wgetコマンドで簡単にファイルをダウンロードする方法を解説!

Linuxを使っていると、インターネット上からファイルをダウンロードする機会がよくあります。そんなときに役立つのが「wget」コマンドです。ターミナルからシンプルなコマンド一つでファイルを取得できる便利なツールで、多くのLinuxディストリビューションに標準でインストールされています。本記事では、wgetの基本的な使い方から、よく使うオプションの解説、応用例までをわかりやすく紹介します。Linux初心者の方でもすぐに実践できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。


wgetとは?Linuxで使える便利なダウンロードツール

wget(Web getの略)は、HTTP、HTTPS、FTPなどのプロトコルを使ってファイルをダウンロードするための非対話型コマンドラインツールです。「非対話型」というのは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使わず、すべてターミナル上で操作できるという意味です。

wgetの主な特徴には以下のようなものがあります:

  • インターネット上のファイルを自動でダウンロード
  • 再帰的にWebページを取得可能(ミラーリング)
  • 中断したダウンロードの再開が可能
  • バックグラウンドでの実行も可能

多くのLinux環境でデフォルトでインストールされているため、特別な準備なしですぐに使えるのも魅力のひとつです。


wgetの基本的な使い方

wgetのもっとも基本的な使い方は、以下のようにURLを指定してコマンドを実行するだけです。

wget https://example.com/sample-file.zip

このコマンドを実行すると、指定したURLのファイルが現在のディレクトリにダウンロードされます。

ダウンロードが成功すると、ファイルの保存状況や進行状況がターミナル上に表示されます。ファイル名はURLの末尾部分になります。


保存するファイル名を指定する

wgetでは、ダウンロードするファイル名を自分で指定することもできます。

wget -O newname.zip https://example.com/sample-file.zip

この例では、「sample-file.zip」を「newname.zip」という名前で保存します。-Oオプションを使うことで、任意のファイル名に変更できるのが便利です。


複数のファイルを一括でダウンロードする

複数のファイルを一度にダウンロードしたいときは、URLを列挙したテキストファイルを使うのが便利です。

まず、URLを1行ずつ記載したファイル(たとえばurls.txt)を作成します。

https://example.com/file1.jpg  
https://example.com/file2.jpg
https://example.com/file3.jpg

その後、以下のコマンドを実行します。

wget -i urls.txt

これで、テキストファイルに書かれたすべてのURLからファイルが自動的にダウンロードされます。


ダウンロードを中断・再開する

大きなファイルのダウンロード中にネットワークが切れてしまうことがあります。そんなときも、wgetは再開機能を使って中断したところから再開できます。

wget -c https://example.com/largefile.iso

-cオプション(–continue)は、ダウンロードを途中から再開するための指定です。サーバー側が対応している場合に限りますが、非常に便利な機能です。


バックグラウンドでの実行

長時間かかるファイルをダウンロードする場合は、wgetをバックグラウンドで動かすことも可能です。

wget -b https://example.com/bigfile.tar.gz

-bオプション(–background)は、wgetをバックグラウンドで実行します。ログは自動的に wget-log というファイルに記録されるので、進行状況を後から確認することができます。


Webサイト全体をダウンロードする(ミラーリング)

wgetは単なるファイルのダウンロードだけでなく、Webサイトをまるごとコピーするような使い方もできます。

wget -r -l 3 -k -p https://example.com

このコマンドでは以下のようなことをしています:

  • -r:再帰的にダウンロード
  • -l 3:リンクの深さを3階層まで
  • -k:ローカル参照に変換
  • -p:ページ表示に必要なすべてのファイル(画像やCSSなど)も取得

Webページをローカルで閲覧したいときに非常に役立つ機能です。


ユーザーエージェントを指定する

一部のWebサイトでは、wgetのデフォルトユーザーエージェント(User-Agent)をブロックしていることがあります。その場合はブラウザのユーザーエージェントを偽装して回避できます。

wget --user-agent="Mozilla/5.0" https://example.com

これにより、ブラウザからアクセスしているように見せかけることができます。


wgetが使えない場合の対処法

Linuxディストリビューションによっては、最初からwgetがインストールされていないこともあります。その場合は、以下のコマンドでインストール可能です。

Debian系(Ubuntuなど)

sudo apt update  
sudo apt install wget

Red Hat系(CentOS、RockyLinuxなど)

sudo dnf install wget

インストール後、再度ターミナルで wget を実行してみましょう。


curlとの違いは?

wgetとよく比較されるのが「curl」コマンドです。どちらもURLからデータを取得するツールですが、違いもあります。

項目wgetcurl
デフォルト動作ファイルを保存標準出力に表示
再帰ダウンロード可能不可
インタラクティブ性低い(非対話)スクリプト向き(柔軟)
FTP対応

一言で言えば、「ファイルを簡単にダウンロードしたいならwget、複雑なAPI操作をしたいならcurl」と覚えておくと良いでしょう。


まとめ:wgetはシンプルで強力なダウンロードツール

wgetは、Linux環境でファイルをダウンロードする際に非常に重宝するコマンドです。基本的なファイル取得から、複数ファイルの一括ダウンロード、途中再開、バックグラウンド実行、Webページのミラーリングまで、幅広い用途に対応しています。

初心者にも使いやすく、それでいて高機能。覚えておいて損はないコマンドです。ぜひ日常の作業に取り入れて、Linuxライフをより快適にしてください。

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