今日は何の日?10月21日には何を祝おう?~あかりの日から禅寺丸柿、反戦の日まで~

10月21日――普段はただの“カレンダー上の日付”かもしれませんが、振り返れば「光」と「平和」、そして地方の自然や伝統を感じさせる記念日が重なる日でもあります。
「電球」という文明の灯火を思い起こさせる「あかりの日」、地域の甘柿「禅寺丸柿」を記念する日、さらには反戦の願いを込めた「国際反戦デー」など、この日にまつわる記憶を紐解けば、私たちの暮らしや歴史に通じる小さな物語がそこかしこに散りばめられています。
本記事では、10月21日の記念日を5つ紹介し、それらが語る背景や雑学も交えて、この日にふさわしい視点をお届けします。


あかりの日:電球と光への感謝

まず、10月21日の記念日として最も有名なのが あかりの日 です。
この記念日は、1981年(昭和56年)に日本電球工業会と日本電気協会らによって制定されました。
その由来は、1879年(明治12年)10月21日のこと。トーマス・エジソンが、京都産の竹を材料としたフィラメント(白熱電球の中で発光する部分)を用いて、実用的な白熱電球を完成させたとされる日にちなんでいます。

この「竹フィラメント電球」は、エジソンが実験を重ねるなかで、フィラメント材料としていくつかの候補(炭素繊維、金属線など)を試し、その中で発明初期のものとして竹(特に京都の竹)が採用されたという話が伝わっています。
そのため、この日に電球や照明、光のありがたさについて改めて意識を向けようという思いが込められています。

また、この記念日に合わせて、照明に関する啓発活動やポスターコンクール、省エネ・節電の呼びかけなどが全国で行われることがあります。

雑学ポイント

  • 「竹フィラメント電球」の素材としての竹は、炭素繊維化した後に細かく加工され、導線として使われた記録が残っています。
  • 昭和時代以降、日本では電灯や蛍光灯、LEDなど光源の変遷が進み、「あかりの質」や「省エネ性」が重要なテーマになりました。
  • 灯りは単に視覚を支えるだけでなく、空間や雰囲気、人々の心を豊かにする要素だという観点から、照明デザイン・演出の分野でも興味深い研究が続いています。

国際反戦デー:戦争を超える願い

10月21日には 国際反戦デー という記念日もあります。
この日は、日本の労働組合総評議会(総評)が1966年(昭和41年)に、アメリカ軍のベトナム戦争介入に反対する全国政治ストライキを実施したのを契機に、反戦を訴える日として設けられました。

「国際反戦デー」という呼び名からは、世界規模で戦争や軍事行動に反対する日として認識されることがありますが、もともとは日本の動きからスタートしています。

この日は、平和を考える機会、戦争の歴史を振り返る契機として、各地で平和集会、講演、シンポジウムなどが行われることがあります。また、学校で戦争体験や平和学習をする題材としても取り上げられることがあります。

雑学ポイント

  • 国際反戦デーの設定は、1960年代の反戦運動の高まりを背景にしており、日本国内でもベトナム反戦運動が盛んになりつつあった時期でした。
  • 「国際反戦デー」は、各国で同時に反戦運動を呼びかけるという意図があったものの、国際的な統一された制度としては広く定着していない面もあります。
  • 今日では「平和記念日」「非暴力の日」など、戦争や武力行使を見つめ直す記念日は世界各地にありますが、起源・意義には国ごとの文脈が深く影響します。

禅寺丸柿の日:地域の柿に光をあてて

10月21日には、なんと 禅寺丸柿の日 という記念日もあります。
禅寺丸柿(ぜんじまるがき)は、川崎市麻生区(神奈川県)を発祥地とする甘柿の一種で、日本で古くから親しまれてきた品種です。

この柿は、麻生区の「王禅寺」という寺の近くで発見されたことから「禅寺丸」と名付けられたという説があります。
記念日の趣旨としては、この伝統的な柿を広く知ってもらい、地元の名産品としての価値を伝えようというものです。

このように、地域の果樹や伝統作物を記念日に据えることで、地域振興や食文化の継承につなげようという意図は全国各地で見られます。


早稲田大学創立記念日:学びと知性の始まり

10月21日は、学問の場を象徴する記念日も残っています。それが 早稲田大学創立記念日 です。
1882年(明治15年)10月21日、東京専門学校という名称で設立されたこの学校が、後の早稲田大学の前身とされています。
その後、1902年に学校は早稲田大学と改称され、現在に至ります。

この創立記念日を通じて、学校関係者や学生らは大学の歴史を振り返り、学びや知性について再認識する機会を持つことが多いようです。


バック・トゥ・ザ・リサイクルの日:未来と環境を繋ぐ視点

もう一つ、少しユニークな記念日として バック・トゥ・ザ・リサイクルの日 が挙げられます。
この記念日は、日本環境設計株式会社などが制定したもので、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、デロリアンが2015年10月21日にタイムトラベルしたという設定にちなんでいます。
この「未来」と「過去」をつなぐモチーフを用いて、リサイクルや資源循環、環境保全の意識を高めようというメッセージが込められています。

映画の世界観と環境問題を結びつけた記念日は、話題性もあって、環境啓発イベントなどで使われることがあります。


今日の記念日に関する雑学・トリビア

以下は、10月21日に関する面白い雑学やトリビアを紹介します

  1. 明治期の電球実験と京都の竹
     エジソンは、フィラメント材料に竹を使うアイディアを模索しており、日本の京都産竹がその候補の一つになったという逸話があります。
     これは、当時の国際実験網が原料供給に敏感だったこと、そして素材技術が発明の質を左右したことを物語る興味深いエピソードです。
  2. 学徒出陣壮行会と歴史的重み
     10月21日には、戦時下の1943年(昭和18年)に明治神宮外苑で学徒出陣壮行会が開かれ、大学生約7万人が集まったという記録があります。
     この行事は戦時体制下での学生動員・動員意識を高めるための象徴的イベントであり、戦争と学問の関係を象徴する象徴的な出来事として振り返られることがあります。
  3. トラファルガー海戦を記念するTrafalgar Day
     国際的には、10月21日はイギリスを中心に Trafalgar Day(トラファルガーの日) としても知られています。これは、1805年10月21日に英国海軍がフランス・スペイン連合艦隊を破ったトラファルガー海戦を記念する日です。
     この勝利は、英国の海上覇権を決定づけた戦いとされ、現在でも英国海軍や英連邦諸国で記念行事が行われることがあります。

まとめ

10月21日という日付を通じて浮かび上がるのは、「光」「知」「地域」「未来」「平和」といったテーマです。電球という光の象徴から、大学の学び、地域の柿、映画と環境、そして反戦への願いまで、この日はさまざまな視点で私たちに語りかけてきます。

あなたがこの記事を読んで、「自宅の照明を少し見直そう」「地域の果物を調べてみよう」「戦争と平和について考えてみよう」と感じることがあれば、それこそが記念日の本来の意味が生きる瞬間かもしれません。

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