Windowsのバッチファイル(.bat)は、繰り返し作業を自動化するのに便利なツールです。その中でもmd
コマンドは、新しいフォルダを作成するために使用される基本的なコマンドの一つです。
本記事では、md
コマンドの基本的な使い方から応用的な活用例、エラー対策まで詳しく解説します。バッチファイルを使いこなしたい方は、ぜひ参考にしてください。
mdコマンドとは?
md
(Make Directory)コマンドは、新しいフォルダ(ディレクトリ)を作成するためのWindowsコマンドです。
基本構文:
md フォルダ名
または
mkdir フォルダ名
md
とmkdir
はどちらも同じ機能を持ち、どちらを使っても問題ありません。
使用例:
md NewFolder
このコマンドを実行すると、現在のディレクトリにNewFolderというフォルダが作成されます。
mdコマンドをバッチファイルで活用する方法
1. 複数のフォルダを一括作成する
バッチファイルでは、複数のフォルダを一度に作成することができます。
@echo off
md Folder1 Folder2 Folder3
echo フォルダを作成しました。
pause
このバッチを実行すると、Folder1
、Folder2
、Folder3
という3つのフォルダが作成されます。
2. 存在しない場合のみフォルダを作成する
フォルダがすでに存在している場合に作成をスキップするには、if not exist
を使います。
@echo off
if not exist NewFolder md NewFolder
echo NewFolderを作成しました。
pause
このスクリプトは、NewFolderが存在しない場合のみフォルダを作成します。
3. フォルダ名に日付を追加して作成する
フォルダ名に日付を加えて、バックアップフォルダを作成する方法です。
@echo off
set YYYYMMDD=%date:~0,4%%date:~5,2%%date:~8,2%
md Backup_%YYYYMMDD%
echo Backup_%YYYYMMDD% を作成しました。
pause
このスクリプトを実行すると、例えば Backup_20250303
のようなフォルダが作成されます。
4. ネストされたフォルダを作成する
一度に複数階層のフォルダを作成することもできます。
@echo off
md ParentFolder\ChildFolder\SubChildFolder
echo ネストされたフォルダを作成しました。
pause
このスクリプトを実行すると、ParentFolder → ChildFolder → SubChildFolder という3階層のフォルダが作られます。
mdコマンドのエラー対策
1. スペースを含むフォルダ名を作成する場合
フォルダ名にスペースが含まれる場合は、ダブルクォーテーション(””) で囲む必要があります。
例:
md "My Documents"
ダブルクォーテーションなしで md My Documents
とすると、My
と Documents
という2つのフォルダが作成されてしまいます。
2. すでに存在するフォルダを作成しようとした場合
md
コマンドは、すでにフォルダが存在していてもエラーを出しませんが、処理を最適化するために存在確認を行うと良いでしょう。
フォルダが存在しない場合のみ作成:
@echo off
if not exist "C:\TestFolder" md "C:\TestFolder"
echo フォルダが作成されました。
pause
3. ネットワークドライブ上でのフォルダ作成
ネットワークドライブにフォルダを作成する場合、md
コマンドの前にネットワークドライブがマウントされていることを確認する必要があります。
例:
@echo off
net use Z: \\Server\SharedFolder
md Z:\NewFolder
echo ネットワークドライブにフォルダを作成しました。
pause
このスクリプトでは、まずネットワークドライブ Z: に共有フォルダをマウントし、その後 md
コマンドでフォルダを作成します。
まとめ
md
コマンドはフォルダ作成に使用する基本的なWindowsコマンド- バッチファイルで一括作成や日付付きフォルダ作成などが可能
if not exist
を使うと、既存フォルダがある場合の処理を最適化できる- スペースを含むフォルダ名はダブルクォーテーションを使う必要がある
- ネットワークドライブ上でのフォルダ作成も可能
md
コマンドは単純な機能ながら、バッチファイルで活用することで効率的な作業が可能になります。ぜひ、日々の業務の自動化に役立ててください!