在庫管理は、ビジネスの現場で欠かせない業務のひとつです。Kintoneを使えば、プログラミングの知識がなくても、簡単に自社に合った在庫管理アプリを作成することができます。この記事では、Kintoneの基本機能から、テーブルやリレーションといった少し高度な設定までを丁寧に解説します。これからKintoneで在庫管理を始めたい方や、すでに運用しているけれどもっと便利にしたいと考えている方におすすめの内容です。
Kintoneで在庫管理アプリを作るメリットとは?
Kintoneは、サイボウズが提供するクラウド型の業務アプリ作成ツールです。在庫管理にKintoneを使うことで、次のようなメリットがあります。
- ノーコードで簡単に構築できる
Excelでは複雑になる在庫計算も、Kintoneならフィールドの設定だけで自動化可能です。 - リアルタイムに情報共有できる
社内の誰でもアクセスでき、在庫の変動をすぐに把握できます。 - カスタマイズ性が高い
自社に合わせた画面構成や業務フローに応じた設計が可能です。 - データの連携がスムーズ
他のKintoneアプリと連携し、仕入や受注管理とも情報を共有できます。
在庫管理アプリの基本構成を考えよう
在庫管理アプリでは、次のようなデータ構成を考えると便利です。
- 商品マスタアプリ:商品コード、商品名、単価、仕入先など
- 在庫管理アプリ:日付、商品、入出庫区分、数量、在庫数など
- 仕入・販売履歴アプリ(必要に応じて)
このうち、「商品マスタアプリ」と「在庫管理アプリ」はテーブルリレーションで連携させると、より効率的に運用できます。
商品マスタアプリを作成しよう
まずは、すべての基本となる「商品マスタアプリ」を作成します。
手順:
- Kintoneの「+アプリを作る」から「最初から作成」を選びます。
- アプリ名を「商品マスタ」に設定。
- 次のフィールドを追加します:
- 商品コード(文字列(1行))
- 商品名(文字列(1行))
- 単価(数値)
- 仕入先(文字列(1行)またはドロップダウン)
- 商品コードは「重複不可」の設定にしておきましょう。
- アプリを保存・公開します。
このアプリは、後で在庫アプリとリレーションするための基盤になります。
在庫管理アプリを作成しよう(テーブル使用)
次に、実際の在庫の入出庫を記録する「在庫管理アプリ」を作ります。
手順:
- アプリ名を「在庫管理」とします。
- 次のフィールドを追加します:
- 処理日(日時)
- 担当者(ユーザー選択)
- コメント(文字列(複数行))
- そして「テーブル」を1つ作成し、以下のフィールドを中に入れます:
- 商品コード(ルックアップ) → 商品マスタアプリの「商品コード」と連携
- 商品名(文字列(1行)) → ルックアップで自動取得
- 単価(数値) → ルックアップで自動取得
- 入出庫区分(ドロップダウン:入庫/出庫)
- 数量(数値)
- 備考(文字列(1行))
ルックアップ設定のポイント:
- 商品コードフィールドを右クリック →「ルックアップの設定」
- 対象アプリ:「商品マスタ」
- 参照フィールド:「商品コード」
- コピーするフィールド:「商品名」「単価」
この設定をしておくと、商品コードを選ぶだけで自動的に情報が補完されるようになります。
在庫数の計算と表示(プロセスの自動化)
Kintone標準では在庫数の自動計算はありませんが、次のような方法で対応可能です。
方法1:JavaScriptプラグインを使う
カスタマイズができる方なら、商品ごとに入庫と出庫の合計を差し引いて在庫数を表示するスクリプトを書くことも可能です。
方法2:グラフビューと集計で可視化
Kintoneの標準機能で、集計ビューを作成して「商品別の数量合計(入庫)」「数量合計(出庫)」を表示することができます。
また、条件付きで集計するには、カスタムビューや外部サービス(krewDataなど)との連携もおすすめです。
アプリ同士のリレーションで仕入や販売とも連携
Kintoneの魅力は「アプリ間のリレーション」です。たとえば、次のような運用が可能です。
- 仕入アプリで入庫を記録すると、在庫管理アプリにも自動反映
- 販売アプリで出庫を記録し、在庫数が減る
リレーションの設定:
- 在庫管理アプリに「関連レコード一覧」フィールドを追加
- 対象アプリを「仕入アプリ」「販売アプリ」に設定
- 商品コードや商品名で一致するレコードを表示させます
これにより、1つの画面で過去の仕入や販売の履歴が確認でき、在庫管理の精度が一段と向上します。
実際の業務に合わせてカスタマイズしよう
Kintoneは柔軟性の高いツールなので、次のような追加カスタマイズも可能です。
- 通知設定:在庫数が一定以下になったらアラート通知
- QRコード読取連携:入庫・出庫時に商品をスキャン
- 他システムとの連携:APIを使えば基幹システムやECと接続可能
業務の規模や目的に応じて、最適な形にどんどん進化させられます。
まとめ:Kintoneで在庫管理をもっとスマートに
Kintoneを使えば、ノーコードで柔軟性の高い在庫管理システムを誰でも構築できます。特にテーブルやリレーション機能を活用すれば、商品マスタとの連携や複数の履歴管理も効率よく行えます。まずはシンプルなアプリから作成して、少しずつ必要な機能を追加していくのがおすすめです。Kintoneなら、在庫管理も「見える化」と「省力化」を同時に実現できます。