PowerShellはWindows環境でのシステム管理や情報取得に非常に便利なツールです。特に、BIOS情報を取得することで、ハードウェアの状態を確認したり、管理者がシステムの構成を把握するのに役立ちます。
本記事では、PowerShellの Get-WmiObject Win32_BIOS コマンドを使用して、BIOS情報を取得する方法を詳しく解説します。初心者でもわかりやすいように、実際のコマンド例や活用シーンを交えて紹介します。
PowerShellでBIOS情報を取得する基本コマンド
PowerShellを使ってBIOS情報を取得するには、Get-WmiObject
コマンドを使用します。
基本コマンド
以下のコマンドをPowerShellで実行すると、BIOSの詳細情報が取得できます。
Get-WmiObject Win32_BIOS
このコマンドを実行すると、以下のような情報が取得できます。
SMBIOSBIOSVersion : V1.12
Manufacturer : Dell Inc.
Name : Phoenix BIOS
ReleaseDate : 20240101000000.000000+000
SerialNumber : ABCD1234
Version : DELL - 1072009
上記の情報から、BIOSのバージョン、メーカー、リリース日、シリアル番号などを確認できます。
取得できるBIOS情報の詳細
Get-WmiObject Win32_BIOS
を実行すると、以下のような主要な情報を取得できます。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
SMBIOSBIOSVersion | BIOSのバージョン |
Manufacturer | BIOSの製造元 |
Name | BIOSの名前 |
ReleaseDate | BIOSのリリース日 |
SerialNumber | マザーボードのシリアル番号 |
Version | BIOSのバージョン情報 |
これらの情報は、システム管理やトラブルシューティング時に役立ちます。
より詳細なBIOS情報を取得する方法
特定のプロパティだけを取得したい場合、Select-Object
を使用します。
BIOSのシリアル番号だけ取得
Get-WmiObject Win32_BIOS | Select-Object SerialNumber
出力例
SerialNumber
------------
ABCD1234
BIOSのバージョン情報だけ取得
Get-WmiObject Win32_BIOS | Select-Object SMBIOSBIOSVersion
出力例
SMBIOSBIOSVersion
-----------------
V1.12
このように、Select-Object
を使うことで、必要な情報だけをピンポイントで取得できます。
BIOS情報をCSVファイルに保存する方法
システム管理やレポート作成のために、BIOS情報をファイルに保存したい場合は、Export-Csv
コマンドを活用します。
Get-WmiObject Win32_BIOS | Select-Object Manufacturer, SMBIOSBIOSVersion, ReleaseDate, SerialNumber | Export-Csv -Path "C:\temp\BIOS_Info.csv" -NoTypeInformation
このコマンドを実行すると、指定したフォルダに BIOS_Info.csv というCSVファイルが作成され、以下のような内容が保存されます。
"Manufacturer","SMBIOSBIOSVersion","ReleaseDate","SerialNumber"
"Dell Inc.","V1.12","20240101000000.000000+000","ABCD1234"
この方法を使えば、複数のPCのBIOS情報を管理する際に便利です。
PowerShell 7 以降のBIOS情報取得方法
PowerShell 7 以降では、Get-WmiObject
は非推奨となり、Get-CimInstance
を使用することが推奨されています。
Get-CimInstanceを使ったBIOS情報取得
Get-CimInstance Win32_BIOS
このコマンドは Get-WmiObject
とほぼ同じ機能を持ちながら、より高速かつ効率的に情報を取得できます。今後のPowerShellの更新に備え、Get-CimInstance
の利用を検討するのも良いでしょう。
BIOS情報を取得する活用例
BIOS情報を取得することには、さまざまな用途があります。
- ハードウェア管理
- 企業のIT管理者が、PCのメーカーやBIOSバージョンを一括で管理できる。
- セキュリティ対策
- 古いBIOSバージョンがある場合、脆弱性対策としてアップデートを促す。
- トラブルシューティング
- システムの問題が発生した際に、BIOSのバージョンやリリース日を確認することで、原因特定の手助けになる。
- リモート管理
Get-WmiObject
をリモートPCに適用して、ネットワーク上のPCのBIOS情報を取得する。
まとめ
PowerShellの Get-WmiObject Win32_BIOS
コマンドを使用すると、簡単にBIOS情報を取得できます。
- 基本コマンド で全てのBIOS情報を取得
Select-Object
を使って必要な情報を抽出- CSVにエクスポートして管理可能
- PowerShell 7以降では
Get-CimInstance
を推奨 - ハードウェア管理、セキュリティ対策、トラブルシューティングに活用可能
PowerShellを活用すれば、システムの管理がより効率的になります。ぜひ、この記事を参考にBIOS情報の取得に挑戦してみてください!