Linuxではシステム管理者や利用者が、ユーザーアカウントに関する詳細な情報を確認するための便利なコマンドがいくつかあります。中でも「finger」コマンドは、ユーザーのログイン情報や本名、ホームディレクトリなどを素早く一覧で表示してくれるツールとして古くから使われています。本記事では、「finger」コマンドの基本的な使い方から、活用例、注意点までを詳しく解説します。ユーザー管理やトラブルシューティングに役立つ知識として、ぜひ覚えておきましょう。
fingerコマンドとは?
「finger」は、ユーザーのアカウントに関する情報を表示するためのコマンドです。Unix系のOSで広く使われており、Linuxにもインストールして利用できます。表示される情報には、ユーザー名、フルネーム、ログイン状態、ホームディレクトリ、ログインシェルなどがあります。
このコマンドは特に、ユーザーの在席状況やログイン履歴を把握するために便利です。たとえば「誰が今ログインしているのか?」や、「このアカウントのフルネームは何だろう?」という疑問を、1つのコマンドで簡単に解決できます。
fingerコマンドのインストール方法
多くのLinuxディストリビューションでは、「finger」コマンドはデフォルトでインストールされていないことがあります。その場合、以下のようにしてインストールできます。
Ubuntu/Debian系
sudo apt update
sudo apt install finger
CentOS/RHEL系
sudo yum install finger
Fedora
sudo dnf install finger
インストールが完了したら、finger
コマンドが利用可能になります。
fingerコマンドの基本的な使い方
最も基本的な使い方は、ユーザー名を引数に与えるだけです。
finger <ユーザー名>
たとえば、自分自身の情報を確認するには次のように入力します:
finger $(whoami)
実行すると、以下のような情報が表示されます。
Login: testuser Name: Test User
Directory: /home/testuser Shell: /bin/bash
On since Thu Apr 3 08:42 (JST) on pts/0 from 192.168.1.100
Mail last read Thu Apr 3 09:00 2025 (JST)
No Plan.
出力される情報の詳細
fingerコマンドで表示される情報の意味を一つずつ解説します。
- Login: ユーザー名
- Name: ユーザーのフルネーム(
/etc/passwd
ファイルのGECOSフィールド) - Directory: ホームディレクトリ
- Shell: ログインシェル(例:/bin/bash)
- On since: 最後にログインした日時と接続元情報
- Mail: メールの受信状況
- No Plan:
.plan
ファイルの内容(なければ「No Plan」と表示)
複数ユーザーの情報を同時に表示する
複数のユーザー名をスペース区切りで指定すれば、それぞれのユーザー情報をまとめて確認できます。
finger user1 user2 user3
ユーザー管理を行う際や、複数人のログイン状況をチェックしたい場合に便利です。
オプションの紹介と使い方
fingerコマンドには、シンプルながらいくつかのオプションも存在します。
-s(short)
概要のみを表示するモードです。以下のようにコンパクトな出力になります。
finger -s username
出力例:
Login Name TTY Idle Login Time Office
user1 User One pts/1 00:05 Apr 3 08:42
-l(long)
これはデフォルトで有効な出力スタイルです。より詳細な情報を表示します。
finger -l username
※一部ディストリビューションでは -l
を指定しなくても詳細表示されます。
.planファイルと.fingerファイルの使い方
fingerコマンドは、ユーザーのホームディレクトリにある特定のファイルの内容も表示できます。
.planファイル
このファイルに書かれた内容は、fingerコマンドの出力の最後に表示されます。たとえば、以下のように書いておけば、自分に関する簡単な自己紹介を表示できます。
echo "現在、Web開発案件に集中しています。" > ~/.plan
.projectファイル
このファイルは、現在のプロジェクトや作業内容を記載するためのものです。
echo "社内システムの再構築中です。" > ~/.project
これらのファイルを使うことで、他のユーザーがfingerコマンドで自分の状況を確認しやすくなります。
fingerコマンドを使う上での注意点
セキュリティ上の配慮
fingerコマンドは、ユーザー情報を公開する性質があるため、セキュリティの観点からは注意が必要です。特に、ネットワーク経由での利用を許可するfingerサーバー(fingerd
)は、過去に脆弱性が報告されており、現代のシステムでは非推奨です。
そのため、多くのサーバーではfingerサービスは無効化されています。あくまでローカル環境での情報確認にとどめるのがベストです。
fingerコマンドが動作しないときの対処法
fingerコマンドがうまく動作しない場合、以下をチェックしましょう。
- コマンドがインストールされていない →
sudo apt install finger
などでインストール - 対象のユーザーが存在しない →
id <ユーザー名>
で確認 - パーミッションの問題 →
.plan
や.project
ファイルの権限を644
に設定
fingerコマンドの活用シーン
- ユーザーの在席確認(ログイン中かどうか)
- システム管理者によるアカウント確認作業
- SSHログイン元IPの確認
- チーム内での自己紹介や作業内容の共有(.plan/.project)
まとめ:fingerコマンドは今でも役立つ便利ツール
fingerコマンドはシンプルでありながら、ユーザーに関する多くの情報を素早く取得できる便利なツールです。現代のLinux環境ではセキュリティ上の理由から使われる機会は減っているものの、ローカルでのユーザー管理や簡易的なログイン情報の確認には非常に役立ちます。
「誰がログインしているか知りたい」「このユーザーの本名やホームディレクトリを調べたい」と思ったときに、ぜひfinger
コマンドを活用してみてください。