ネットワークのトラブルシューティングや管理を行う際に、PCに搭載されているネットワークアダプタの情報を素早く取得できると便利です。
Windowsでは PowerShellの「Get-NetAdapter」コマンド を使用することで、インストールされているネットワークアダプタの詳細な情報を取得できます。
本記事では、 Get-NetAdapterの基本的な使い方から、応用的な活用方法まで詳しく解説 します。
PowerShellを使ったネットワーク管理に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
Get-NetAdapterとは?
Get-NetAdapter は、WindowsのPowerShellに組み込まれている NetAdapterモジュールのコマンドの1つ であり、PCに搭載されているネットワークアダプタの情報を取得するためのコマンドです。
このコマンドを使用することで、以下のような情報を取得できます。
- ネットワークアダプタの名前
- MACアドレス
- リンク速度
- 管理状態(有効/無効)
- 接続状態(接続済み/未接続)
- アダプタの種類(Wi-Fi、有線、仮想アダプタなど)
ネットワーク関連のトラブルシューティングや設定変更の際に、非常に役立つコマンドです。
基本的な使い方
1. すべてのネットワークアダプタ情報を取得
まずは、 PC上のすべてのネットワークアダプタの情報を表示 する基本的なコマンドを紹介します。
Get-NetAdapter
このコマンドを実行すると、以下のような情報が一覧で表示されます。
Name InterfaceDescription ifIndex Status MacAddress LinkSpeed
---- -------------------- ------- ------ ---------- --------
Wi-Fi Intel(R) Wireless-AC 9560 3 Up AA-BB-CC-DD-EE-FF 866.7 Mbps
Ethernet Intel(R) Ethernet Connection (7) I219-V 2 Disconnected 11-22-33-44-55-66 1 Gbps
Bluetooth Network Adapter Bluetooth Device (Personal Area Network) 5 Up 00-11-22-33-44-55 3 Mbps
ここでは、以下の情報が確認できます。
- Name: アダプタ名
- InterfaceDescription: アダプタの詳細な説明
- ifIndex: インターフェース番号
- Status: 現在の状態(
Up
は有効、Disconnected
は未接続) - MacAddress: MACアドレス
- LinkSpeed: 接続速度
特定のネットワークアダプタを絞り込んで表示
2. 有効な(使用中の)アダプタのみ表示
Status
が Up
のアダプタのみを表示するには、以下のコマンドを実行します。
Get-NetAdapter | Where-Object Status -eq 'Up'
このコマンドは、現在 有効なネットワークアダプタのみ を表示するため、不要な情報を省略できます。
3. 特定のネットワークアダプタ情報を取得
特定のアダプタ(たとえばWi-Fi)だけの情報を取得したい場合、以下のように指定できます。
Get-NetAdapter -Name "Wi-Fi"
4. アダプタの詳細情報を取得
Format-List
(fl
)を使用して、より詳細な情報を表示することも可能です。
Get-NetAdapter -Name "Wi-Fi" | Format-List *
このコマンドを実行すると、アダプタに関する 全ての詳細情報 が表示されます。
ネットワークアダプタの設定を変更する
5. ネットワークアダプタを無効にする
特定のネットワークアダプタを無効にするには、Disable-NetAdapter
コマンドを使用します。
Disable-NetAdapter -Name "Wi-Fi" -Confirm:$false
このコマンドを実行すると、指定したネットワークアダプタが無効化されます。
確認メッセージを省略したくない場合 は -Confirm:$false
を削除してください。
6. ネットワークアダプタを有効にする
無効化したネットワークアダプタを再び有効にするには、Enable-NetAdapter
コマンドを使用します。
Enable-NetAdapter -Name "Wi-Fi"
7. IPアドレス情報を取得
ネットワークアダプタの IPアドレス情報 も Get-NetAdapter
と Get-NetIPAddress
を組み合わせることで取得できます。
Get-NetAdapter | Get-NetIPAddress
これにより、各アダプタの IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ などが表示されます。
応用編:スクリプトで情報を収集
8. ネットワークアダプタ情報をCSVにエクスポート
取得したネットワークアダプタ情報をCSVファイルとして保存することもできます。
Get-NetAdapter | Export-Csv -Path "C:\network_adapters.csv" -NoTypeInformation
このコマンドを実行すると、C:\network_adapters.csv
にネットワークアダプタの情報が保存され、Excelなどで開くことができます。
9. 複数のPCから情報を取得する
複数のPCのネットワークアダプタ情報をリモートで取得する場合、Invoke-Command
を使用すると便利です。
Invoke-Command -ComputerName "PC1", "PC2" -ScriptBlock { Get-NetAdapter }
このコマンドにより、リモートPC(PC1
、PC2
)のネットワークアダプタ情報を取得できます。
まとめ
本記事では、 PowerShellの「Get-NetAdapter」コマンドを使用してネットワークアダプタの情報を取得する方法 を解説しました。
基本的な使い方から、特定のアダプタ情報の絞り込み、アダプタの有効・無効化、CSVへのエクスポート、リモートPCの情報取得まで、幅広く紹介しました。
「Get-NetAdapter」コマンドを活用すれば、ネットワークアダプタの管理を効率的に行うことが可能です。
ぜひ、実際のネットワーク管理やトラブルシューティングに活用してみてください。