Pythonのコメントとコメントアウトの使い方を完全解説

Pythonのコードを書いていると、途中でメモを書いたり、特定のコードを一時的に無効化したりしたくなる場面がよくあります。
そんな時に使えるのが「コメント」と「コメントアウト」です。

この記事では、Pythonにおけるコメントの書き方や使い方の基本から、実際の開発現場で役立つ活用法、注意点までを詳しく解説します。
初心者の方はもちろん、Pythonに慣れてきた中級者の方にも役立つ内容になっています。

コメントとは？

Pythonにおけるコメントとは、プログラムの実行に影響を与えず、開発者のためにコードの意味や目的を説明する文です。

コメントは、プログラムの可読性を高めたり、将来の保守や修正を楽にしたりするために使われます。
また、チーム開発でも情報共有の手段として重要な役割を果たします。

Pythonでは、行の先頭に「#」をつけることで、その行がコメントになります。

# これはコメントです
print("Hello, world!")  # これもコメントとして扱われます

コメントは「#」の後にスペースを入れてから文を書くのが推奨されています。
読みやすさを意識するためです。

コメントアウトとは、「本来は実行されるコード」を、一時的にコメント扱いにして実行されないようにすることです。

例えば以下のように、テストやデバッグ時に使います：

# print("この行は実行されません")
print("この行だけが表示されます")

一時的に無効にすることで、エラーの切り分けや検証作業を効率的に進められます。

PythonにはC言語などにある「/* ～ */」のようなブロックコメント構文はありません。
その代わり、以下のように複数行にわたるコメントを「#」を使って書くのが一般的です：

pythonコピーする編集する# この関数はユーザー名を入力として受け取り、
# 敬称をつけて挨拶文を返します。
# 入力が空の場合はデフォルト値を使用します。

また、"""や'''を使う方法もありますが、これは「コメント」とはみなされず、文字列リテラルとして扱われる点に注意が必要です。
ただし、関数やクラスの説明をする**ドキュメンテーション文字列（docstring）**としては有効です。

def greet(name):
    """
    この関数は、名前を入力として受け取り、
    挨拶文を返します。
    """
    return f"こんにちは、{name}さん！"

以下のような場面でコメントはとても有効です：

例：

# この処理は高速化のために配列ではなく辞書を使っている
# TODO: ユーザー情報はデータベースから取得するように変更する

コメントはあくまでも「補足」です。
以下の点に注意することで、より読みやすく有用なコメントになります：

悪い例：

# 変数xに5を代入する
x = 5

良い例：

# 商品の在庫数（デフォルト値）
stock = 5

Pythonでコメントアウトやコメントをもっと便利に活用するためのテクニックも紹介します：

多くのエディタでは、複数行を一括でコメントアウト・コメント解除できるショートカットが用意されています。

if False:
    # このブロックは実行されない
    print("これは無効化されたコードです")

このように、if False: を使えばブロック単位で実行されない処理をまとめることができます。

コードは自分のために書くのではなく、「未来の誰か（または自分自身）」が読むために書きます。
そのため、コメントは開発者間の意思疎通手段であり、品質の一部とも言えるのです。

コードを書くたびに「これは後から見てもわかるか？」と問いかけ、必要に応じてコメントを残す習慣をつけておきましょう。

Pythonにおけるコメントやコメントアウトの役割や書き方を学ぶことで、コードの品質や保守性は大きく向上します。

この記事で紹介したポイントを押さえておけば、読みやすく、伝わりやすいコードを書くことができるようになります。

ぜひ、日々のコーディングにコメントをうまく取り入れて、開発効率とチームのコミュニケーションを高めていきましょう。