERIES関数は通常のワークシートでは使えません。数式バーで入力してもエラーになります。これはグラフ内の構成要素を記述する内部関数のようなものだからです。

しかし、SERIESの構造を理解しておくことで、グラフの構成を手動で編集したり、マクロ(VBA)で制御する際にも役立ちます。


VBAでSERIESを操作する方法

Excel VBAでは、グラフ内のSeriesをオブジェクトとして扱い、柔軟に変更できます。

Sub グラフの系列変更()
Dim cht As Chart
Set cht = ActiveSheet.ChartObjects("グラフ 1").Chart

cht.SeriesCollection(1).Values = Sheet1.Range("B2:B13")
cht.SeriesCollection(1).XValues = Sheet1.Range("A2:A13")
cht.SeriesCollection(1).Name = "=""売上"""
End Sub

このようにすれば、プログラムからグラフの系列データを動的に更新できます。


SERIESの応用:複合グラフで系列ごとに種類を変える

「売上」は棒グラフ、「利益率」は折れ線グラフのように、1つのグラフ内で系列の種類を変えることができます。

手順:

  1. グラフを右クリック →「系列の種類の変更」
  2. 該当する系列を「折れ線」や「棒」に変更
  3. 必要に応じて「第2軸を使用する」にチェック

これにより、複雑な比較グラフもわかりやすく作成できます。


まとめ

Excelのグラフにおける「SERIES(系列)」は、単なるデータの列以上に、グラフを構成する重要な要素です。SERIESの構造と役割を理解することで、視覚的に訴求力のあるグラフが作成でき、業務の資料作成やプレゼンテーションでも高い説得力を持たせることができます。

ぜひこの記事を参考に、ExcelグラフのSeriesを自在に操り、データの可視化スキルをさらに高めてみてください。

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