Linuxを使用していると、システムの電源を切る必要がある場面が多々あります。その際に利用される代表的なコマンドがshutdownです。shutdownコマンドを適切に活用することで、安全にシステムを終了し、データの破損やシステムトラブルを回避できます。本記事では、shutdownコマンドの基本的な使い方から、各種オプション、実際の使用例まで詳しく解説します。
shutdownコマンドとは?
shutdownコマンドは、Linuxシステムを安全にシャットダウンするためのコマンドです。このコマンドを使用すると、システムは適切な手順を経てシャットダウンし、未保存のデータ損失を防ぐことができます。
基本的な構文は以下の通りです。
shutdown [オプション] [時間] [メッセージ]
shutdownコマンドの基本的な使い方
1. 即時シャットダウン
システムを即時にシャットダウンしたい場合は、以下のコマンドを使用します。
shutdown now
または、
shutdown -h now
-hオプションはシステムの電源を切ることを意味します。
2. 指定した時間にシャットダウン
指定した時間後にシャットダウンしたい場合、以下のように記述します。
shutdown -h +10
このコマンドを実行すると、10分後にシャットダウンが実行されます。
特定の時刻にシャットダウンする場合、以下のように記述します。
shutdown -h 22:30
この場合、22時30分にシャットダウンが実行されます。
3. システムを再起動する
シャットダウンではなく、再起動を行いたい場合は-rオプションを使用します。
shutdown -r now
または、一定時間後に再起動する場合:
shutdown -r +5
この場合、5分後に再起動が実行されます。
shutdownコマンドのオプション一覧
shutdownコマンドには、さまざまなオプションがあります。
| オプション | 説明 |
|---|---|
-h | システムの電源を切る |
-r | システムを再起動する |
-c | 予約されたシャットダウンをキャンセルする |
-k | 実際にはシャットダウンせず、通知のみを行う |
+時間 | 指定した分数後にシャットダウン |
時:分 | 指定した時刻にシャットダウン |
shutdownコマンドの実践例
1. 予約されたシャットダウンのキャンセル
shutdownコマンドを実行した後にキャンセルしたい場合は、-cオプションを使用します。
shutdown -c
2. ユーザーに通知を送る
シャットダウンを実行する前に、ログイン中のユーザーへ通知を送ることができます。
shutdown -h +15 "システムメンテナンスのため15分後にシャットダウンします"
3. 実際にはシャットダウンせずに通知だけ送る
実際にシャットダウンを実行せず、警告だけを送信する場合は、-kオプションを使用します。
shutdown -k now "テストのため、実際にはシャットダウンしません"
shutdownコマンド実行時の注意点
- root権限が必要
shutdownコマンドは管理者権限が必要なため、通常はsudoを付けて実行します。
sudo shutdown -h now - cronジョブとの併用
- 定期的にシャットダウンを実行したい場合、
crontabを活用できます。
sudo crontab -e例えば、毎日23時にシャットダウンする場合、次のように設定します。0 23 * * * /sbin/shutdown -h now - 定期的にシャットダウンを実行したい場合、
- 他のユーザーに影響を与える
shutdownを実行すると、システムにログインしているすべてのユーザーに影響を与えるため、事前に通知を行うのが望ましいです。
まとめ
shutdownコマンドは、Linuxシステムを安全に終了させるために非常に重要なコマンドです。-hで電源を切る、-rで再起動する、-cでキャンセルするなど、さまざまなオプションを活用することで、システム管理を効率的に行うことができます。特にサーバー運用では、誤ってシステムをシャットダウンしないように注意しながら、適切なタイミングで活用することが重要です。
