Excelを活用していると、「ランダムな数値を自動で出したい」という場面に出くわすことがあります。例えば、抽選番号を生成したり、模擬データを作ったりする場合です。そんなときに便利なのが「RANDBETWEEN(ランダムビトウィーン)」関数です。この関数を使えば、指定した範囲内でランダムな整数を簡単に生成できます。本記事では、RANDBETWEEN関数の基本的な使い方から、実務での応用例、注意点までをわかりやすく解説します。
RANDBETWEEN関数とは?
RANDBETWEEN関数は、指定した最小値と最大値の範囲内から、ランダムな「整数」を返す関数です。
基本構文
=RANDBETWEEN(最小値, 最大値)
例
=RANDBETWEEN(1, 100)
この式を使うと、1から100の間でランダムな整数を返します。何度も再計算すると、毎回違う数値が表示されます。
RANDBETWEEN関数の特徴
- 整数のみを生成:小数は扱いません。
- 関数の再計算で値が変わる:ファイルを開いたり、他のセルを更新したりすると再計算されます。
- 疑似乱数を使用:完全なランダムではありませんが、実務上は問題ないレベルです。
よくある使用シーン
1. 抽選・くじ引きの番号生成
=RANDBETWEEN(1, 100)
複数人にランダム番号を付けて、抽選を行うのに便利です。
2. ダミーデータの作成
アンケートやシステム開発のテスト用に、年齢・点数などのランダム値を入れるときに使えます。
例:
=RANDBETWEEN(18, 65) ' 年齢の模擬データ
=RANDBETWEEN(0, 100) ' テストの点数
3. ランダムな順番の作成(シャッフル)
RAND関数と組み合わせて行をシャッフルできます。
手順:
- A列に名前などのデータ
- B列に「=RAND()」と入力
- B列を基準にソート
実践例:RANDBETWEENで抽選アプリ風に使ってみる
- A列に「参加者名」を入力
- B列に「=RANDBETWEEN(1, 100)」で抽選番号を生成
- 番号が大きい人を当選者にする、などの条件をつけて使用
応用:
=IF(B2>=90, "当選", "落選")
注意点と落とし穴
値が変わってしまう
通常のままだと、Excelを開き直したり、編集したりするたびに値が変わってしまいます。
値を固定する方法
方法1:コピー&値貼り付け
- RANDBETWEENを使ったセルを選択
- Ctrl + Cでコピー
- 右クリック → 「値の貼り付け」
方法2:手動再計算モードにする
- [数式] → [計算方法の設定] → [手動]
- 必要なときだけ「F9キー」で再計算できます。
RANDBETWEEN関数とRAND関数の違い
関数名 | 返す値のタイプ | 数値の範囲 | 小数対応 |
---|---|---|---|
RANDBETWEEN | 整数 | 任意の範囲 | × |
RAND | 小数 | 0以上1未満 | ○ |
例えば、小数を含むランダム値が必要な場合はRAND()
に*100
などを掛けて調整します。
その他の応用例
日付をランダムに出す
=RANDBETWEEN(DATE(2023,1,1), DATE(2023,12,31))
セルの表示形式を「日付」に変更すると、日付のランダム化もできます。
条件付きでランダムな文字列を出す
RANDBETWEENを使って、配列からランダムに要素を取り出すことも可能です。
例:
=CHOOSE(RANDBETWEEN(1,3), "赤", "青", "黄")
よくある質問(FAQ)
Q1:値を固定して印刷したいけどどうすれば?
A:値貼り付けを使ってください。関数のままだと印刷時にも変化する場合があります。
Q2:同じ数字が出るのを防げる?
A:重複のないランダム値を作るには、RAND関数とソートの組み合わせ、もしくはVBAの使用が必要です。
Q3:Excel以外で使える?
A:Googleスプレッドシートでは同じ関数がRANDBETWEEN
で使えます。
まとめ
RANDBETWEEN関数は、ランダムな整数を簡単に生成できる便利な関数です。抽選や模擬データの作成など、多くの業務で活用することができます。ただし、再計算によって値が変わる性質があるため、固定したい場合はコピー&値貼り付けなどの処理が必要です。シンプルながら実用性の高いこの関数、ぜひ日々の業務に取り入れてみてください。